• 劇場版「鬼滅の刃」や「国宝」が大ヒットし、現在進行形で記録を更新中。さらに「チェンソーマン レゼ篇」も北米1位スタートのヒット中で、「エンタメのソニー」が止まらない
  • 劇場版「鬼滅の刃」や「国宝」が大ヒットし、現在進行形で記録を更新中。さらに「チェンソーマン レゼ篇」も北米1位スタートのヒット中で、「エンタメのソニー」が止まらない
  • 劇場版「鬼滅の刃」や「国宝」が大ヒットし、現在進行形で記録を更新中。さらに「チェンソーマン レゼ篇」も北米1位スタートのヒット中で、「エンタメのソニー」が止まらない

過去最高の2Q決算、鬼滅と国宝、半導体で押し上げる

ソニーグループは、2025年度上期(2025年4月~9月)連結業績を発表。売上高は前年同期比3.5%増の5兆7295億円、営業利益は同20.4%増の7689億円、税引前利益が同18.9%増の7983億円、当期純利益が同13.7%増の5704億円と、増収増益の結果となった。

また、2025年度第2四半期(2025年7月~9月)の継続事業による連結業績は、売上高が前年同期比5%増の3兆1079億円、営業利益が同10%増の4290億円、税引前利益が同15%増の4418億円、当期純利益は同7%増の3114億円となった。

  • ソニーグループ 2025年度第2四半期(2025年7月~9月)連結業績

    ソニーグループ 2025年度第2四半期(2025年7月~9月)連結業績

  • ソニーグループ 2025年度第2四半期(2025年7月~9月)セグメント別業績

    ソニーグループ 2025年度第2四半期(2025年7月~9月)セグメント別業績

ソニーグループ 執行役 CFOの陶琳(タオ・リン)氏は、「売上高、営業利益は、第2四半期としては過去最高を更新した。一時的要因を除くと、G&NS、音楽、I&SSで過去最高益を更新し、事業のモメンタムは良好であると評価している」と総括した。

  • ソニーグループ 執行役 CFOの陶琳氏

    ソニーグループ 執行役 CFOの陶琳氏

これを受けて、2025年度の通期業績見通しを上方修正し、売上高は3000億円増額の前年比0.3%減の12兆円、営業利益は1000億円増額の同12.0%増の1兆4300億円、税引前利益が1100億円増額の同8.7%増の1兆4600億円、当期純利益が800億円増額の同1.6%減の1兆500億円とした。営業利益、税引前利益、当期純利益は、今年度だけで2回目の上方修正となる。

  • ソニーグループ 2025年度 通期業績見通し

    ソニーグループ 2025年度 通期業績見通し

  • ソニーグループ 2025年度 セグメント別の通期業績見通し

    ソニーグループ 2025年度 セグメント別の通期業績見通し

「国内および米国の市況は、足元は安定しているが、下期に向けて、米国経済がやや減速傾向にある。下期は不確実な事業環境を捉え、慎重な事業運営を進めながら、着実に成果を出したい」と手綱を締めながらも、「営業利益見通しの上方修正により、営業利益の年平均成長率は18%、第5次中期経営計画期間中の累計営業利益率は11.3%になる見込みである。目標達成に向けて順調に進捗している」と述べた。

なお、米国追加関税による営業利益への影響は、継続事業全体で前回予想から200億円減の500億円を見込んでいる。「I&SS部門では、最終商品の市場動向と受注状況を捉えると、関税影響額を織り込み続ける必要はないと判断したことが200億円の引き下げになっている」(ソニーグループ 執行役員の堀井直也氏)と説明した。

  • ソニーグループ 執行役員の堀井直也氏

    ソニーグループ 執行役員の堀井直也氏

  • 金融事業(ソニーFG)はスピンオフにより、今回からソニーグループの連結対象から外れている

    金融事業(ソニーFG)はスピンオフにより、今回からソニーグループの連結対象から外れている

セグメント別の2025年度第2四半期業績と、2025年度の通期見通しは以下の通りだ。

好調続くプレイステーション、PS5の後継機は「いまはコメントできない」

ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野の売上高は前年同期比4%増の1兆1132億円、営業利益は同13%減の1204億円、調整後OIBDAは18%増の1995億円となった。

  • ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野の業績

    ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野の業績

第2四半期は、ネットワークサービスとゲームソフトウェアが販売伸長した一方で、営業利益は、Bungieの無形資産などで、Destiny 2に関連して計上した一部減損として315億円と、過去に資産計上した一部開発費の資産計上額の修正による費用計上として183億円の合計498億円の一時的損失を計上した結果、減益となった。ソニーグループの陶CFOは、「これら要因を除くと前年同期比23%の増益になる」という。

2025年9月におけるプレイステーション全体の月間アクティブユーザー(MAU)数は、前年同月比3%増の1億1900万アカウントとなり、総ゲームプレイ時間は同1%増となった。また、ソフトウェアとネットワークサービスの売上高も着実に成長。「下期にかけて、ネットワークサービスの上位契約へのシフトや、ファーストパーティタイトルの貢献が期待され、このトレンドは継続する」としている。

  • ソフトウェアとネットワークサービスの売上高

    ソフトウェアとネットワークサービスの売上高

PS5の出荷台数は、第1四半期に250万台(前年同期は240万台)、第2四半期は390万台(同380万台)となっており、前年実績を上回る形で推移。「年末商戦に向けて引き続き、収益性とのバランス性を意識しながら、インストールベースの拡大を図る」と述べた。

PS5の年間販売計画は1500万台としており、「この計画は達成できると思っている」とした上で、「PS5のインストールベースは順調に伸びている。また、コンソールのライフサイクルが長期化している傾向がある。PS5は、約8000万台のインストールべースがあるが、これからも拡大することになる。2026年度がスタートする時点ではインストールベースを9000万台以上に引き上げたい」としたほか、昨今のメモリ価格高騰の影響については、「2025年度に関しては、部材を確保済みであるため、影響はない。だが、市況が大きく変動しており、注意深く見ている。ハードウェアによる追加収益よりも、コミュティのなかで、マネタイズすることで事業基盤を作ることが大事だと考えている」と述べた。

なお、PS5の後継機については、「いまは、コメントができるステージではない」とした。

ライブサービスゲームについては、「タイトルごとのパフォーマンスに濃淡はあるものの、ファーストパーティーソフトウェアの売上の40%超を、ライブサービスゲームが占めており、安定した収益基盤となっている」と語った。

  • ライブサービスゲームは「安定した収益基盤となっている」

    ライブサービスゲームは「安定した収益基盤となっている」

「Destiny 2」は、競争環境の変化もあり、売上げやユーザーエンゲージメントが、Bungieを買収した時点の想定には届いていないことを指摘。「改善に向けた努力は続けるが、一度、Bungieの事業計画を下方修正し、関連する一部資産の減損を計上した」という。

また、「Helldivers 2」では、2025年8月に、Xbox版を発売し、好調に推移。PS5およびPCによる既存ユーザーとのエンゲージメントが盛り上がりを見せているという。また、2025年3月に発売した「MLB The Show 25」が第2四半期も好調を維持したという。

シングルプレーヤーAAAタイトルでは、2025年6月に発売した「DEATH STRANDING 2 ON THE BEACH」に続き、2025年10月には「Ghost of Yōtei」を発売。「Ghost of Yōtei は、11月2日時点での全世界の販売本数が330万本となり、大きなヒットになっている」と報告。「学びと改善を加えながら、スタジオビジネスの強化と、IPフランチャイズの拡大に取り組む」と語った。

  • 2025年6月に発売した「DEATH STRANDING 2 ON THE BEACH」に続き、2025年10月には「Ghost of Yōtei」を発売

    2025年6月に発売した「DEATH STRANDING 2 ON THE BEACH」に続き、2025年10月には「Ghost of Yōtei」を発売

なお、新作FPSゲーム「Marathon」については、リリースの延期を発表していたが、10月22日~28日までの期間に、約8万人が参加し、テクニカルテストを実施し、その結果をもとに修正を行っているところだという。「2025年度中の発売に向けて開発を進めている」と述べた。

G&NS分野の2025年度通期見通しは、売上高は1500億円増額の前年比4%減の4兆4700億円、営業利益は据え置き、同21%増の5000億円、調整後OIBDAは450億円増額の同24%増の6650億円とした。売上高の上方修正は主に為替影響によるものだという。

「鬼滅の刃」と「国宝」が大ヒット、「チェンソーマン」は?

音楽分野の売上高は前年同期比21%増の5424億円、営業利益は同28%増の1154億円、調整後OIBDAは25%増の1398億円となった。売上高、営業利益は、第2四半期としては過去最高となった。

  • 音楽分野の業績

    音楽分野の業績

音楽分野の2025年度通期見通しは、売上高は1100億円増額の同8%増の1兆9800億円、営業利益は250億円増額の同8%増の3850億円、調整後OIBDAは300億円増額の同7%増の4800億円とした。

「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」や「国宝」などによる映像メディアプラットフォームの増収のほか、ストリーミングでは、音楽制作で12%増、音楽出版で25%増(いずれもドルベース)と、売上増加が貢献している。

なお、10月13日時点での「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」の全世界の観客動員数は7753万人、総興行収入は948億円に到達。「国宝」は、日本でロングラン上映が行われており、これまでの観客動員数は1179万人、国内興行収入は166億円に達したという。

ソニーグループの陶CFOは、「第2四半期は、SMEJの事業が躍進し、過去最高の四半期売上げ、営業利益を達成した。アニプレックスが手掛ける鬼滅の刃は、国内配給における東宝との連携に加えて、CrunchyrollとSony Picturesによる海外配給の強化および拡大により、世界的な大ヒットとなった。鬼滅の刃と国宝のヒットは、魅力的なIPの発掘と優秀なクリエイターによる制作力を掛け合わせてIP価値を高めた事例であり、素晴らしい原作のアニメ化、映画化を行い、国内外で配信、配給し、大きくすることができた好例である。鬼滅の刃がハリウッドでトップの興行収入を獲得したことは、これまでの日本のコンテンツでは例がなく、文化的にも大きなパワーを生み、日本にとっても大きな自信がついたといえる。今後、多くのクリエイターやタレントを惹きつけることにも期待している」と述べた。

2025年度通期の営業利益の上方修正の250億円のうち、約半分が、「鬼滅の刃」と「国宝」の貢献によるものだという。

また、アニメとの相乗効果による音楽制作でも成果があがっており、米津玄師の「IRIS OUT」と「JANE DOE」は、「アニメ劇場版チェンソーマン レゼ篇」との相乗効果により、国内外の音楽チャートの記録を次々と更新しているという。

  • 米津玄師の「IRIS OUT」と、米津玄師&宇多田ヒカルの「JANE DOE」が、劇場版チェンソーマンとの相乗効果で大ヒット

    米津玄師の「IRIS OUT」と、米津玄師&宇多田ヒカルの「JANE DOE」が、劇場版チェンソーマンとの相乗効果で大ヒット

さらに、海外のSMGも好調であり、Tyler,The CreatorやBad Bunnyなどの世界的な成功により、第2四半期の売上高、営業利益は2桁成長になったという。また、Spotifyとのライセンス契約を締結し、複数の音楽会社と共同で、アーティストなどに利益をもたらす形でのAIサポートを行っていくという。

映画分野の売上高は前年同期比3%減の3460億円、営業利益は同25%減の139億円、調整後OIBDAは同16%減の272億円となった。Crunchyrollの増収影響があったものの、前年同期の「ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US」などのヒット作品の反動があった。

  • 映画分野の業績

    映画分野の業績

映画事業の2025年度通期見通しは期初計画を据え置き、売上高はほぼ前年並みの1兆5000億円、営業利益は同7%増の1250億円、調整後OIBDAはほぼ前年並みの1750億円とした。

成長の軸と位置づけるCrunchyrolは、「鬼滅の刃」の映画配給や、2025年10月に「Crunchyroll Manga」サービスの立ち上げにより、アニメファンに対する360度のIP体験を強化。テレビ番組制作では、「DOC」、「Gen V」、「Twisted Metal」といった既存シリーズの新シーズンをリリースしたほか、映画製作では2026年度に公開予定の「Spider-Man: Brand New Day」、「Jumanji」シリーズ最新作の制作がスタートしたことを報告した。

  • Crunchyrol(クランチロール)買収は大成功だったと言える。成長の大きな柱となっている

    Crunchyrol(クランチロール)買収は大成功だったと言える。成長の大きな柱となっている

  • Crunchyroll Mangaのサービスも立ち上がった

    Crunchyroll Mangaのサービスも立ち上がった

  • 映画では「Spider-Man: Brand New Day」と、「Jumanji」シリーズ最新作も予定

    映画では「Spider-Man: Brand New Day」と、「Jumanji」シリーズ最新作も予定

エンタテインメント・テクノロジー&サービス(ET&S)分野の売上高は前年同期比7%減の5757億円、営業利益は同13%減の610億円、調整後OIBDAは同10%減の859億円となった。テレビの販売台数の減少が影響し、減収減益になった。

  • エンタテインメント・テクノロジー&サービス(ET&S)分野の業績

    エンタテインメント・テクノロジー&サービス(ET&S)分野の業績

ET&Sの2025年度通期見通しは、売上高は200億円増額の前年比4%減の2兆3000億円、営業利益は200億円減額の同11%減の1600億円。調整後OIBDAは200億円減額の同7%減の2650億円とした。年間で200億円の関税影響を見込んでいる。

「中国において、第1四半期まで継続した政府補助金の影響がなくなったほか、米国における追加関税の影響で、需要の減速がみられた。だが、アジアを中心に底堅い需要が続いている。テレビやスマホは厳しい事業環境が続いているが、オペレーション費用の削減が先行しており、損益への影響は最小限に収まっている。費用と在庫コントロールを徹底し、慎重な事業運営を行う」と述べた。

また、スポーツ事業では、2025年10月に、STATSportsの買収を完了。試合中の選手の身体コンディションやパフォーマンスに関するデータをリアルタイムで取得、分析するアクティビティトラッキング技術を持つという。Hawk-EyeやKinaTraxとの組み合わせることで、スポーツデータソリューシュンを提供することができるとしている。

  • 2025年10月にSTATSportsを買収

    2025年10月にSTATSportsを買収

スマホ向け画像センサー半導体が想定上回る、過去最高の業績に

イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)分野の売上高は前年同期比15%増の6146億円、営業利益は50%増の1383億円。調整後OIBDAは26%増の2034億円となった。モバイル機器向けセンサーの大判化による単価上昇や、コンシューマカメラ向けセンサーの販売数量が増加。同分野の四半期実績では過去最高を更新した。

  • イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)分野の業績

    イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)分野の業績

2025年度通期見通しは、売上高は300億円増額の前年比11%増の1兆9900億円、営業利益は300億円増額の同19%増の3100億円、調整後OIBDAは250億円増額の同8%増の5750億円とした。だが、為替影響を除くと据え置いているという。

スマホ市場はグローバルで緩やかな回復基調にあり、大手顧客の新製品向けセンサーの大判化に伴う単価上昇に加えて、想定を上回る出荷数量の増加がみられている。ハンドヘルドなどの新たな動画撮影スタイルによるカメラ市場の拡大も貢献しているという。第3四半期もフル生産でのウェハー投入を予定している。

一方で、低収益事業の見直しの加速や、重点領域へのリソースシフトなども行っていることも示した。「事業オペレーションや開発の効率化に注力し、次期中期経営計画では、事業拡大と設備投資の効率化を両立する施策を検討し、継続した事業の収益性改善に取り組む」とした。