Xは7月20日(米国時間)、Android版「X」アプリの全面刷新を発表した。既存のアプリを段階的に改修したものではなく、技術基盤から再構築したという。新バージョンはGoogle Playストアを通じて提供され、既存ユーザーはアプリを更新することで利用できる。

Xのエンジニアリングチームによると、新しいAndroid版は外観だけを変更したアップデートではなく、アプリの基盤を刷新することで、全体的な操作性と安定性の向上を図った。従来版より高速かつ滑らかに動作し、安定性も向上した。スクロール、コンテンツの読み込み、通知など、日常的な操作に関わる部分全体で改善を感じられるという。

Android版のXアプリは、iOS版に比べて品質や使用感の面で遅れがあると指摘されてきた。一時は投稿へのリンクをタップしても内容が表示できない不具合が発生するなど、深刻な問題も報告されていた。

Xの製品責任者を務めるニキータ・ビア(Nikita Bier)氏は2025年8月、Android版の利用体験を立て直すため、専門チームを編成すると表明していた。Androidはスマートフォン市場で世界的に高いシェアを持ち、ダウンロード数も多い。同氏は今回の刷新を「最大級のエンジニアリングプロジェクトの一つ」と位置付けている。新たな技術基盤にKotlinとJetpack Composeを採用。動作速度や安定性を高めるとともに、新機能をより迅速に開発できる環境を整えた。

一方、新版への移行ですべての課題が解消されたわけではない。ビア氏は、旧型のAndroid端末における動作の最適化や、ライブ音声配信機能「スペース」への対応などに引き続き取り組んでいることを明らかにした。また、キャッシュタグ、カスタムタイムラインに加えて、動画編集機能や動画付きリアクションの追加を近日中に予定している。

今回の発表では、処理速度の測定結果やクラッシュ率、対応するAndroidのバージョンなど、性能を定量的に比較できる情報は示されていない。改善の程度は端末や利用環境によって異なる可能性があるが、今回の再構築によって、Android版の機能開発を加速させるための基盤が整備されたことになる。ビア氏は今後について、Xへの投稿で「今後は多くの新機能がAndroidに先行投入されるようになるだろう」と、Androidファーストの可能性にも言及している。