2026年5月22日から24日にかけて、『オーバーウォッチ』の世界大会「Overwatch Champions Clash hosted by GANYMEDE」が東京・立川市にある「アリーナ立川立飛」にて開催されました。

『オーバーウォッチ』の世界大会が日本で開催されるのは、今回が初めて。本大会には、NA、EMEA、中国、アジアの4地域から上位2チームずつ、世界のトップ8チームが出場しました。3日間にわたる激闘の末、優勝に輝いたのは「Crazy Raccoon」(以下、CR)。熱い盛り上がりを見せた会場の模様をレポートします。

  • 国内外からファンが駆けつけ、3日間を通して大きな盛り上がりを見せた

    国内外からファンが駆けつけ、3日間を通して大きな盛り上がりを見せた

記念すべき日本での初開催、舞台は立川に

記念すべき日本での初開催、舞台は立川に 「Overwatch Champions Clash」(以下、OWCC)は、Blizzard Entertainment(以下、Blizzard)が主催する公式大会「Overwatch Champions Series」(以下、OWCS)のシーズン中間に開催される世界大会です。

今回、日本では初となる『オーバーウォッチ』世界大会の主催を、GANYMEDEが担いました。GANYMEDEは、「ZETA DIVISION」(以下、ZETA)を運営する企業。「ZETA」は、OWCSのパートナーチームに選出されており、コミュニティへの理解の深さやオフラインイベントの開催実績から、主催に選ばれています。

開催都市は、Blizzardの要望により東京に決定。会場には、立川市にある「アリーナ立川立飛」が選ばれました。初日はあいにくの雨でしたが、会場には早くからグッズ購入のために、多くのファンが駆けつけていました。コスプレでの参加が歓迎されていたため、本格的なコスプレでの参加者も多く、会場をよりにぎやかに盛り上げました。

また、会場の最寄り駅である多摩都市モノレール立飛駅では、駅のホームに大会広告を掲出。会場付近の商業施設では、チケットを提示すると割引が受けられる「チケット割」キャンペーンが行われるなど、地方自治体との連携による施策も行われました。

  • 多摩都市モノレール立飛駅のホームに掲出された大会広告

    多摩都市モノレール立飛駅のホームに掲出された大会広告

  • 今回の会場に選ばれた「アリーナ立川立飛」

    今回の会場に選ばれた「アリーナ立川立飛」

  • 会場入り口では、ヒーローたちののぼりがお出迎え

    会場入り口では、ヒーローたちののぼりがお出迎え

  • あいにくの雨のなか、早くから行列ができていた物販ブース

    あいにくの雨のなか、早くから行列ができていた物販ブース

  • 会場には更衣室が設けられ、コスプレ参加OKとなっていた

    会場には更衣室が設けられ、コスプレ参加OKとなっていた

  • 会場入り口付近のボード前には、コスプレイヤーの方々が集合

    会場入り口付近のボード前には、コスプレイヤーの方々が集合

  • 立飛グループのイメージキャラクター、たっぴくんとたっぴちゃんも会場に

    立飛グループのイメージキャラクター、たっぴくんとたっぴちゃんも会場に

応援コールや歓声で熱気に包まれる会場

本大会では、8チームによるダブルエリミネーショントーナメントを実施。初日は、アッパーブラケット4試合とロワーブラケット2試合が、すべてFT2(2本先取)で行われます。NAからは「Dallas Fuel」と「Spacestation」、EMEAからは「Twisted Minds」と「Virtus.pro」、中国からは「Weibo Gaming」と「All Gamers」、アジアからは「ZETA」と「CR」が出場しました。

試合が始まって、なにより印象的だったのは気合いの入った応援コール。韓国チームが出場する試合では、「◯◯(チーム名)! ハナ、トゥル、セッ(韓国語で1、2、3)! 」「◯◯ファイティン!」と、先導するコールに合わせてファンが一斉に大きな声援を送ります。

中国チームの応援では、中国語で「がんばれ」を意味する「加油(ジャーヨウ)!」コールが巻き起こるなど、世界大会ならではの国際色豊かな声援が飛び交いました。試合中も、チームに関係なく良いプレイが出るたびに大きな歓声が巻き起こり、これぞ現地観戦の醍醐味といえる熱気に包まれていました。

なお、「ZETA」と「CR」は、両チームともに運営母体は日本チームですが、ロスターはオール韓国人。世界最高峰のレベルを誇る、韓国地域のOWCS Koreaに出場するチームです。

日本地域のOWCS Japanに出場するチームとしては、「VARREL」と「ENTER FORCE.36」がOWCCへの出場権をかけたOWCS Asiaに出場しました。なかでも「VARREL」は、「CR」に勝利してプレイオフ進出を果たしたことで大きな注目を集めましたが、残念ながらOWCCへの出場権獲得とはなりませんでした。

近年さまざまなeスポーツタイトルで、日本での国際大会が開催されています。しかしながら、2019年には『レインボーシックス シージ』で、2023年には『VALORANT』で、念願の日本開催が実現するも、日本チームが出場を逃すという悔しさを味わってきています。もちろんタイトルごとに状況は違うものの、個人的には日本人選手の活躍を応援したいという思いから、今回のOWCCもそれに似た惜しさを感じる部分がありました。

とはいえ、日本チームを母体とする「ZETA」や「CR」の活躍、そして日本での『オーバーウォッチ』人気やファンの熱量が評価され、日本開催につながったことには間違いありません。「CR」相手に勝利をつかんだ「VARREL」の活躍も、着実に日本チームが前進していることを示してくれました。日本のシーンのさらなる成長に期待したいところです。

  • 満席の観客席からは大迫力の応援コールや歓声が響いた

    満席の観客席からは大迫力の応援コールや歓声が響いた

  • 大会オフィシャルパートナーDHLの応援ボード記入コーナー

    大会オフィシャルパートナーDHLの応援ボード記入コーナー

  • さまざまなメッセージを書いた応援ボードが掲げられる観客席

    さまざまなメッセージを書いた応援ボードが掲げられる観客席

  • 現地で書く応援ボードのほか、自作の応援ボードを持参するファンの姿も

    現地で書く応援ボードのほか、自作の応援ボードを持参するファンの姿も

  • 入場時に配られた光るリストバンドは色を変更でき、応援するチームカラーにできた

    入場時に配られた光るリストバンドは色を変更でき、応援するチームカラーにできた

  • 「ZETA」が出場する試合では、観客席の多くのリストバンドが緑に光っていた

    「ZETA」が出場する試合では、観客席の多くのリストバンドが緑に光っていた

ウォチパやミーグリなどのコンテンツも

世界大会とあって、アリーナ後方には日本語・英語・韓国語、合わせて3つのキャスター席が並びました。さらに、ウォッチパーティ席も用意されており、「VARREL」の選手たちや「ZETA」所属ストリーマーのta1yoさんらが、会場内から配信。そのほか、スポンサー企業のRedBullブースや、グッドスマイルカンパニーによる「ねんどろいど」展示なども設けられました。

また、出場8チームのミート&グリートも実施。事前抽選制で、日ごとに2~3チームずつ行われました。大会中の限られたスケジュール内で進行されるため、特定の選手1人に写真撮影かサインのどちらかのみお願いできるというルールではありましたが、海外チームの選手に直接会える貴重な機会となっていました。

ただ、チームによっては試合前にミート&グリートを行うスケジュールになっている場合もあり、ファンからは「選手たちのコンディションに影響するのではないか」という懸念の声も上がっていました。

実際にどれほど影響があるかどうかはわからないものの、ファンがそうした懸念を抱きながらミート&グリートに参加するという状況自体が、お互いにあまり望ましくはないでしょう。ファンにとっては、選手たちがベストなコンディションで、最高の試合を見せてくれることが最大のファンサービス。今後の開催では、こうした懸念が解消されることを願っています。

  • 会場後方には、日本語・英語・韓国語のキャスター席とウォッチパーティ席が設けられた

    会場後方には、日本語・英語・韓国語のキャスター席とウォッチパーティ席が設けられた

  • 会場からウォッチパーティを行う「VARREL」のNico選手とSLEY選手

    会場からウォッチパーティを行う「VARREL」のNico選手とSLEY選手

  • 「ZETA」所属ストリーマーのta1yoさんもウォッチパーティを実施

    「ZETA」所属ストリーマーのta1yoさんもウォッチパーティを実施

  • RedBullブースが展開され、会場内ではRedBullが配布されていた

    RedBullブースが展開され、会場内ではRedBullが配布されていた

  • RedBullブースで1v1カスタムに参加すると、限定ステッカーがもらえた

    RedBullブースで1v1カスタムに参加すると、限定ステッカーがもらえた

  • グッドスマイルカンパニーによる、ヒーローたちの「ねんどろいど」展示

    グッドスマイルカンパニーによる、ヒーローたちの「ねんどろいど」展示

  • 初日に行われた「ZETA」のミート&グリート

    初日に行われた「ZETA」のミート&グリート

  • ミート&グリートでは、写真撮影かサインのどちらかのみお願いできた

    ミート&グリートでは、写真撮影かサインのどちらかのみお願いできた

  • サインなどの希望に一つひとつ丁寧に対応していた選手たち

    サインなどの希望に一つひとつ丁寧に対応していた選手たち

  • スマホのほか、チェキでの撮影をお願いするファンも

    スマホのほか、チェキでの撮影をお願いするファンも

大人気“ZETAくん”、日本が舞台の新マップにも登場

今回、GANYMEDEが主催を担ったことで生まれた施策のひとつに、『オーバーウォッチ』とコラボした“ZETAくん”グッズの展開がありました。ZETAくんとは、「ZETA」のマスコットキャラクターのこと。2024年の東京ゲームショウでお目見えし、昨年からぬいぐるみなどのグッズ販売が始まりました。

もともと人気のZETAくんグッズですが、今回はコラボグッズとして、トレーサーやゲンジ、キリコといった『オーバーウォッチ』のヒーローに扮したZETAくんぬいぐるみが登場。『オーバーウォッチ』のマスコットであるパチマリを被ったZETAくんのグッズも展開されました。

これらのグッズが発表されるやいなや、SNSでは海外からも「欲しい!」という反応が多数寄せられていました。会場内では、手に入れたZETAくんぬいぐるみを手に応援するファンが多く、これも日本開催ならではの光景をつくっていたといえます。

なお、最終日のショーマッチでは、新たなハイブリッドマップ「ネオンジャンクション」が発表されました。このマップは日本が舞台となっており、マップの複数箇所にZETAくんが設置されていることが明らかになりました。

  • 今大会で販売された『オーバーウォッチ』コラボZETAくんのグッズラインナップ

    今大会で販売された『オーバーウォッチ』コラボZETAくんのグッズラインナップ

  • 「ZETA」の物販ブースには行列ができ、整理券が配布された

    「ZETA」の物販ブースには行列ができ、整理券が配布された

  • 3種まとめ買いされていく大人気のコラボZETAくんぬいぐるみ

    3種まとめ買いされていく大人気のコラボZETAくんぬいぐるみ

  • 会場内では、ファンの膝の上などあちこちでZETAくんが一緒に観戦

    会場内では、ファンの膝の上などあちこちでZETAくんが一緒に観戦

  • ZETAくんのほか、キリコヘアバンドやマフラータオルも身につけて応援

    ZETAくんのほか、キリコヘアバンドやマフラータオルも身につけて応援

  • 最終日のショーマッチで公開された日本が舞台の新マップ「ネオンジャンクション」

    最終日のショーマッチで公開された日本が舞台の新マップ「ネオンジャンクション」

  • マップ内のさまざまな箇所に、ぬいぐるみ姿のZETAくんが設置されている

    マップ内のさまざまな箇所に、ぬいぐるみ姿のZETAくんが設置されている

フルカウントの大激戦を制し、「CR」が優勝

2日目以降の試合はFT3(3本先取)で行われ、最終日のグランドファイナルのみFT4(4本先取)で実施されました。「ZETA」はOWCS KoreaやOWCS Asiaを含め、Stage 1を無敗のまま勝ち進んでいましたが、アッパーブラケットファイナルで「CR」と激突。この試合を「CR」が3-1で制し、グランドファイナル進出を決めます。

「ZETA」はここで21連勝の記録がストップし、ロワーブラケットへ。ロワーブラケットファイナルは、「ZETA」と「Twisted Minds」の対戦となり、この戦いを「Twisted Minds」が3-1で制しました。Stage 1での勢いのままに優勝を狙いたい「ZETA」でしたが、惜しくも3位という結果になりました。

いよいよ迎えたグランドファイナルでは、「CR」と「Twisted Minds」が対戦。この頂上決戦では、3-3のフルカウントで最終マップを迎える、これ以上ない大激戦がくり広げられました。最高潮の盛り上がりのなか、最終マップを勝ちきったのは「CR」。日本チームが母体の「CR」が、日本開催の世界大会で優勝トロフィーを掲げるという、見事な結末で幕を閉じました。

OWCCが大盛況に終わったばかりですが、『オーバーウォッチ』の競技シーンは間を置かずに大会が続きます。まずは、国別対抗の世界大会「Overwatch World Cup」のAsia Conference(オンライン予選)が、5月29日にスタート。日本代表チームは、ここでグループ上位2チームに入ることで、世界16カ国が集う本戦への出場権を獲得できます。

さらに、日本地域のチームが出場するOWCS Japanも、Stage2が6月1日より開幕します。直近では、ストリーマーの加藤純一さんがオーナーを務める「MURASH GAMING」が、オーバーウォッチ部門の新設を発表。このニュースは大きな注目を集めており、日本のシーンのさらなる盛り上がりが期待されます。

  • Stage 1を無敗で勝ち進み、21連勝を記録していた「ZETA」

    Stage 1を無敗で勝ち進み、21連勝を記録していた「ZETA」

  • 観客席に阻害瓶(?)を投げる「ZETA」の入場パフォーマンス

    観客席に阻害瓶(?)を投げる「ZETA」の入場パフォーマンス

  • 阻害瓶の中身は、「ZETA」選手のサイン入りTシャツ

    阻害瓶の中身は、「ZETA」選手のサイン入りTシャツ

  • 大きな注目を集めた「ZETA」対「CR」は、「CR」が勝利を収めた

    大きな注目を集めた「ZETA」対「CR」は、「CR」が勝利を収めた

  • グランドファイナルでは、観客席の間を通って両チームの選手が入場

    グランドファイナルでは、観客席の間を通って両チームの選手が入場

  • 大激戦でこれ以上ない盛り上がりとなったグランドファイナル

    大激戦でこれ以上ない盛り上がりとなったグランドファイナル

  • 「CR」は4度目の世界大会優勝。1年ぶりに世界王者に返り咲いた

    「CR」は4度目の世界大会優勝。1年ぶりに世界王者に返り咲いた

  • 日本開催の舞台で優勝トロフィーを掲げた「CR」

    日本開催の舞台で優勝トロフィーを掲げた「CR」

  • トーナメント全体の試合結果

    トーナメント全体の試合結果