Googleの新しいスマートフォン「Pixel 11」シリーズが登場しました。正統進化のマイナーチェンジモデルといえ、派手なハードウエアの改良はなく見た目もほとんど変わらないことから、いささか新鮮味に欠けることは否定できません。
ですが、多くの人が重視するカメラ機能は、AIがシャッターチャンスを判別して自動撮影する新機能の追加や、望遠撮影性能が向上したこと、夜景など暗所での撮影がスピーディーになったことなど、着実な進化が感じられました。特に、夜間や望遠など、撮影が苦手な人が失敗しやすい場面でも、手間なくきれいに撮れるのが好印象でした。
動画で撮るだけでAIが当たりの写真を保存する「マジックキャプチャー」
Pixel 11シリーズは、これまで通りベーシックモデルの「Pixel 11」と、カメラ性能を高めた「Pixel 11 Pro」「Pixel 11 Pro XL」の2シリーズ3モデルで構成します(派生モデルとして、折りたたみタイプの「Pixel 11 Pro Fold」も存在)。無印のPixel 11は、新たに望遠カメラを搭載して3眼になりましたが、大型センサーや明るいレンズなどProシリーズの方がワンランク上の仕上がりになっています。
カメラの新機能として加わったのが、Tensor G6の高いAI性能を活用した「マジックキャプチャー」。動画で被写体を撮影するだけで、撮影後にAIが好ましいシーンを写真として自動保存してくれる機能です。シャッターチャンスを狙うために集中する必要なく、撮りたい被写体をフレームに収めていればOKです。
実際に、マジックキャプチャーで動き回る猫を30秒ほど撮影して試したところ、4枚の写真を切り出してくれました。撮影時に気づかなかったシーンや、仕上がりを見て「かわいい!」と感じるシーンを見事にピックアップしてくれ、実用性はなかなか高いと感じました。切り出した写真のサイズも通常撮影時と変わらず、被写体ブレもそれほど感じられず、写真として文句のない仕上がりでした。動画の撮影時間は最大2分に限られますが、さまざまなシーンで便利に活躍してくれるでしょう。
【動画】マジックキャプチャーで、このような約30秒の動画を撮影した
望遠撮影や暗いシーンの撮影も満足
望遠性能の仕上がりも好ましいと感じました。Pixel 11 Proでは、10倍(240mm相当)までは5倍の望遠カメラのクロップとなるのでAIの処理が加わらず、違和感なく仕上がります。精細感も上々で、積極的に使えます。
画像処理を積極的に利用する超解像ズーム Proは、Pixel 11 Proでは120倍までズームが可能になりました。AI処理が加わるので、倍率が上がるほど絵がおかしくなる傾向が強くなるものの、フレーミング時の手の震えによるブレもうまく抑えられていて、超望遠でも被写体をしっかり狙って撮れます。
Pixel 11 Proシリーズは、夜間など低照度のシーンの実用性が大幅に向上しています。新たに、夜景モードがインスタント夜景モードに改良され、処理が最大4.5倍も高速化。iPhoneのナイトモードのように2~3秒ほど構え続ける必要なく、わずかな保持時間でサッと撮影できるようになりました。画質も精細で、夜景モードとは思えないほどです。
撮影が苦手だけどカメラをガンガン活用したい人に向く
このように、カメラ性能は総じて満足感の高い印象を受けました。特に、新機能のマジックキャプチャーは実用性が高く、撮影が苦手な人や、撮影に気を取られたくない人にとっては強い味方になってくれると思います。撮影後、どんな写真をピックアップしてくれるのかを見るのも、フィルムの現像の仕上がりを見るようで楽しく感じられました。望遠撮影に強い点は、子どもの運動会や旅行などで大いに役立つでしょう。
メモリー価格の高騰でスマホ価格が上昇するなか、Pixel 11シリーズは価格上昇を最小限に抑えたうえ、期間限定ながら古いスマホの下取り金額を最大2万円も増額するなど、比較的求めやすい環境を整えています。日本で根強いPixel人気に応える高コスパの1台として、幅広い層に支持を集めそうだと感じました。











