6月3日から7日(現地時間)の5日間に渡って米カリフォルニア州サンノゼで開催される「WWDC 2019」。これは、Appleがエンジニア向けに技術情報を提供するカンファレンスで、ここで情報を得たエンジニアたちがそれをアプリや周辺機器の開発に活かすというわけです。一般ユーザーにはあまり関係のない話と思われるかもしれませんが、このイベント冒頭に行われる基調講演は、次期iPhoneなどAppleの次の一手を予想するためのヒントとして、多くの人に注目されています。基調講演は日本時間6月4日午前2時より開始されます。

現在のAppleは、「Apple Arcade」「Apple TV+」など新しいコンテンツ事業の本格スタートを前に、価格を抑えた端末で客層の拡充に余念のない様子。今後、コンテンツ事業による収益の基盤となる各OSは、今年どのような方向に進化するのでしょうか。WWDCを前に出回っているウワサをまとめてみました。なお、すべてウワサ段階の情報ですのでご承知置きください。

  • Appleの公式「WWDC」アプリ。各セッションのライブ配信のほか、過去の映像も見ることができます

何が発表される?

Appleのイベントではハードが注目されがちですが、最近はあえてイベント以外のタイミングで新製品が発表されています。今回も事前にMacBook ProとiPodが出ていますから、基調講演の中で新ハードが発表される可能性は低いと考えられます。あるとしたら、以前からウワサのあるMac Pro、純正の5Kディスプレイあたりでしょうか。

逆に毎回必ず出るのは、毎年秋にリリースされる各OS最新版(iOS、macOS、watchOS、tvOS)の機能先行紹介です。サービスについては、Apple ArcadeとApple TV+の月額料金など、詳細情報がどこまで出るのかに注目です。

iOS 13でiPadはますますパソコンに近づく?

以前から来る来ると言われながらなかなか来なかった「ダークモード」が、ついにiOS 13で搭載されるかもしれません。現在の白/明るいグレーをベースとした配色とは異なる、黒/暗いグレーをベースとした配色が使えるようになるというものです。見た目の問題の割に不思議と注目度が高いのですが、先に実装されているmacOS Mojaveのダークモードはなかなか好評のようです。

  • こちらはMojaveのダークモード。Finderや各アプリの画面も黒基調になります

ちょっと面白いのが、「iPhoneを探す」と「友達を探す」が1つのアプリになり、さらにApple製品以外のモノ(カバンなど)もビーコンを取り付けることで位置を探すことができるようになる、という情報。コストにもよりますが、実現したら使い道はいろいろありそうです。

またiPadユーザーなら、iPad専用に追加される機能に要注目です。ひとつはiPadがMacのサブディスプレイとして使えるようになるというもの。MacのグラフィックソフトでもApple Pencilを使った描画が簡単にできるようになるかもしれません。また、マルチタスキングのインタフェースを改良。さらにマウスにも対応するかも、とのこと。そこまで行けばかなりパソコン的に使えそうですね。

  • ほとんどの仕事はiPadで済むようになるかもしれません

iOSではこの他、新たにリマインダーやマップ、ヘルスケアなどの改良、詳細な睡眠分析、Safariのダウンロード機能など、細かなアップデートがウワサされています。また、コンテンツ事業の利用可能端末を確保するため、古いモデルもアップデート対象とするのではないかと見られています。

macOS 10.15、この先はiOSの境目が消えていく?

昨年のWWDCで、iOSアプリがMacでも使えるようにする計画「Marzipan(マジパン)」が発表されました。2021年までに、ひとつのアプリを開発すればiPhoneでもiPadでもマックでも使えるようになる、というものです。それが少しずつ進行しており、次のmacOSではiPad向けのアプリが使えるようになるとウワサされています。

また、現在のiTunesが「Music」「Books」「TV」「Podcast」に分割されるかもしれません。さらにiMessageのステッカー機能や、Siriショートカットも搭載されるなど、ますますiOSと構成がそっくりになりそうです。

  • 手始めにMojaveではニュース、株価、ボイスメモ、iBooksがiOSから移植されました

  • ただし、iOSとmacOSの統合はしないと昨年のWWDCで断言

watchOSは独自のApp Storeがスタート?

Apple Watchは現在、iPhoneに入っている「Watch」アプリを経由してアプリをダウンロードしていますが、次のwatchOS 6ではApple Watch専用のApp Storeが用意され、直接ダウンロードすることが可能になるようです。

その他、大きな機能やアプリのウワサは届いていませんが、コンプリケーションや文字盤デザインはさらに充実が図られる模様。時刻表示に特化したおしゃれなもの、逆にコンプリケーションを可能な限り詰め込んだものなど、より幅広い使い方に対応する姿勢を見せています。

  • しばらくヘルスケア方向に進んでいたApple Watchに、昨年搭載された「トランシーバー」機能。しかしコミュニケーション系の機能はやはり使われにくいようです

未知数のtvOS、Apple TV+で存在感を増すか?

今のところほとんど情報のないtvOSですが、Apple TV+のサービス開始に向けてそれなりにアップデートされるものと思われます。前回のイベントではこのサービスのプレゼンに相当力が入っていましたから、本格始動へ向けた動きに注目したいところです。

  • 北米ではテレビ番組やスポーツ中継なども視聴が可能。日本国内でのサービス内容はどうなるのでしょうか