今年も9月のスペシャルイベントにて新型iPhoneが発表されました。ラインアップに「Air」が加わり、どれを選べばいいのか迷っている方も多いのではないでしょうか。今回は新型iPhone選択のポイントをざっくりまとめてご紹介します。

あなたが重視するポイントは? 新型iPhone選択の基準はココ!

まず結論からいきましょう。現在Apple Storeで購入できる6モデルについて、選択のポイントを手短にまとめると以下のようになります。

  • ほとんどの場合は「iPhone 17」で間違いなし
  • プロ向け撮影機能と編集ワークフローが必要なら「iPhone 17 Pro」「iPhone 17 Pro Max」
  • 薄型軽量、最も挑戦的なiPhoneを試すなら「iPhone Air」
  • コスパ重視、または物理SIMを使うなら「iPhone 16」「iPhone 16e」
  • Apple Storeで購入できる6モデルのiPhone、選択のポイントを一言で言うと

    Apple Storeで購入できる6モデルのiPhone、選択のポイントを一言で言うと

では詳しく見ていきましょう。

ほとんどの場合は「iPhone 17」で間違いなし。ただしeSIMに注意

この数年、じわじわと「Pro」モデルとの差を縮めつつあったスタンダードモデル(無印iPhone)。iPhone 17ではさらにその差が少なくなり、チップとカメラ以外はほぼ同じと言っていいところまで迫っています。

特に今回は、本体サイズをほぼ変えないまま画面サイズを6.1→6.3インチに拡大。画面のピーク輝度3,000ニト、ProMotionテクノロジー対応、常時表示対応など、ディスプレイの性能が大幅に充実しました。ゲームなどを目的にリフレッシュレートの高いProシリーズを選択していた人も、これなら十分に選択肢に入るでしょう。

  • ディスプレイの表示性能が大幅に充実。さらに耐久性アップで傷に強く、反射軽減の加工もプラス

    ディスプレイの表示性能が大幅に充実。さらに耐久性アップで傷に強く、反射軽減の加工もプラス

注目はフロントカメラの新機能です。センサーの形状変更によって縦持ちのまま画質を落とさず横位置で撮影可能に。また、iPadでお馴染みの「センターフレーム」機能にも対応し、Web会議や自撮り配信にも最適です。画素数も12MPから18MPへ強化されました。

  • 人が移動しても常に顔が中央に入るよう、自動的に画角を調整する「センターフレーム」機能に対応。複数人が入ってもうまく収めてくれます

    人が移動しても常に顔が中央に入るよう、自動的に画角を調整する「センターフレーム」機能に対応。複数人が入ってもうまく収めてくれます

この他、背面カメラはメイン・超広角ともに48MPにアップデート。バッテリー性能も、チップの効率化などによりiPhone 16 Proを越える駆動時間を実現しています。誰にとっても十分なスペックを備えたモデルといえるでしょう。

一方で、気になるのはストレージ128GBモデルがなくなり、256GB・512GBのみになったこと。また、物理SIM(SIMカードを挿すタイプ)非対応になり、eSIMしか使えないということです。この点を重視するならiPhone 16または16eがおすすめです。

プロ向け撮影機能を持つ「iPhone 17 Pro」「iPhone 17 Pro Max」

iPhone 17 Pro/Pro Maxは、iPhone 17のスペックに加えて背面に48MP望遠カメラを搭載。最大8倍の光学ズームに対応しました。また、動画撮影では最大4K/120fpsのProResビデオ撮影、さらにProRes RAW、Genlockに対応*など、プロの現場で求められる撮影機能が充実しています。

*ProRes RAWは、センサーが受信した光の情報をそのまま記録することで編集作業の自由度を大幅に高めるフォーマットのこと。Genlockは、複数カメラを使用した撮影で映像・音声を同期させる信号のこと。

  • 画質だけでなく、映像制作現場の撮影・編集ワークフローに対応したプロ向け機能がさらに充実

    画質だけでなく、映像制作現場の撮影・編集ワークフローに対応したプロ向け機能がさらに充実

マニアックなポイントとしては、MacBookで用いられてきたアルミニウムの「ユニボディ」構造をiPhoneで初めて採用した点が挙げられます。合理的な一体構造により、バッテリーのスペースを確保すると同時に、放熱用のベイパーチャンバーをボディに溶接することで、ボディ全体で効率的に放熱が可能になっています。

  • ベイパーチャンバーは、内部の空間に液体を閉じ込めた薄い板状の放熱用部品。チップが発する熱を効率よく拡散させる役割を持ちます

    ベイパーチャンバーは、内部の空間に液体を閉じ込めた薄い板状の放熱用部品。チップが発する熱を効率よく拡散させる役割を持ちます

全体的に、プロの映像制作現場を想定し、長時間かつワークフローにフィットした機能が拡充されたモデルになっています。プロ並の撮影機能を求めるならiPhone 17 Pro/Pro Maxがお勧めです。

  • このスペシャルイベントの映像はiPhone 17 Proで撮影されました。夜景や暗い場所にいる人物も鮮やかに映し出されています

    このスペシャルイベントの映像はiPhone 17 Proで撮影されました。夜景や暗い場所にいる人物も鮮やかに映し出されています

薄型軽量、最も挑戦的なiPhoneを試すなら「iPhone Air」

今回、一番注目されていたのはやはりiPhone Airでしょう。薄さ、軽さを追求した挑戦的なモデルは、これまでのiPhoneになかったものです。

  • 画面サイズはiPhone 17 ProとPro Maxの中間に当たる6.5インチ。重さはiPhone 17より軽く、薄さは歴代トップ

    画面サイズはiPhone 17 ProとPro Maxの中間に当たる6.5インチ。重さはiPhone 17より軽く、薄さは歴代トップ

薄型化によりバッテリー性能が懸念されていましたが、公式のバッテリー持続時間はiPhone 16 Proと同等で、従来のモデルと遜色ないと言えるでしょう。独自の電力消費管理機能や省電力性能に優れる通信チップなどの総合力で、効率的なバッテリー管理を実現しています。

性能面ではProと同じ「A19 Pro」チップを搭載し、トップクラスのモデルであることを示しています。一方で背面カメラのスペックは控えめになっており、48MPのメインカメラが1つだけです。また、軽量化を重視したチタニウムボディのため、アルミ製のiPhone 17 Pro/Pro Maxより放熱性に劣るのも気になるポイントです。

薄型軽量は魅力ですが、カメラ性能や放熱性に懸念があり、価格もややお高めである点から、万人向けとは言い難いのが正直なところ。あえてお勧めするなら、Appleの挑戦の成果を試してみたいガジェットラバー向きといえるでしょう。

  • 純正のアクセサリとして、薄さを損なわない「バンパー」も提供

    純正のアクセサリとして、薄さを損なわない「バンパー」も提供

ニーズにハマるのはコスパ&物理SIM対応の「iPhone 16」「iPhone 16e」かも

今回発表された新型iPhoneは、いずれもストレージ128GBモデルがなく、物理SIMに非対応のため、ライトユーザーにはやや重い選択となります。そこでお勧めなのが、ラインアップに残ったiPhone 16と16eです。

両者のスペックはほぼ同等で、主な違いは以下の点です。

  • iPhone 16と16eの違い。機能面で選択するならこれらの点に注目です

    iPhone 16と16eの違い。機能面で選択するならこれらの点に注目です

両モデルともApple Intelligence対応で、当面はOSのアップデートにも対応できると考えられます。カメラ機能を重視するならiPhone 16、なるべく長期間使い続けるつもりならバッテリー性能に分があるiPhone 16eがお勧めです。