携帯電話を利用したメッセージのやり取りは、文字だけで構成される「SMS」に始まり、画像を添付できる「MMS」へと進化した歴史があります。スマートフォン時代に入ると、画像やスタンプを扱えるLINEなどSNSのメッセージングアプリが普及しましたが、特定メーカー/サービスに依存しない高機能なメッセージング規格へのニーズは変わらず存在します。
RCS(Rich Communication Service)は、SMSと同様に携帯電話番号を宛先として使用でき、テキストのみならず静止画/動画などのリッチメディアも扱える、モバイルデータ通信網向けのメッセージング規格です。Googleを中心に規格化が進められ、日本では国内大手キャリア3社で利用できる「+メッセージ」、楽天モバイルが提供する「Rakuten Link」での採用事例があります。
普及はAndroid端末が先行しているRCSですが、iPhoneでもiOS 18からシステムレベルでサポートされました。従来SMS/MMSとiMessageに対応していた「メッセージ」にもRCSサポートが追加され、条件を満たすと利用できるようになります。
ただし、iOS標準のメッセージアプリでRCSメッセージを扱えるのは、iOSのRCS仕様に対応したテキストメッセージの送受信が可能なプランを契約している場合に限られます。2025年2月現在、AppleのWEBサイトに掲載されている通信キャリアのサービス状況(iPhoneの通信事業者のサポートと各機能(アジア太平洋))を踏まえると、日本では日常的な使用が難しい状況といえます。
なお、NTTドコモとau/KDDI、ソフトバンクの3キャリア、およびそれらのサブブランドと契約している端末であれば、iPhoneでも「+メッセージ」アプリでRCSメッセージを送受信できます。