Analog Devices(ADI)の日本法人であるアナログ・デバイセズは、2018年5月9日から11日にかけて、東京ビッグサイトにて開催されている「Japan IT Week 春 2018」内の「第7回 IoT/M2M展」において、自社のセンサなどのデバイスのほか、低コストでIoT開発を開始できる「IoTスタータープログラム」の紹介などを行っている。

同プログラムは、IoTを開発しなくてはならないが、どうしたらよいか分からない、という人に向けてエコシステムの構築を目指して生み出されたもの。同社のパートナーであるCANDY LINEのブラウザのGUIだけで開発を可能とする「IoTゲートウェイ」と「クラウド開発環境」、ならびにノンプログラミングでIoTスマートフォンアプリの開発を可能とするSBイノベンチャーの「conect+」をベースとしたもので、プログラム言語を使わずにSmartMeshのネットワークがどのようなものであるかを試すことができるようになっている。同社の担当者によると、Web開発はできるがハードを良く知らない人や、ハード開発はできるが、Webを良く知らない人でも、いま自分が有しているスキルでできるIoT開発を目指した結果、いまの形ができあがったという。そのため、予算感としても、20万円以内程度でできるものに仕上がっており、部署内などで導入して、すぐに活用といったことができるようになっているとのことであった。

実際に同プログラムが始動したのが2017年9月から、ということなので、約半年ほどで、形になるものができたわけだが、これで完成形ではなく、「我が社も参加したいという企業が増えることで、結果としてIoT業界の発展につなげていきたい」とのことで、まだまだ多く存在するIoTで何かをしなければいけないが、何をしたら良いかわからない人や、どうやったらよいか分からない人のような、切羽詰った人たちの救いになれれば、としていた。

  • アナログ・デバイセズブースのIoTスタータープログラムを紹介するコーナーの様子
  • アナログ・デバイセズブースのIoTスタータープログラムを紹介するコーナーの様子
  • アナログ・デバイセズブースのIoTスタータープログラムを紹介するコーナーの様子

このほか、同社ブースでは、多くのパートナーと生み出したさまざまな分野に向けたIoTソリューションの展示が行われている。主だったものとしては、スマートインフラ分野でのmtes Neural Networksとの「構造物モニタリングソリューション」や、エネルギー分野のフジクラとの「エナジーハーベスト無線センサソリューション」、オーナンバとの「無線監視ソリューション」などが紹介されている。

  • 構造物モニタリングソリューションの紹介コーナーの様子

    構造物モニタリングソリューションの紹介コーナーの様子

  • エナジーハーベスト無線センサソリューションの紹介コーナーの様子

    エナジーハーベスト無線センサソリューションの紹介コーナーの様子

このほか、小型化した慣性計測ユニット(IMU)を活用した千葉工業大学が「つくばチャレンジ」にて用いた自律走行ロボットなども展示されており、半導体デバイスベンダながら、単に自社のデバイスを紹介するというよりも、それを活用した結果、何ができるのか、といったことが押し出された内容となっていた。

  • ADIのMINI IMU

    右の白い四角い箱状のものが同社のMINI IMU。従来のものよりもだいぶ小型化が進んでおり、その結果、さまざまな分野に搭載されるようになってきた