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Windows 10 Pro以上で使用できる仮想環境のHyper-Vは、仮想マシンを手軽に作成するクイック作成機能を備えている。そこから構築できるWindows 10開発環境とは、どのようなものだろうか。

割り当てメモリーは4GB以上を

Hyper-Vはクイック作成を使うことで、仮想マシンを数ステップで作成できる機能を備えているが、いくつか不思議な点が見られる。例えば、割り当てられるCPUこそ4コアだが、メモリーが2GBなのは少ない。必要に応じて動的にメモリー容量を割り当てる機能が有効だからだと思うが、詳しくは後述する。

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    Hyper-Vのクイック作成機能

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    既定のメモリーは2GBとなる

クイック作成はOSのダウンロード機能を備えており、現在はWindows 10開発環境とUbuntsu 18.04 LTSを対象に、仮想マシン環境を構築できる。それぞれOSイメージをダウンロードしてくるため、安定的なネットワーク環境を用意している場合、待てば済むのは大きい。

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    Windows 10開発環境は約13GB

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    仮想マシンの作成を終えると、設定変更や起動が可能になる

インストールできるのはWindows 10 Enterprise評価版。UWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)開発環境として提供されるため、Visual Studio 2017などの開発環境があらかじめインストール済みだ。また、評価期間は90日に限定されるが、「slmgr -dlv」コマンドで期間は延長できるため、実質的に困ることはない。

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    Windows 10開発環境=Windows 10 Enterprise評価版である。言語は英語だが、ランゲージパックで日本語化可能だ

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    イメージファイルであるvhdxのファイル名には、以前噂(うわさ)に上った「Lean」が付与する

上図の通り、フットプリントの小さいWindows 10 Leanと思われるが、当初は削られるとされていたレジストリエディターなどは備えているため、真偽は不明だ。

さて、冒頭で述べたメモリー容量だが、2GBでも充分とはいえない。Microsoft Edgeで軽くWebブラウジングする分には足りているが、Visual Studioを起動すると2GB超えが始まり、起動自体も若干緩慢に感じる。やはり最初から4GBを割り当てたほうが快適だろう。

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    複数のアプリケーションを起動すると、割り当てメモリーは2GBを超える

仮想環境のリソースは、ホスト側となるPCのスペックに左右されるため、環境に応じて最適な設定は変わってくる。もし、Windows 10上でHyper-Vを使用し、GUIをメインとするOSを頻繁に使うのであれば、ホストPCのパワーアップを含めて、仮想マシン環境の再調整を試してほしい。

阿久津良和(Cactus)