例年、現地集合、現地解散で催している世代を超えたスキー合宿みたいな集まりに参加している。

楽しみに準備をしていたら、前日から入る予定で現地に向かっている一人から連絡があり、ノートパソコンのACアダプタを持ってくるのを忘れたので、もし合致するものの手持ちがあったら持って来てほしいと頼まれた。

コロナ以降に購入したパソコンで、そんなに古いものじゃないそうだ。製品の型番をきいて検索すると45WのACアダプタがあれば大丈夫のようだ。PCのDC-INは丸型プラグでDCを供給するバレルだという。パソコンにもDC-INポートが装備されている。

  • Ankerの30W充電器(Anker 511 Charger)を使い、USB Type-C経由でノートPCを充電。表示出力は58Wで、すでに(別のPCを動かすのに)28W使っている状態だったので、30Wがほぼフルで出ているようだ

もはや丸形プラグのPC電源ポートはレガシーな存在

とはいえ、手元には、あれだけたくさんあったノートパソコン用のACアダプタがすでにもうない。頼まれたメーカーのパソコン用のものも手持ちがあったはずだが、昨年末の大掃除で倉庫にもっていってしまった。

製品のスペック表を見るとインタフェースとして「SuperSpeed USB Type-C 10Gbps ×1(Power Delivery、DisplayPort 1.4、電源オフUSBチャージ機能対応)」とあるのに気がついた。なんだ、これなら手持ちのものがたくさんある。普通はこんなスペック表を見たりはしないのだろうなとも思う。

念のために、スマホ用の充電器で試してみてほしいと伝えたところ、充電ランプが点灯して充電ができるという。きいてみると、USB Power Deliveryでもなんでもない、板状のUSB-Aポートをもつ低出力の充電器のようだ。それに片側USB-A、もう片側USB-Cのケーブルでパソコンに電力を供給してみたところ、充電ランプが点灯するというのだ。写真も送ってもらったが、確かに点灯している。

写真で見たこのときのケーブルでは、規格上、5V 1.5A、つまり7.5Wを超える電力は得られない。小さな電力なので、場合によってはパソコン側が充電を拒否することもある。拒否はないまでもフル充電までにはならないものもあるはずだ。

実際、現地に到着して確認すると、一晩放置した状態で8割程度までバッテリが回復していたが、フル充電ではなかった。それでも充電できるのはすごい。余分に持参した手持ちのUSB PD対応の60W充電器につなぎかえ、無事にフル充電ができたという経緯だ。

USB Type-Cでできること、メーカー側も「知らせる」努力を

この話には、今後、解決していかなければならないいろんなテーマが埋もれている。

まず、一般的なユーザーは、スマホ用の充電器でノートパソコンが充電できるとは思っていない。そして、スマホ用の充電器は、USB PD対応のものとそうでないものがあること、また、USB PDでの充電には必ず両端Type-Cのケーブルが必要であるということなどを広く知ってもらわなければならない。

100均でも簡単に手に入るようになっているUSB PD対応のケーブルやACアダプタだが、ほとんどの人は、スマホしか充電できないと思いこんでいる。それをデバイドですませるのは、あまりにもかわいそうだ。

そもそも大げさで大きなACアダプタが同梱されていて、丸型プラグでDC-INに装着して充電するノートパソコンが、USB PDもサポートし、装備をととのえれば充電ができるだなんて、想像しない人もいるだろう。

これは、そのことをきちんと伝えようとしていないパソコンのメーカーにも反省してほしいことだし、USBの規格をいろいろと決めている団体USB IFにも、考えてほしいと思う。