ある日、仕事を終えて自宅に帰ると巨大な箱が廊下に鎮座していました。我が家の夫はレーザーカッターやHMD(ヘッドマウントディスプレイ)など気になるものは気軽に買ってしまう性格ですが、今回の買い物はなかなかの大物です!

  • まさかゲームセンターのようなアーケードゲーム筐体が自宅に導入されるとは! わくわくします

夫いわく「あれはアメリカで流行ってるARCADE1UPという組み立て式アーケードゲーム筐体(4分の3サイズ)なんだけど、改造してファミコンミニなどのゲーム機やパソコンを接続できる『ぼくの考えたさいきょうのゲーム機』にしたい」のだそう。なにそれ面白そう!

ということで、我が家のゲーム筐体改造奮闘記を何回かにわたってレポートしてみたいと思います。ちなみに、自宅に低予算でアーケードゲーム筐体を置きたいだけなら、今回の記事で十分な内容。興味があったら、次回からの組み立て後の改造もご期待ください。

  • 廊下に放置されていた箱。箱のサイズは幅603×奥行171×高さ1,213mmとかなり巨大で、6kgサイズの犬が小さく見えるほど。そして箱の写真から妻は中身を察するのでした

ARCADE1UPとは?

ARCADE1UPは、アメリカで発売されたアップライト型のゲーム筐体。日本ではタイトーが販売権を取得し、2018年から家電量販店やネットで購入できるようになりました。筐体サイズは本物のアーケードゲーム機の4分の3サイズ。とはいえ幅483×奥行584×高さ1,163mmと、日本の居住スペースに置くにはかなりの大きさです。我が家は夫婦そろってガジェット好きなので大丈夫でしたが、予告なしでリビングに設置したら家族に怒られる可能性が高いです。

  • タイトーのARCADE1UP公式サイト。本物の筐体よりは小さいものの存在感は抜群。往年のアーケードゲーム機そのままのたたずまいで、レトロポップインテリアとしてもステキ。ゲームセンターみたい

ゲームタイトルは「スペースインベーダー」や「パックマン」「アステロイド」など、40代~50代には懐かしい往年の人気タイトルばかり。しかも、インベーダーならオリジナルのほかにカラーバージョン、アステロイドならアステロイドを含めた全4ゲームをプレイできるなど、1台で複数のゲームが楽しめます。シューティング好きの夫が購入していたのは「ギャラガ」。こちらはギャラクシアンとギャラガが遊べる機体です。

組み立てはドライバー1本、かなり簡単

ARCADE1UPは組み立て式の筐体ですが、組み立ては電子工作ではありません。モニターや主基板、コントローラーといった電子的・機械的な部分は完成済み。最後にコネクタやケーブル類をつなぐ必要はありますが、ユーザーは基本的に説明書に沿って部品をネジ止めして組み上げるだけ。ゲーム機を作るというより、ニトリとかIKEAの組み立て式家具を作るイメージに近い作業です。

注意しておきたいのはパーツの重さ。一部、数キロある重くてかさばる木材を立てたり、回転させたり、支えたりして部材を組み付けていきます。けっこうな力と保持力が必要。大人なら無理をすれば一人でなんとかなるかもしれませんが、二人以上で組み立てることを強くオススメします。子どもと一緒に作る場合は、必ず大人メインで作業してください。

  • 箱の中身を出して並べてみました。板は厚さ1cm以上あり、大きなパーツはけっこうな重さ。パーツを並べる夫と比較するとサイズ感がわかります

  • 各パーツにアルファベットのシールが貼ってあるので、マニュアル通りの順番で組み立ててます。基本は木ネジとダボで固定するだけの簡単な作業です

  • 手順ごとにイラストがあり、親切でわかりやすいマニュアル

組み立てにかかった作業は1時間半くらい。これは途中で撮影をしたり、液晶ディスプレイを上下反対に置いたなど、うっかりミスを重ねてしまった結果です。作業自体は単純なので、もっと短時間で組み上げられるかもしれません。

それにしても、電子パーツの少なさに驚きました。電子的な作業は、液晶ディスプレイ裏のフラットケーブルをコントローラーパーツにつなげるくらい。これなら機械が苦手な人でも大丈夫でしょう。

  • こちらが液晶ディスプレイの裏側。ポコッと出っ張っている小さな箱形パーツが、ゲームの基板部分

  • 本体背面をふさぐ板を装着する前のARCADE1UP内部の中を撮影したところ。中身はけっこうスカスカ……。とはいっても、本体は組み上がった状態で約25kgもあります

完成したら、さっそくゲームをプレイ。ギャラクシアンは1979年、ギャラガは1981年に登場したナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)のシューティングゲーム。約40年も昔のゲームなんですね。私は初めてプレイしましたが、夫は懐かしい懐かしいとはしゃいでいました。ちなみに、筐体の高さは約120cmで、想像していたよりもだいぶ低め。ゲーム画面の位置がちょうど机の上にモニターを乗せた高さになるので、イスに座ってプレイするとぴったりです。

  • できあがったギャラガをさっそプレイ。当たり前ですが、ちゃんと動いている! なぜか感動!

完成して15分後にすぐ分解……ここから戦いが始まる

ちょっとした達成感にひたっていた私ですが、ギャラガとギャラクシアンを数回プレイした夫は、完成から15分もせずドライバーを手にしてコントロールユニットを固定しているネジを外し始めました。

聞くと、ジョイスティックのレバーとボタンの感触がどうもしっくりこない……とのこと。レバーはともかくボタンが重すぎるそうで。私もプレイしてみましたが、夫のように普段からジョイスティックやボタンに親しんでいるわけではないので(Nintendo Switchのプロコンにはほぼ毎日触れていますが……)、良いのか悪いのか判断がつきません。正直、普通に楽しく遊べていると思います。

というかこれ、本当に「ボタンが重すぎる」から改造するんでしょうか? 今回、ギャラガを組み立てる前から、あきらかに改造用のパーツと思われるものが続々と届いているんですけど……。

  • ギャラガを組み立てる前から、我が家に届いた改造用のパーツと思われるもの。あきらかにボタンとジョイスティックの部品ぽいものがありますね……。カスタマイズ用の部品を既に買ってしまったからと、強引に不満を言ってません?

そんなわけで、次回からは「ぼくの考えた最強のゲーム機」への改造を開始! ARCADE1UPに手を入れるとどう変わるのか? 素人がどこまでARCADE1UPを改造できるのか? ぜひ次回もチェックしてみてください。

ARCADE1UPは改造によって保証がなくなります。改造は自己責任において行ってください。

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