Appleは6月9日(現地時間)に開催したWWDC 2025の基調講演において、iPhone向けの次期OSとなる「iOS 26」を発表した。同日よりデベロッパープレビュー版が公開され、7月にはパブリックベータ版の公開、2025年秋に一般向けリリースというスケジュールが予定されている。

  • iPhone向け次期OS「iOS 26」

現行のiOS最新バージョンは「iOS 18」。これまでどおりであれば次期OSの名称は「iOS 19」となるところだが、このたび発表されたMac OS/iOS/iPad OS/watch OS等のバージョン表記を統一するという新方針により、全プラットフォームでバージョンナンバーがリリース年に基づく「26」となり、次期iPhone向けOSの名称は「iOS 26」となった。

  • 全プラットフォームのバージョンナンバー

    全プラットフォームでバージョンナンバーを「26」に統一

新デザインとともにアプリUIをアップデート

iOS 26では、今回発表される各プラットフォームのOSに共通の新デザインが採用される。この新デザインは、2013年のiOS 7でフラットデザイン化が行われて以来の大きなデザイン変更となり、「Liquid Glass」と名付けられた半透明の新素材が導入され、躍動感のある表現力豊かなインタフェースとなる。

  • ホーム画面の例

    新デザインのホーム画面の例。この画面だけでも、好みに合わせたカスタマイズが行えることがうかがえる

ロック画面では背景の空きスペースに合わせて時刻表示のサイズが調整されるようになるほか、ユーザーがiPhoneを動かすのに合わせて3D効果が適用される。

カメラアプリのレイアウトは整理されてわかりやすくなり、写真アプリではライブラリやコレクションを個別のタブで管理できるようになる。またSafariは画面全体にコンテンツが表示するように変更された。Apple Music/News/Podcastの各アプリでは、タブバーがフローティング表示され、ユーザーの操作に合わせて動的に拡大/縮小が行われるようになる。

  • ロック画面

    ロック画面

  • カメラアプリ

    レイアウトを刷新したカメラアプリ

  • 写真アプリ

    写真アプリにはタブを導入

  • Safari

    Safariではコンテンツを全面に表示

ライブ翻訳/ビジュアルインテリジェンスなどApple Intelligenceの利用拡大

Apple Intelligenceの活用も拡大する。

ライブ翻訳がメッセージ/FaceTime/電話のアプリに組み込まれ、リアルタイムで翻訳を行える。このライブ翻訳はオンデバイスで処理されるため、プライバシーも担保される。

  • FaceTimeのリアルタイム翻訳
  • 電話アプリのリアルタイム翻訳
  • メッセージアプリのリアルタイム翻訳
  • ライブ翻訳機能がアプリに組み込まれ、各アプリでリアルタイム翻訳を利用できる

画像検索・解析機能のビジュアルインテリジェンスは、あらゆるアプリで画面上に表示されているものを検索することができるようになる。このほか、オリジナルの絵文字を生成するジェン文字、画像生成ツールImage Playgroundで自己表現の幅が広がり、ショートカット機能も強化される。

  • ビジュアルインテリジェンスの拡張

    ビジュアルインテリジェンスはあらゆるアプリで画面上に表示されているものを検索できるようになる

  • ジェン文字とImage Playground

    ジェン文字とImage Playgroundで表現の幅が広がる

電話/メッセージにはスクリーニング機能が提供される

電話アプリでは、よく使う項目/履歴/留守番電話が1カ所にまとめられた新しいレイアウトとなる。着信があった際に発信者の情報をもとにスクリーニングを行う機能、保留状態から通話状態になった際に通知する機能なども提供されるが、日本で利用できるかどうかは不明だ。

  • 電話アプリ

    電話アプリでもレイアウトを刷新

  • 通話スクリーニング

    通話スクリーニング

  • 保留アシスト

    保留アシスト

メッセージアプリでも、不明な送信者からのメッセージをスクリーニングして専用フォルダに表示され、ユーザーがその相手を承認するまで通知がされないようになる。

  • メッセージのスクリーニング

    不明な送信者からのメッセージをスクリーニングできる。「Unknown Senders」と別フォルダに隔離されているのが不明な送信者からのメッセージだ

このほか、カスタム背景の作成、投票の実施なども行える。米国ではApple Cashの請求や受領などもメッセージで行えるようになるようだが、日本国内ではこの機能が提供されていないため利用できない。

  • カスタム背景

    カスタム背景。作成にはImage Playgroundを利用できる

  • 投票機能

    メッセージで投票を作成できるようになる

CarPlayにも新デザインを適用、メッセージアプリ強化やウィジェット導入も

車載システムのCarPlayにも新デザインが導入され、機能強化も行われる。

  • CarPlayの新デザイン

    CarPlayにも新デザインが適用される

CarPlayのメッセージでもiPhoneのメッセージアプリと同様に画面の長押しですばやくリアクションができるTapbackやチャットのピン固定が行えるようになる。またウィジェットも導入され、運転しながらの情報確認もより容易になる。これらのアップデートは、次世代システムであるCarPlay Ultraにも導入される。

  • CarPlayのTapback

    CarPlayでもTapbackが利用可能に

  • CarPlayのウィジェット

    ウィジェットも導入される

Apple Music/マップ/Appleウォレットの強化ポイント

Apple Musicでは、歌詞の翻訳機能で他言語の歌詞も理解できるようになる。さらに発音ガイドも利用できるため、知らない言語の歌も自然に歌えるようになる。Apple IntelligenceがDJのようにシームレスに楽曲をつないでくれるAutoMix機能も搭載される。

  • 歌詞の翻訳機能

    歌詞の翻訳機能

  • 発音ガイドも利用できる

    発音ガイドも利用できる

マップアプリでは、レストランや店舗を訪れていることをiPhoneが検知し、記録しておくことができるようになる。また、オンデバイスのApple Intelligenceにより、日ごろよく利用する経路に基づいた経路の提示や遅延情報/迂回路の通知・提案などを行ってくれるという。ただしこの種の機能は日本で提供されないこともあるため、すぐに利用できるようになるかは不明だ。

  • 訪問スポットの記録

    訪問スポットの記録

  • 日ごろ使う経路に基づく経路の提示

    日ごろ使う経路に基づく経路の提示

Appleウォレットもアップデートされ、Apple Payを使って店舗で支払いをする際に分割払いやポイント払いを行えるようになる。また、搭乗券に関する機能が強化され、フライトの最新情報の確認・共有、マップによる空港案内へのアクセス、「探す」での所持品の追跡や報告といった旅行者向けの機能にウォレットからアクセスできるようになる。

  • フライトのリアルタイム情報の確認

    フライトのリアルタイム情報の確認

  • マップでの空港案内にもアクセスできる

    マップでの空港案内にもアクセスできる

ゲームを一括管理するApple Gamesを導入、ペアレンタルコントロールも使いやすく

このほかの新機能として、ゲームに関する情報を一括管理するApple Gamesアプリが導入される。また、AirPodsとの連携が強化され、AirPods 4/アクティブノイズキャンセリング(ANC)搭載AirPods 4/AirPods Pro 2では高音質の録音やクリアな通話が可能になる。カメラリモートでAirPodsの軸部分の操作によりカメラ操作も行える。

子供のiPhone利用を見守るペアレンタルコントロールもより簡単に子供用アカウントの管理ができるようになる。また、連絡先リクエストへの承認、センシティブなビデオ通話・写真へのぼかし機能、年齢制限アプリの利用の特別許可などの機能が利用できる。

  • Apple Gamesアプリ

    Apple Gamesアプリ

  • ペアレンタルコントロール

    ペアレンタルコントロールもより利用しやすくなる

Safariでは指紋認証による保護の対象がすべてのブラウジングに拡張され、プライバシー保護がより強力になる。アクセシビリティリーダーや点字アクセス(要点字ディスプレイ)、ライブリスニング/バックグラウンドサウンド/パーソナルボイスへのアップデートといったアクセシビリティ機能の強化も行われる。

iOS 26のアップデート対象はiPhone 11以降。ただしApple Intelligenceの機能を利用するには、iPhone 15 Pro/Pro Max、iPhone 16シリーズなどの対応デバイスが必要となる。

  • iOS 26の機能まとめ

    iOS 26の機能まとめ