インターステラテクノロジズ(IST)は5月4日の5時45分(日本時間)、観測ロケット「MOMO」3号機の打ち上げを実施した。エンジンは離昇後、正常に燃焼。1号機が通信を絶った「Max Q」(動圧最大点)を越えても飛行を続け、同社は3度目の挑戦でついに目標の高度100kmを突破した。宇宙空間への到達は、日本の民間開発のロケットでは初めてとなる。
現地の天候は晴れ。前日は強風により延期されていたが、この日の朝はほぼ無風で、絶好の打ち上げ日和となった。当初は5時0分の打ち上げ予定で、カウントダウンが順調に進んでいたものの、10秒前に緊急停止。しかしすぐに対策が完了し、打ち上げ時刻を5時45分に再設定、今度は無事に打ち上げられた。
ロケットは離昇後、非常にゆっくり上昇。筆者は残念ながらすぐに見失ってしまったものの、轟音を残し、機体は青空の中に消えていった。打ち上げ成功が伝わると、見守っていた関係者からは大きな歓声が上がった。
到達高度は113.4km、エンジン燃焼時間は118秒(ともに速報値)。詳細については、同日10時より開催予定の記者会見で明らかになるだろうが、5時50分頃に最高高度に到達し、5時54分頃に着水が確認できたという。2回の失敗を乗り越えての成功に、IST広報担当の笹本祐一氏は「やっと宇宙に届いた」と笑顔を見せた。
宇宙空間への到達は、日本の民間開発のロケットではこれが初めて。今回の成功により、大樹町にあるISTの射点は日本初の民間宇宙基地、そして日本の宇宙への玄関口として新たに北海道が加わったことになる。日本の民間宇宙開発において、新たな時代が幕を開けたと言えるだろう。