「また日本に戻ってきたい」――。大会担当者が実感した日本の『Apex』人気
大会中のDay2に、EAでALGSシニアブランドマーケティングマネージャーを務める、Jasmine Chiangさんにインタビューを実施しました。札幌での開催が決まった経緯や、日本における『Apex』人気の高さなどについて聞いています。
――最初に、ALGSのアジア初となる開催地に日本が選ばれた理由を教えてください。
Jasmine Chiangさん(以下、Chiang):長年、日本で開催したいと思っていました。なにより日本にはたくさんのファンがいます。日本での開催をずっと目指してきたので、ついに実現できてうれしく思っています。
――日本のなかでも、なぜ札幌が選ばれたのでしょうか?
Chiang:会場に関しては、いろいろなところをチェックしていました。会場を選ぶ際に考慮することは、本当にたくさんあります。会場のエリアやアクセスが適切か、十分な観客を収容できるキャパシティがあるか。それから、ALGSでは非常に大きなステージを設けるので、それが可能かどうか。そういったことを考慮して会場を探していたなか、最初に札幌ドームに来たとき「完璧だ」という感覚がありました。
さらに、札幌市の皆さんも我々のことをすごく歓迎してくださり、ご協力のもと一緒に開催することができました。そうしたパートナーとしての札幌市のサポートも、とても大きかったです。
――検討段階で、東京近郊やその他の都市での開催も候補にありましたか?
Chiang:最初は本当にいろいろなところを検討していて、東京近郊に限らず、日本全国の都市を見ていました。そのなかで、やはり会場の適性や市の協力といった部分などから、最終的に札幌に決まりました。
また、札幌ではちょうど雪まつりが行われる、とてもエキサイティングなタイミングでもあります。ファンの皆さんを呼ぶ時期としても適切な戦略だと思い、総合的に判断しました。
――開催の発表後、チケットの売れ行きなどを含めた反響に対して、どのような印象を持たれましたか?
Chiang:とてもアメイジングで、今でも信じられないくらいです。3万枚以上のチケットが売れ、最終日である日曜のチケットは12,500枚がすべて売り切れています。私自身の今までの長いキャリアのなかでも最大のイベントですし、EAにとっても最大のイベントなので、我々にとって非常に特別な時間になっています。
――ここまで2日間、日本のファンの盛り上がりをどのようにご覧になりましたか?
Chiang:非常にすばらしいと思っています。というのも、日本のファンに限らず世界中から集まっているファンが、それぞれの国ごとのファンというより、1つのコミュニティになっている印象だからです。それこそが、『Apex』のコミュニティだなと思います。
初日の1マッチ目に「Fnatic」がチャンピオンを獲得したときも、本当に熱狂的な盛り上がりでした。ファンの皆さんのそういったサポートに、とても感謝しています。
――世界のさまざまな国や地域のなかで、特にコミュニティの熱量の高い地域やユニークな地域があれば教えてください。
Chiang:やはり日本のコミュニティがすごく特別だと思います。日本では、例えば自分が『Apex』に携わる仕事をしていると言うだけで、すぐに仲良くなれます。タクシーの運転手さんにもレストランで知り合った人にも、そういった話をしたら、すごく歓迎されてすぐ打ち解けました。こういった体験は非常にユニークですし、日本の『Apex』への愛がすごいなと感じます。
――日本は『Apex』の認知度が特に高いということなのでしょうか?
Chiang:そうだと思います。日本ではショッピングに行ったときにも、『Apex』のグッズが売っていたりしますよね。我々としても今回、札幌全体でたくさん広告を出しましたし、渋谷にも広告を出しました。そうしたもので、認知度が上がっている面もあると思います。同時に、オンライン上でもSNSで多くの投稿がされていて、そういったことを踏まえても、やはり日本という市場の大きさを感じます。
――日本以外に、『Apex』の人気が高い国を挙げるとしたらどこですか?
Chiang:アメリカが挙げられると思います。昨年、ロサンゼルスで大会を開催したときもチケットがソールドアウトする大きな反響を呼びました。そのとき、チケットのセールスは記録的な枚数だったので、それを踏まえてもアメリカでの人気が高いといえます。でも今回、日本ではその2~3倍を記録するほどのチケットの販売数になりました。それくらい日本は特別だと思います。
――ALGSという大会ならではの、オリジナリティとして意識されているポイントがあれば教えてください。
Chiang:ALGSの特徴的なところは、『Apex』というゲームへの愛でつながったコミュニティの存在だと思っています。会場では、どの国やどの地域の人であっても、誰でもすぐに友達として話せます。これはすごくユニークな点だと感じています。
――今回の札幌開催において、チャレンジした取り組みはありますか?
Chiang:2つ挙げられます。まず1つは、音楽アーティストSiMとのコラボレーション。大会オリジナルソングを制作したのは、今回独特の取り組みです。そこで学んだこともたくさんありますし、とてもオリジナリティを出せた例だと思っています。
もう1つは、内部の話なのですが、時差がチャレンジングな点でした。アメリカと日本で連携を取るには、早朝と深夜くらいしかお互いに働いている時間がないので、すごく大変でした。でも、それを乗り越えて、ファンの皆さんにすばらしい演出を届けたいと思っています。
――最後に、日本の『Apex』ファンに向けてメッセージをお願いします。
Chiang:やはり皆さんには、感謝の気持ちを伝えたいです。皆さんのサポートがあったからこそ、このようなイベントを実現することができました。そして、また日本に戻ってきたいと思っていますので、ぜひご期待ください。
――ありがとうございました!