前回、三菱電機 衣類乾燥除湿機「MJ-100EX」の衣類乾燥機能を紹介したが、今回は、本業の部屋の除湿について紹介する。この除湿機、除湿に関する機能は通常の部屋の除湿以外に、浴室のカビガードがついている。

両機能とも、賢いムーブアイのおかげで、通常の除湿よりも便利になっている。それはどんなことかといえば、窓を検知してくれるところだ。窓は冬になると、結露してしまう。この水分がもとで、カビが生えやすくなる。そこで、除湿の前半は浴室全体に送風して乾かし、後半は窓を中心に乾かすという。部屋の除湿の場合も同様、窓を検知したら、窓の部分に多く風をあてるという(もちろん窓がないときは、通常の運転になるのでご心配なく)。

三菱電機 衣類乾燥除湿機「MJ-100EX」

私は家事に関しては、申し訳ないくらいぐうたらである。ぐうたらたついでに言わせてもらうならば、実は「ぐうたら道」にも二つの手法がある。一つは、発生した仕事をいかに効率よく、短時間でさばいて終わらせるかということだ。食器洗い乾燥機がその最たるものである。エアコンの自動でフィルターを掃除する「お掃除ロボット」もそうだ。

そして、もう一方は、面倒臭い仕事をいかに発生させないか。「防止」であり、この防止が意外と重要なんである。除湿機の浴室カビガードは後者である。主婦にとって、浴室のカビはまことにやっかいなものである。カビが生えたら、カビキラーなどの除去薬をまいてきれいにしなければならないのだが、カビ除去の薬は塩素の臭いがキツくて、掃除は心地よいものではない。

薬をまいた後にしばらく時間をおかなければならないこともあり、結構面倒なんである。そこで、この面倒なカビとり作業の負担を軽減させるには、カビとり作業を簡単にできるようにするのが一つだが、実はカビが生えにくくするのが、最も確実な方法なんである。カビ発生を防止する機能があれば、この面倒なカビとり仕事の回数を減らすことができる。ということで、この除湿機は、ぐうたら的な視点でみても、優等生な商品だといえる。

機能満載、充実感が得られる

この除湿機はムーブアイのおかげで、いろんなことが自動で設定されるが、もちろん、手動で上下のスイングを「前吹き」「上吹き」「ワイド」に設定することもできるし、左右のスイングを「ワイド」にすることもできる。それから、風量の強弱も選ぶことだってできてしまう。それだけではない。子どものいたずらを防ぐための「チャイルドロック」や切タイマーなどのきめ細かなうれしい機能も付いているのである。

除湿した水がたまる引き出し

除湿した水は、排水用のタンクにためられるので、こまめに捨てることになる。ただ、捨てるのが面倒だという人は、背面にホースをとりつける穴があるので、そこに入れることで連続排水できる。フィルターのお手入れは2週間に一度。これはエアコンと同じように、掃除機でフィルターについたほこりを吸い取ればいいので、そんなに面倒というほどのことではない。

除水タンクのふたを外したら、再度取り付けるのを忘れずに

もう一つ、ありがたいのは、ハンドルである。下方にキャスターがついているので、転がして移動することも可能だが、ハンドルを起こして、手に持って移動させることもできる。これが意外と、簡単に持ち運べるので便利である。

主婦は家電製品をなぜ買うのか

背面の丸い部分に穴をあけてホースを通せば連続排水ができる

そもそも、主婦が家電製品を買いたいと思う瞬間は、機能そのものよりも、買った後の幸せ感が欲しいのである。もちろん、テレビを見たいからテレビを買うし、冷蔵庫がないと困るから冷蔵庫を買うのである。

だが、除湿機はあった方が便利だが、なくても生活できるものである。それでも買うのは、買ったことによって生活を明るくしたいのである。部屋に干しっぱなしの衣類がどうも気になっていたのが、なくなってすっきりした。すっきりしたところで、誰かが褒めてくれるわけではないけれど、それでも、自分としては気持ちがいい。こんな小さな幸せを求めて、お金を出してもいいという気持ちになるのである。

今まで、部屋干しすると、生乾きによって臭くなっていたものが、カラッと乾く。臭いもない。こんなちょっとしたことがうれしいのである。

湿度表示。こまめに検出しているので、表示は適宜変わる

そんなわけで、おすすめしたい衣類乾燥除湿機・MJ-100EX。価格はマイコミジャーナル価格情報で31,700円から39,800円になっている。ちょっとした贅沢を一回我慢すれば、ねん出できる金額である。これを安いとみるかどうかは、その人の価値観だろう。ただ、主婦の視点からすると、くすぐりのツボを押してくれる商品だと私は思う。家電を買う主婦の多くは、得られる幸せにお金を出しているのである。

イラスト:YO-CO