ASUSのゲーミングスマートフォン「ROG Phone 9」シリーズが発表しました。ゲーミングスマートフォンとして代を重ねて一定の地位を確保しているこのシリーズですが、最新版ではパフォーマンスを向上させ、さらにAI性能を強化しました。
今回は、最上位の位置づけである「ROG Phone 9 Pro Edition」を試用することができたので、その実力をお届けします。
高負荷のゲームプレイにも耐えるディスプレイ/パフォーマンス
「ROG Phone 9」はゲーミングスマートフォンとしてゲーム性能の向上を優先し、とにかくパフォーマンスを重視したモデルです。瞬間的なパワーだけでなく、高性能を長時間維持することを追求しています。
ディスプレイは6.78型Flexible AMOLED FHD+(2400×1080)、リフレッシュレートは1~120Hzの可変。明るく見栄えのよいディスプレイで、ゲーム向けにはリフレッシュレートが最大185Hzの設定も可能です。
まずはその性能を見てみましょう。SoCはQualcomm Snapdragon 8 Eliteを搭載。前モデルはSnapdragon 8 Gen 3だったので、順当にアップデートされています。メモリとストレージはモデルによって異なり、「ROG Phone 9」は12GB/256GB、「ROG Phone 9 Pro」は16GB/512GB、そして「ROG Phone 9 Pro Edition」が24GB/1TBとなっています。
スペックでは、なぜか「ROG Phone 9」のメモリ容量が前モデル「ROG Phone 8」の16GBから12GBに減少しています。これは前モデルと同じ159,800円という値付けを維持するためかもしれません。「ROG Phone 9 Pro」は前モデルと同じ16GB/512GBですが、179,800円だった価格が239,800円に値上がりしています。
なお、無印の「ROG Phone 9」に加えて、「ROG Phone 9 Pro」「ROG Phone 9 Pro Edition」と3モデルに分かれるのは従来通り。各モデルの間には、メモリとストレージ容量の違いに加え、無印はマクロカメラを、「Pro」は望遠カメラを搭載するという違いがあります。「Pro」と「Pro Edition」の違いは、Aero Caseなどのゲーミング向けのアクセサリーが同梱されるかどうかです。
いずれにしても、メモリ、ストレージともに必要十分。LPDDR5XメモリとUFS 4.0ストレージなのでパフォーマンスも問題なさそうです。
ベンチマークテストでも、十分な性能を発揮していることが示されています。基本的にはほぼ同等の仕様のはずの「Galaxy S25 Ultra」と比べても、一部ではパフォーマンスが上回っています。このあたりは冷却性能などが功を奏している可能性がありそうです。
ROG Phone 9 Pro | Galaxy S25 Ultra | ||
---|---|---|---|
SoC | Snapdragon 8 Elite | Snapdragon 8 Elite for Galaxy | |
3Dmark | Wild Life Extreme | 5,620 | 6,868 |
Solar Bay | 9,471 | 12,314 | |
Steel Nomad Light | 2,058 | 2,633 | |
PCMark | Work 3.0 | 27,692 | 20,711 |
GeekBench | Single-Core | 3,128 | 3,153 |
Multi-Core | 9,885 | 10,120 | |
GPU(OpenCL) | 19,247 | 20,321 | |
GPU(Vulkan) | 25,077 | 26,535 | |
GFXBench | マンハッタン3.1 | 11,406 | 7,449 |
マンハッタン3.1オフスクリーン | 17,086 | 14,998 | |
Aztec Ruins OpenGL High Tier | 8,509 | 6,857 | |
Aztec Ruins Vulkan High Tier | 7,992 | 6,963 | |
Antutu | トータル | 2,885,823 | 2,470,276 |
AITUTU | 2,026,979 | 1,920,840 |
実際に、ゲームプレイなどは快適です。ここまでくるとどのスマートフォンを使ってもパフォーマンスの問題はあまり起きませんが、逆に言えばこれを使い切るようなゲームが今後出てくるのか、というあたりが問題かもしれません。