日本HPから、Copilot+ PC準拠で1kgを切る軽さを実現したモバイルPC新モデル「HP OmniBook 7 Aero 13-bg」が登場した。軽快に持ち歩ける軽さはもちろんのこと、キャンペーン適用で13万円台からと安価に購入できる点も大きな特徴となっている。
重量1kg切りで軽快に持ち歩け、デザインもスタイリッシュ
「HP OmniBook 7 Aero 13-bg」は、従来まで「HP Pavillion Aero」シリーズとして展開してきた、スタンダードノートPCシリーズの最新モデル。Aeroの名称を引き継いでいることからもわかるように、軽さにこだわったモバイルPCとして位置付けられている。
近年、13型クラスのノートPCでは軽さを追求したモデルが多く登場しているが、HP OmniBook 7 Aero 13-bgもそれら同様に1kgを切る軽さを実現している点が大きな特徴だ。重量は公称で約970g(最小構成時)、試用機の実測でも968gと、モバイルPCとして納得の軽さとなっている。実際に片手でも軽々持てるほどで、毎日PCを持ち歩くビジネスマンや学生にとってなにより嬉しいポイントになるはずだ。
また、ただ単に軽いだけでなく350kgfの天面耐圧テストをクリアする優れた堅牢性も確保。満員電車で強く押されたとしてもびくともしない堅牢性により、安心して持ち運べるだろう。この軽さと優れた堅牢性は、ボディ素材にマグネシウム合金を採用することで実現。デザインも無駄を省いたシンプルでスタイリッシュな見た目を追求しており、オフィスや教室、カフェなどどこでも気持ちよく利用できる。
また、個人的にはボディ表面がサラッとした手触りの加工が施されている点も気に入った。光沢感の強いボディのような触った部分に指紋の痕がつくことが一切なく、常に美しい外観を維持できる点はかなり嬉しいポイントと感じる。
サイズは297×211×16.5~17.4mmと、13型モバイルPCとして十分にコンパクト。薄さも申し分なく、バックパックやブリーフケースなどに余裕で収納できるはずだ。
- プロセッサ:Ryzen AI 5 340(6コア12スレッド/ブースト時4.8GHz)
- メモリ:LPDDR5x 16GB
- ストレージ:512GB PCIe SSD
- OS:Windows 11 Home 64bit
- ディスプレイ:13.4型IPS液晶、1,920×1,200ドット
- 無線機能:Wi-Fi 6E(IEEE 802.11ax)、Bluetooth 5.3
- 生体認証:顔認証
- インターフェイス:USB 3.2 Gen2 Type-C×2(USB PD/Display Port ALT Mode)、USB 3.2 Gen2 Type-A、USB 3.2 Gen1 Type-A、HDMI 2.1、3.5mmオーディオジャック
- サイズ/重量:297×211×16.5~17.4mm / 約970g
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ボディはマグネシウム合金を採用し、軽さと優れた堅牢性を両立。ボディ表面はなめらかな手触りで、指紋の痕が全く気にならないのも嬉しい
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試用機の実測の重量は実測で968gだった
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片手でも余裕で持てるほどの軽さで、毎日持ち歩くとしても苦にならないだろう
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シンプルでスタイリッシュなデザインのため、気持ちよく持ち歩いて利用できる
快適な作業が可能なWUXGA液晶
ディスプレイは、1,920×1,200ドット(WUXGA)表示対応のIPS液晶を採用。モバイルPCでのWUXGAディスプレイ搭載はもはや標準になりつつあるが、フルHDディスプレイに比べて縦により多くの情報を表示できることで、作業の快適度が大きく上がるのは嬉しい。
液晶パネルにはIPSパネルを採用。広視野角で、視点を大きく移動させても明るさや発色の変化をほとんど感じない。また、表面が非光沢処理となっていることで、外光の映り込みが少ないため、特に文字入力作業を行う場合にとても快適だ。
発色性能はsRGBカバー率100%と、こちらも申し分ない。色鮮やかな写真や動画も本来の色味を損なうことなく表示できるので、写真のレタッチや動画編集はもちろん、コンテンツ視聴にも不安がない。ただ、ディスプレイは全開にしても140度ほどまでしか開かない。この点は少々残念に感じる。
キーボードは扱いやすく、バックライトも標準搭載
キーボードは、キーの間隔が開いたアイソレーションタイプの日本語キーボードを搭載。主要キーは約19mmフルピッチを確保するとともに、ピッチが狭くなっているキーは少なく、配列も標準的で、非常に扱いやすい。実際にタッチタイプも全く違和感なく行えた。
唯一気になるのはカーソルキーの小ささだが、Shiftキーよりも下に配置されているため、そこまで大きな不満は感じなかった。また、標準でキーボードバックライトも搭載。バックライト輝度は2段階で調節でき、暗い場所でも快適にタイピング可能だ。
キーの打鍵感は、クリック感は強めながら標準的な固さという印象。ストロークは1.5mmほどと、薄型のモバイルPC搭載キーボードとして標準的で、しっかりキーを押し込んで安定したタイピングができると感じる。
打鍵音はうるさくはないが、そこまで静音というわけではない。打鍵が強くなければそこまでうるさくはないものの、図書館など静かな場所で利用する場合には少し気を付けたほうが良さそうだ。
ポインティングデバイスは、クリックボタン一体型のタッチパッド「イメージパッド」を搭載。面積は十分な広さがあり、ジェスチャー操作にも対応。個人的には、搭載位置をキーボードのホームポジション中心にしてもらいたいと感じるが、実際の利便性は申し分なく、快適な利用が可能だ。
「リコール」などのCopilot+ PCのAI機能だけでなく、独自AI機能も多数搭載
HP OmniBook 7 Aero 13-bgでは、プロセッサにAMDのRyzen AI 300シリーズを採用。試用機ではRyzen AI 5 340を搭載していた。Ryzen AI 300シリーズには、処理能力が50 TOPSのNPUを内蔵。マイクロソフトが定めるCopilot+ PCの要件を満たしており、HP OmniBook 7 Aero 13-bg自体、Copilot+ PCに準拠している。
実際に試用機でも、Copilot+ PCに提供されている各種AI機能が利用可能だ。中でも目玉となるのが「リコール」だ。こちらは、PCのデスクトップ画面のスクリーンショットを約5秒ごとに保存し、AIによる画像分析によって過去行っていた作業を簡単に呼び出せる機能。例えば、過去に閲覧したWebページやメール、資料などを簡単に検索できる。
ただ、Copilot+ PCに提供されるAI機能の多くは、それほど常用したいと思うものではないのも事実。そこでHPが取り組んでいるのが独自AI機能の用意だ。
そのひとつが「HP AI Companion」。調べたいことや疑問に思ったことなどを、文章で入力するか声で聞くだけでAIが調べて教えてくれる。また、レポートなどのファイルを複数指定して、それらの内容を比較して分析したり、要約するといったことも簡単に行える。この他にも内蔵カメラを利用する場合に顔を検出して自動的にフレーミングしたり、明るさや色合いの調整、背景ぼかしなどもAIとNPUを駆使して行う。
Copilot+ PCは製品数が増えてきているが、Copilot+ PC向けに提供される標準的なAI機能しか使えないものも少なくない。そういった中、日本HPのPCは独自AI機能を積極的に搭載することで、より実践的にAIを活用できる点が大きな魅力であり、競合製品に対する優位点にもなると強く感じた。
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独自AIアプリ「HP AI Companion」を利用すれば、複数のファイルの内容の比較や要約や、調べたいことなどを文章や声で簡単に実行できる。またAIでPCの動作を最適化する機能も搭載している
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カメラの自動フレーミングや背景ぼかし、明るさ調整などもNPUを駆使したAI処理で実現
スペックは必要十分で申し分ない
今回試用したHP OmniBook 7 Aero 13-bgは、上述した通り標準スペックのスタンダードモデルとなっている。搭載プロセッサはRyzen AI 5 330で、メモリは16GB、内蔵ストレージは512GB。上位モデルではより高性能なプロセッサや大容量メモリ、内蔵ストレージを搭載するが、実際には試用したスタンダードモデルでもCopilot+ PCとして必要十分な性能がある。そのあたりはのちほど紹介するベンチマークテストを参照してもらいたい。
無線機能は、Wi-Fi 6E(IEEE 802.11ax)準拠の無線LANとBluetooth 5.3を搭載。最新のWi-Fi 7ではないが、6GHz帯域が利用可能な点と、まだWi-Fi 7が利用できる環境がそこまで普及していないことを考えると、特に不満はない。
生体認証機能は、Windows Hello対応の顔認証カメラを搭載。指紋認証は非搭載だが、顔認証があれば問題なく利便性とセキュリティを両立できる。
拡張ポートは、左側面にUSB 3.2 Gen1 Type-Aと3.5mmオーディオジャック、右側面にUSB 3.2 Gen2 Type-A×2、HDMI 2.1、USB 3.2 Gen2 Type-Aをそれぞれ配置。USB4やThunderbolt 4は非搭載だが、拡張ポートの種類や数は申し分なく、利便性は十分納得だ。
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ディスプレイ上部にWindows Hello対応の顔認証カメラを搭載
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カメラを物理的に覆うプライバシーシャッターも用意
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左側面にUSB 3.2 Gen1 Type-Aと3.5mmオーディオジャックを配置
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右側面にはUSB 3.2 Gen2 Type-A×2、HDMI 2.1、USB 3.2 Gen2 Type-Aを配置
納得のパフォーマンスを発揮
では、ベンチマークテストで性能を見ていこう。今回試用したHP OmniBook 7 Aero 13-bgは標準スペックモデルではあるが、PCMarl 10の結果は十分優れている。Copilot+ PC準拠ということでそもそも要求されるパフォーマンスレベルは高いが、この結果はスタンダードノートPCシリーズの標準スペックモデルとは思えないほど高スコアだ。実際に使ってみても、動作の重さを感じる場面は全くと言っていいほどなく、とても快適に利用できる印象だった。
プロセッサーの純粋な処理能力を計測するCINEBENCH R23の結果からも、それが裏付けられる。スコアはより上位のプロセッサーには届いていないものの、これだけのスコアなら比較的負荷の大きな作業も不満なく行えるだろう。
3DMarkのスコアも、このクラスのモバイルPCとしては全く不満のないレベル。このあたりは、そもそもRyzen AI 300シリーズに搭載される内蔵グラフィックス機能はかなり優れた描画能力を誇ることもあるが、これならカジュアルゲームはもちろん、比較的重いタイトルも描画設定次第で十分問題なくプレイできるはずだ。
最後にバッテリー駆動時間だ。HP OmniBook 7 Aero 13-bgでは、公称でフルHDのビデオを連続再生した場合に約15時間30分の駆動が可能とされている。それに対し、PCMark 10に用意されているバッテリーテスト「PCMark 10 Battery Profile」の「Modern Office」を利用し、ディスプレイ輝度50%、キーボードバックライトオフの状態で検証してみたところ、11時間21分を記録した。
ベンチマークテストでこれだけの駆動時間なら、通常利用でも6時間以上は問題なく利用できるはず。これなら外出して電源を取れない場所で長時間利用する場合でも、必要十分な駆動時間を確保できるはずだ。
コスパに優れるCopilot+ PCとしてお勧め
ここまで見てきたようにHP OmniBook 7 Aero 13-bgは、スタンダードノートPCシリーズながら、Copilot+ PC準拠によって、本格的なモバイルPCに匹敵するパフォーマンスを備えつつ、AIへもしっかり対応できていることがわかってもらえたと思う。しかも重量は970gと1kgを切る軽さで、堅牢性も十分に優れていて、モバイルPCとしての魅力もトップクラスだ。
それでいながら、今回試用したモデルはキャンペーン価格で134,800円からと、13万円台で購入できる。本格的なモバイルPCはもちろん、Copilot+ PCに準拠するPCは比較的高価格帯の製品が多いのだが、HP OmniBook 7 Aero 13-bgはそういった中でも飛び抜けて安価と言っていい。
そのため、モバイルPCを日常的に使うビジネスマンはもちろん、学業でPCを利用する機会の多い学生など、コスパに優れるCopilot+ PCを探している人に自信を持ってお勧めしたい。