Galaxy S20 5GとGalaxy S20+ 5Gは8Kの高画質なビデオ撮影に対応しています。今はまだ8Kの再生環境が整っていませんが、数年もすれば8K TVも普及しているでしょう。今からビデオを8Kで残しておくと数年後、数十年後も美しい映像を後から楽しむことができそうです。

  • 8Kビデオ録画に対応するGalaxy S20 5G

香港在住の筆者ですが、3月から4月は日本に滞在しており、日本でGalaxy S20 5Gを購入しました。購入理由の1つが8Kビデオ撮影機能だったのです。8Kとなると動画のファイルサイズはかなり大きくなりますが、せっかく8Kで撮れるのならば今のうちから動画はすべて8Kにしよう、と考えてみました。

外出自粛前は仕事ででかけることも多かったので、車で仕事に出た帰路や食事のときなどに8Kで実際に動画を撮影。夜景の動画を14秒撮ったところファイルサイズは134MBにもなりました。やはり8Kはかなりの容量になります。またこのサイズでは気軽にSNSでシェアもできません。ですがGalaxy S20 5Gは動画再生時にすぐ編集が可能で、ワンタッチでQHDやフルHDに画質を落として保存しなおせます。この動画もフルHDにしたところサイズは15MBと約1/10まで小さくなりました。「将来のために8Kで録画しておき、シェアするときはサイズを落として別保存」という使い方が問題なくできそうです。

  • 8K動画もサイズを落として再保存できる

またせっかく撮ったのだから8Kのままアップロードしたいものです。YouTubeが8Kビデオに対応しているので、再生環境はさておき撮り貯めた8Kビデオはどんどんアップしてしまうのがいいかもしれません。ファイルサイズが大きいものの5G回線を使えば出先でもあまりストレスを感じずアップロードもできそうです。

日本ではまだ5Gの利用エリアはわずかな場所に限られていますが、香港では繁華街の広いエリアで5Gが使えます(香港キャリア・中国移動香港の場合)。上りは100Mbps前後が出るので100MBを超える動画も撮ったその場で一気にアップできるでしょう。ちなみに筆者が加入している香港の5Gプランは100GBで月額約4,200円です。

  • 香港の街中、5Gの上り速度は100Mbps前後

さて8K録画の利点はもう1つあります。それは8Kの動画をそのままの解像度でキャプチャして写真にできるのです。今でも動画を再生中に画面をキャプチャして写真にしてそれをSNSでシェアする人も多いでしょう。しかし画面キャプチャでは画面解像度程度の写真しか得られません。Galaxy S20 5Gは動画再生中にキャプチャボタンを押すと8Kビデオそのまままのサイズでキャプチャしてくれるのです。

  • 赤矢印のボタンをタップすると8Kでキャプチャできる

8Kキャプチャした画像のサイズは7,680×4,320ピクセル。画面キャプチャすると、たとえば画面の解像度をFHD+にしていると3,200×1,440ピクセルとなり、解像度は大きく落ちます。ファイルサイズの差は前者が5MB、後者が2MB程度とこれくらいの差ならSNSでアップするときに気になることはありません。

実際に8Kキャプチャ、画面キャプチャを比べてみると、思ったほどの差は見られないものの8Kキャプチャのほうが細かい部分がしっかり写っているように思えます。このあたりは被写体によって差が気になるもの、ならないものがあるでしょう。

  • 8Kキャプチャ(左)と画面キャプチャ(右)。合成後解像度を下げて比較

8KはPCでの動画再生もマシンパワーを食います。4Kですらようやくメジャーな存在になってきた昨今の状況を考えると、8Kを自由に使うようになるのはまだ数年先のことになるでしょう。しかし冒頭で書いたように、過去の動画を将来振り返ってみるときに、「8Kで撮っておけばよかった」なんて思うことが必ずあるはずです。

実は筆者は最近家の片づけをしていたところ、古いメモリカードが出てきてその中から10年以上前の古い写真や動画を発見しました。動画の中にはQVGAなど解像度が低いものが多く、当時のスマートフォンで撮影する時「メモリがもったいないから最低の画質にしておこう」と考えていたのです。しかし今見返すと貴重な映像なだけに、もっと綺麗に撮っておけばよかったなと後悔しています。

  • 家の掃除で出てきた大昔のメモリ。動画も多数保存されていた

自宅にいる時間が長くなっている昨今、動画を見る時間も増えていると思います。5G時代が来ればスマートフォンでストレスなく動画視聴できるようになります。スマートフォンを選ぶ際にカメラ機能を気にする人が増えていますが、これからは動画撮影機能にも注目するのもいいかもしれません。またスマートフォンメーカー側もカメラ機能の差別化のため、これからは動画機能にも注力していくかもしれませんね。

  • 動画機能が次のスマホの差別化になる