自宅などオフィス以外で仕事をするテレワークが一般的となり、会議や打ち合わせもビデオチャットで行われることも増えています。しかし周りに家族がいるときや、会話可能なコワーキングスペースで自分の声を聞かれてはいいものの相手の声は聞かれたくない、ということもあるでしょう。そのためにはPCやスマートフォンにヘッドセットを接続すればいいが、いざ使いたいときに見つからない、なんて経験をしたことのある人も多いはずです。

ならば普段からヘッドセットを持ち運ぶことを忘れないようにすればいいのですが、急いで外出してしまい自宅に置き忘れることもありますし、家の中ならどこへ置いたか忘れてしまって見当たらない、なんてこともあるでしょう。そんなことにならないようなアイディア商品とも言えるヘッドセットが海外では売られています。

  • ウェアラブルなヘッドセットというアイディア製品が増えている

それはスマートウォッチやリストバンド型デバイス(スマートバンド)にワイヤレスのヘッドセットを内蔵した製品です。つまり普段は腕時計として腕にはめておき、通話やテレカン・ビデオ会議が始まるときは本体から小型のヘッドセットを取り外して耳に装着し、そのまま会話ができるというもの。中国の怪しいメーカーあたりが思いつきそうな製品ですが、クラウドファンディングで資金調達に成功したデザインのいい製品も出ています。

VOIXATCHはそのスマートな腕時計収納型ヘッドセットの代表例です。円形画面の時計部分はLTEを内蔵し単体でも通話できるスマートウォッチで、心拍数や歩数記録、消費カロリー計算もできる活動量計として使用できます。

  • 見た目は普通のスマートウォッチに見えるVOIXATCH

スマートフォンや時計部分に電話がかかってきたら、円形のベゼル部分を取り外して耳にかけて使えるワイヤレスヘッドセットに早変わり。耳に装着した姿もちょっとした近未来的気分が味わえるので、ついつい通話ばかりしたくなってしまうかもしれません。テレカンの時も「それは何?」と質問攻めにあいそうです。

  • 円形ベゼルを耳に装着して通話できる

なおこのヘッドセット部分は複数のカラバリがあるので、複数の色を揃えておき、服装やその日の気分に合わせて違う色のものをはめておく、なんてこともできます。実用性とファッション性を兼ね揃えているのです。出荷開始は2020年7月、価格は249ドルになる予定です。

  • その日の気分で着せ替えも可能

一方、スマートバンド型の製品は最近流行りの充電ケース付属ヘッドセットをそのまま腕に装着できるような形状のものがいくつか出ています。これらの製品も活動量計として日々の運動量を記録可能、スマートフォンからの簡単な通知にも対応します。

Lemfoの「LT04」はディスプレイの両端部分にヘッドセットが収納できる製品です。通話したいときにはそれぞれを取り外して耳に入れて使用します。急ぎの電話の時もこれならばすぐに対応できるでしょう。やや強引な設計にも思えますが、通話の頻度の多い人に最も適した製品と言えるかもしれません。価格は1万円台です。

  • 左右分離型のヘッドセットをスマートバンドに収納

同じくLemfoの「M1」は見た目はスマートバンドですが、表示部分のディスプレイを開くと中にヘッドセットが内蔵されているというデザイン。こちらのほうが汚れなどに強く、また誤ってヘッドセットを落としてしまう心配も無さそうです。こちらは実売価格1万円以下とより安価です。

  • ディスプレイを開いてヘッドセットを取り出す

このM1、実は市販のヘッドセットケースにバンドを付けた構造になっています。ケース部分は内側に心拍測定センサー、外側にディスプレイ、内部に活動量計機能も内蔵されているわけです。このアイディアは汎用性が高く、今後他のメーカーからも類似の製品が出てくるかもしれません。ただヘッドセットを収納する分ケースの厚みがあるため、日々腕にはめておくにはやや厚さが気になりそうです。

  • 実は簡単な構造、アイディアが素晴らしい

左右分離式ヘッドセットをより薄く収納できないだろうかと考えられた製品がAirpowerの「Wearbuds」です。これもスマートバンドですが、ディスプレイ部分からベルトにかけてサイズが大きいため、時計にも見えるデザインです。ヘッドセットは本体の左右から差し込むようにして収納。これなら上下方向の厚みをやや抑えることができます。

  • ヘッドセットを本体左右から収納

価格は約2万円、日本でもクラウドファンディングを通して販売されているようです。この手の製品はほとんどが中国製で、Aliexpressなどを見ると様々な製品が販売されています。もはや普通のワイヤレスヘッドセットですら百種類以上が販売されている激戦区ですから、今後は腕に装着できる製品を出すメーカーも増えるかもしれません。いずれにせよリモートワーク用途に1つあると何かと便利なのではないでしょうか?

  • 中国メーカーが様々な製品を揃えてきている