Appleが運営する「iCloud」は、iPhoneユーザにとって馴染み深いクラウドサービス。いろいろなアプリがiCloudと連携し、各種データの保存場所や他ユーザとのファイル共有目的で活用しています。しかし、自分にには関係なさそう、知らないうちに通信しそうだからサインアウトした状態で使いたい、そう考えるのも無理はありません。
結論からいうと、iCloudにサインインしていないとiPhoneの実力はフルに発揮できません。むしろ、これまで当然のように利用していた機能が、iCloudからサインアウトしたせいで使えなくなってしまいます。
Apple Payはそのひとつで、利用明細などのデータを暗号化してiCloudに保管しており、iCloudからサインアウトして連携が途切れるとApple Payは使えなくなります。実際、iCloudからサインアウトすると、ウォレットアプリに登録していたカード/電子マネー類はすべて消えてしまいます。
しかし、サインアウトしてもiCloud上のデータは消去されないため、再びサインインすれば元どおりウォレットに登録したカード類を利用できるようになります。電子マネーや交通系ICカードにチャージした残高も、サインアウト直前の状態で残されているため、慌てる必要はありません。
もっとも、クレジットカードの場合はセキュリティコード(カード裏面に記載されている3、4桁の番号)の入力を求められるなど、若干の作業が必要になります。サーバと通信して認証が完了するまでに数十秒ほどかかるため、外出中など慌ただしいときにはiCloudからのサインアウトは避けるほうが無難です。