Dock、Lightning、USB-Cと接続ポート規格の変遷はあるものの、iPhoneと外部機器との接続にはUSBを利用します。いずれも扱う信号はUSB規格に準拠しているため、ケーブルの一方の端をパソコンなどのデジタル機器と接続すればデータ転送などの処理を行うことができます。

そのうちDockとLightningはUSB 2.0規格に準拠するため、理論上の最大速度は480Mbps、1秒あたり60メガバイトのデータを扱えることになりますが、USB-Cポートを採用するiPhoneはモデルによって準拠するUSB規格が異なります。同じUSB-Cポート搭載のiPhoneでも、通信速度に差がある場合があるのです。

初めてUSB-Cポートが搭載されたiPhone 15シリーズでは、iPhone 15 Pro/Pro Maxの2モデルがUSB 3(USB 3.2 Gen 2)、Phone 15/15 PlusはUSB 2.0と対応が分かれています。iPhone 16シリーズとiPhone 17シリーズも同様に、USB 3対応はPro/Pro Maxの2モデルに限定されています。

準拠するUSB規格が「2」か「3」かというトピックは、ケーブルを利用したデータ転送のスピードに直結します。理論上の最大速度が480MbpsのUSB 2に対し、USB 3は約21倍高速な最大10Gbpsですから、バックアップの実行やファイルサイズの大きいビデオのコピーといった処理では、USB 3のほうが圧倒的に有利です。大容量データを扱うことが多い場合、USB 3対応のPro/Pro Maxモデルを選ぶほうがいいでしょう。

なお、この「2」か「3」かというトピックはデータ転送に限った話で、USB-Cケーブルで映像伝送を可能にする規格(DisplayPort Alt Mode)は、Pro/Pro Max以外のモデルでも利用できます。ケーブルは充電以外使わないという場合、大きな不便は感じないはずですよ。

  • iPhoneが「USB 3対応」であることのメリットは?

    iPhoneが「USB 3対応」であることのメリットは?