今回から数回にわたって、新生活に必要な家電製品について取り上げていきたい。ワンルーム、または1K程度の部屋に初めて一人暮らしをする人を対象としており、最低限必要な機器のみを対象としていく予定だ。第1回は、冷蔵庫についての話だ。

最近では、入居時点で家電製品が備え付けられている賃貸物件も少なくないが、そのような部屋では、キッチンの下に容量が40~50Lクラスの1ドア冷蔵庫が置かれている場合が多い。下の写真の製品はハイアールのプライベート向け冷蔵庫「JR-N40E」。容量は名前の通り40Lだ。このくらいの容量だと、飲み物や買ってきた惣菜を冷やしておく程度のことしかできないのだが、外食中心の生活なら何とかなる。

「JR-N40E」

自分で料理を行うことがあるという場合には、もう少しサイズの大きい冷蔵庫が必要だ。パーソナル向け冷蔵庫の主流となっているのは庫内容量が140L~170Lの製品。国内メーカーの製品では、パナソニックの「NR-B176W」「NR-B146W」、シャープの「SJ-17Y」「SJ-14Y」、三菱電機の「MR-P17X」「MR-P15X」といったところがこのクラスになる。

「NR-B146W」

「SJ-14Y」

140Lクラスのモデルは、100L弱の冷蔵室と40L強の冷凍室の組み合わせで、170Lクラスの場合は、130L前後の冷蔵室と40L強の冷凍室の組み合わせというパターンが多い。価格帯は2万円弱~4万円台で、3万円台が中心となっている。

さて、このクラスの冷蔵庫でポイントになるのは、静音性能と消費電力だ。静音性能に関しては、少し前まではかなりうるさい製品もあったのだが、現行モデルではパナソニックのNR-B176WとNR-B146Wが約23dB、シャープのSJ-17YとSJ-14Yが約23dB、三菱電機のMR-P17XとMR-P15Xが約22dBとかなり静かになってきている。まったく無音というわけではないが、ワンルームに設置しても我慢できる範囲だろう。

消費電力について年間消費電力量で比べてみると、パナソニックのNR-B176Wは300kWh/年、NR-B146Wは290kWh/年、シャープのSJ-17Yは310kWh/年、SJ-14Yは290kWh/年、三菱電機のMR-P17Xは310kWh/年、MR-P15Xは280kWh/年となっている。

高級機に比べると断熱材の量も少なく、また、センサーによる制御もそれほど高度ではないこのクラスは、消費電力に関しては不利だ。この点については割り切って使っていくしかない。

冷蔵庫に関してはもうひとつ、気にとめておいてほしいことがある。それが耐久性だ。家電製品、中でも耐久消費財とされている生活家電製品は、あまり壊れないという印象を持っている人が多いと思う。しかし、冷蔵庫は常時稼動している機器だ。しかも、中には稼動部も存在している。これは筆者の個人的な経験に基づいた意見だが、冷蔵庫、中でもパーソナル向けの冷蔵庫は一般的な耐久消費財のイメージより壊れる製品だ。筆者の場合、短いものでは購入してから1年以内、長いものでも5年以内には、何らかのトラブルが発生して修理を呼んでいる。

このクラスの冷蔵庫の場合、保障が切れた状態で修理を受けると、冷蔵庫本体の価格よりも修理代のほうが高いというケースすらある。量販店では、購入時に数百円程度あるいは購入代金の数パーセントの負担をすることで、5年間程度の延長保障を受けられる場合がある。製品寿命や壊れにくさなどによって、延長保証を付けたほうがよい機器、付ける必要がない機器というのは確かに存在するが、冷蔵庫に関しては可能な限り延長保証を付けるべきというのが筆者の意見だ。