YouTubeは2月13日(米国時間)、Dream Screenに「Veo 2」を統合した。これにより、クリエイターはテキスト入力から独自の動画クリップを生成し、ショート動画に組み込むことが可能となる。この新機能は、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドのユーザーを対象に先行公開され、今後、対応国を順次拡大する予定である。
Dream Screenは、一昨年導入されたAI機能であり、テキストプロンプトからショート動画用の背景を生成できる。今回のVeo 2導入により、ショート作成の際に、背景のみならず、独立した動画クリップを生成し、動画の一部として活用できるようになった。
Veo 2を用いた動画生成は、YouTubeアプリで作成アイコンを選択し、[追加]をタップ。メディアピッカーで最上部の作成アイコンを選び、プロンプトを入力後、[画像を使用] または [動画を作成] を選択することで行える。
Veo 2は、Googleが2024年12月に発表した最新の動画生成モデルである。シンプルなテキストプロンプトや画像を用いて、高品質な動画を容易に生成できる。自然言語と視覚セマンティクスの高度な理解により、プロンプトのニュアンスやトーンを的確に反映できる。初代Veoと比較し、現実世界の物理法則や人間の動き、表情の微妙なニュアンスの再現力が向上し、より精緻なモーション表現が可能となった。また、シネマトグラフィ(映画撮影技術)の用語を理解し、ショットのスタイルや構図、レンズの種類を指定することで、クリエイターが意図する映像を生成できる。たとえば、「18mmレンズ」と「浅い被写界深度」を指定するプロンプトを使用することで、背景をぼかし、被写体を浮かび上がらせた映像を生成することが可能である。
下のショート動画は、YouTubeが公開した生成AI動画は活用した作例である。
この作例に出てくるような巨大化した子犬を撮影するのは容易ではないが、動画AI生成を用いれば、テキストプロンプトを入力するだけで必要な映像を作成できる。手軽に撮影とAI動画生成を組み合わせられ、ユニークなストーリーを構築し、コンテンツ作りの可能性を広げることができる。
なお、Dream ScreenでVeoによって生成された動画には、AI生成コンテンツであることを示すSynthID透かしとラベルが付与される。