iOS 11が出てから、じわじわと増えている種類のアプリがあります。それが「AR」。ARとは、カメラで捉えた現実の映像に、モノやキャラクター、文字といったアプリ上の情報を重ねて映し出しす技術のこと。新感覚のゲームや今までになかった利便性を提供してくれる可能性に、注目が高まっています。
ARとは?
ARとは「Augmented(=拡張された) Reality(=現実性)」の略。日本語ではよく「拡張現実」と 訳されます。何を拡張するのかというと、情報です。例えば遠くに山が見えた時、その山の名前を知りたければスマホでマップを開いて調べるでしょう。アプリが情報を持っていても、それを現実と結びつけるのは人間の手だったわけです。しかしARでは、カメラに映し出された現実に対して、アプリが自動的に情報を結びつけてくれるのです。
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カメラを向けるとその方向にある山の名前を表示してくれる「PeakFinder AR」
ARアプリが増えているワケ
Appleは2017年6月に開催した開発者向けイベントWWDCにおいて「ARKit(エーアールキット)」を発表しました。これはアプリ開発者が開発時に使用するものなので、利用者には直接関係はありませんが、開発者はこれを利用することで空間認識やモノの大きさ、光の状態などを測定し、アプリに反映することが可能になります。これによって私たちは、よりリアルに、そこにあるかのように情報を重ね合わせてくれるアプリを使えるようになる、というわけです。
例えば人気のゲーム「Pokemon GO」はリリース当初からポケモンをカメラ画像と合成し、その場にいるように表示する「ARモード」が搭載されていましたが、ポケモンの大きさや距離感はあまりリアルには見えていませんでした。それが、新しいバージョンではポケモンの大きさや距離感がより自然に感じられるようになっています。これもARKitによって空間や位置を認識し、モノの大きさをリアルに重ねることが可能になったことによるものです。
写真にシールを貼り付けたような従来の表示とは異なり、近づいたり回り込んだりすることが可能に |
こちらは動く恐竜をカメラの映像に重ね合わせる「Monster Park」。地面や奥行きがしっかり認識されています |
ARはこうしたゲームやエンターテイメントだけでなく、様々なジャンルのアプリで活用され始めています。次回はARを利用した様々なアプリをご紹介します。