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新たに加わった「OneDriveConsumer」と「OneDriveCommercial」

2016年の本連載で、PCによってパスが異なるOneDriveフォルダに、意図する動作を適用させるための対処法を紹介したが、一部のショートカットファイルに対しては不用になった。

というのも、リリースノートに記述がなくどのバージョンから加わったのか確認できないが、ユーザー環境変数が新たに加わっている。

OneDriveは「OneDriveConsumer」、OneDrive for Businessは「OneDriveCommercial」という値が自動で作られ、データには絶対パスが格納される仕組みになった。

  • 自動生成されるユーザー環境変数「OneDriveConsumer」「OneDriveCommercial」

これらユーザー環境変数は、OneDriveフォルダの場所が、PCごとに異なる場合に役立つ。たとえばデスクトップPCでは、Cドライブ以外にOneDriveフォルダを設定しているが、2in1 PCではCドライブ下の既定フォルダにある、というケースでは、同じバッチファイル(もしくはショートカットファイル)を作成しても、同じ動作を期待できない。

だが、前述のユーザー環境変数を使えば、場所の違いは環境変数で吸収できるため同じ結果になる。筆者は仕事で使うバッチファイルで任意のユーザー環境変数を作成し、条件分岐で動作を切り分けていた。だが、今回の環境変数を使えば、条件分岐ルーチンは不用になり、よりシンプルなバッチファイルとなる。

  • こちらは筆者が仕事で使っているバッチファイル

OneDrive愛用者はこれらのユーザー環境変数を活用し、ショートカットファイルやバッチファイルを書き換えれば、より快適にOneDriveを活用できるだろう。

  • ショートカットファイルは「リンク先」でOneDriveを示すパスを「%OneDriveConsumer%」に置き換えれば、異なる環境で同一の動作を実現できる

阿久津良和(Cactus)