ついに敗退チームが決まり始めたDay3

Day3のLOSERS ROUND 1には、グループステージ下位20チームが出場。8試合を行い、総合ランキングで11位以下になったチームは、敗退が確定します。日本チームは、3~4マッチ目から大きく盛り返した「GHS Professional」が、総合3位で突破。しかし、残念ながら「Meteor」と「REIGNITE」は上位10チームに入れず、ここで敗退となりました。

会場で観戦していておもしろかったのは、最終8マッチ目での「Team Burger」の活躍です。会場ではスコア画面が常時表示されているため、敗退圏内にいた「Team Burger」が最終マッチで終盤まで生き残り、どんどんランキングを駆け上がっていくのが見えます。ついには10位にいた「NRG」を追い越し、「Team Burger」が突破を決めるという展開で、会場を沸かせました。

Day3になると、ますます観客が増え、客席の上方まで埋まり始めていました。また、この日から札幌ドーム展望台を「ミラージュボヤージュ」として公開。会場内を一望しながら長いエスカレーターを上り、展望台につくと札幌の街並みを楽しむことができました。

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    初日には製作中だった氷のかたまりが、見事なレジェンドの氷像に

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    Day3になるとますます観客が増え、客席のかなり上方まで埋まり始めた

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    人気のネッシー帽子をかぶって応援するファンの姿もたくさん見かけた

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    「REIGNITE」の選手席前では、ペンライトやフラッグを掲げるファンが声援を送っていた

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    LOSERS ROUND 1の総合ランキング(10位までLOSERS ROUND 2へ、11位以下は敗退)

SiMが大会テーマソングを熱唱、決勝進出をかけたDay4

土曜のDay4になると、さらに観客が増えます。開場の10時半ごろには、札幌ドームから徒歩5分はかかる最寄りのコンビニまで入場待機列が伸びるほどになっていました。会場内の座席は自由席になっており、プレミアムチケット購入者は30分早く入場できます。それでも、応援するチームの目の前に座りたい熱量の高いファンは、かなり朝早くから並んでいたようです。

Day4のオープニングでは、レゲエパンクバンドSiMが大会テーマソング「CHAMPiONS」を披露しました。ボーカルのMAHさんは、歴4~5年の『Apex』プレイヤー。当初はEAからSiMの既存曲の演奏オファーをもらったものの、より特別なものにするため楽曲を書き下ろしたといいます。

Day4の前半は、グループステージ上位20チームが戦うWINNERS ROUND1。ここで「ENTER FORCE.36」は、今大会最多の21キルチャンピオンを獲得し、FINAL ROUND進出を決めます。「Fnatic」は上位10チームに入れず、続けてLOSERS ROUND 2を戦うことになりました。

後半のLOSERS ROUND 2では、上位10チームのFINAL ROUND進出、下位10チームの敗退が決まります。ここで上位10チームに日本チームが入らなければ、最終日のFINAL ROUNDに日本チームが不在になってしまうという、非常にプレッシャーのかかる状況でした。

LOSERS ROUND 2は、初戦から「GHS Professional」がチャンピオンを獲得します。振るわないマッチが続いた「Fnatic」も、4マッチ目に起死回生のチャンピオンを獲得し、会場では地鳴りのような大歓声が響き渡りました。ここで最下位から一気にランキングを巻き返した「Fnatic」は、最終的に総合8位でFINAL ROUNDに進出。しかし、「GHS Professional」はあとわずか3ポイントが足りず、惜しくも敗退となりました。

なお、「Fnatic」はこの日だけで計16試合を戦っています。観戦しているだけでも相当な疲労感があるのに、これだけの試合数を戦い抜くとなると、選手にはいったいどれほどの体力や集中力が求められるのだろうと考えさせられます。

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    Day4になると、最寄りのコンビニまで続くほどの入場待機列に

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    オープニングでは、SiMが大会テーマソング「CHAMPiONS」を披露(Electronic Arts提供)

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    さまざまなチームグッズを身に着けたファンで埋まる観客席

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    LOSERS ROUND 2の初戦では、「GHS Professional」がチャンピオンを獲得

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    惜しくもDay4で今大会の挑戦を終えることになった「GHS Professional」(Electronic Arts提供)

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    「Fnatic」の起死回生のチャンピオン獲得で、会場からは大歓声が巻き起こった(Electronic Arts提供)

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    WINNERS ROUND 1の総合ランキング(10位までFINAL ROUND進出、11位以下はLOSERS ROUND 2へ)

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    LOSERS ROUND 2の総合ランキング(10位までFINAL ROUND進出、11位以下は敗退)

手に汗握るマッチポイントルールで大白熱の最終日Day5

いよいよ迎えた最終日Day5には、マッチポイントルールでのFINAL ROUNDが行われます。マッチポイントルールでは、50ポイントに到達したチームが次の試合から“マッチポイント点灯”状態になり、その状態でチャンピオンを獲得すると優勝が決定します。何試合で決着がつくか読めないものの、シンプルでわかりやすく、かつ観戦体験として非常におもしろいルールです。

会場では、さまざまなチームのフラッグがはためき、応援コールが鳴り響きます。「Fnatic」へのコールはもちろんのこと、初日から「Let's Go EXO!!」のコールを送り続けていた「EXO Clan」の応援団など、海外チームのファンもそれぞれ集まって存在感をアピールしていました。中国チームが出場する大会配信のコメント欄でよく見かける、中国語の「加油(ジャーヨウ/がんばれ)!」という声援も聞こえてきます。

自由席のため、あくまで各チームのファンは「だいたいこのあたり」という集まり方をしています。ただ、他チームのファンが隣り合っていてもバチバチした雰囲気ではなく、むしろお互いの応援コールにも参加し合うような、平和で温かい盛り上がり方をしていました。

試合はマッチ5終了時点で、「Team Falcons」と「Alliance」がマッチポイント点灯。マッチを重ねるごとにマッチポイント点灯チームが増え、ヒリヒリとした緊張感が増していきます。そうしたなか、「Fnatic」はマッチ7で50ポイントに到達。マッチポイント点灯し、次の試合から優勝のチャンスが生まれます。

しかし、このマッチ7の最終盤は、すでにマッチポイント点灯している「Team Falcons」と「Alliance」の2チームと、点灯していない「GoNext」の三つ巴に。ついに優勝が決まってしまうかと思われたところ、点灯チームのチャンピオンを「GoNext」が阻止。まだ試合が続くことが確定し、満席の客席が大歓声で沸き立ちました。

マッチ8を終えた時点では、すでに9チームがマッチポイント点灯。観客は、一つひとつのファイトを、手に汗握る思いで見守ります。そして、9マッチ目で再びチャンピオンを獲得したのは「GoNext」。命運を分けたマッチ7で他チームの優勝を阻止し、そのうえにもぎ取ったドラマチックな勝利で「GoNext」が見事優勝に輝きました。

残念ながら「Fnatic」の優勝は叶わず、総合10位という結果になりました。ただ、最終日のFINAL ROUNDで日本チームを応援できたことも、最後のマッチまで日本チームの優勝を祈りながら観戦できたことも、「Fnatic」の活躍あってこそ。自国開催という大きなプレッシャーを背負いながらも、すばらしい活躍を見せてくれました。

今回の札幌開催における盛り上がりは想像以上のもので、来場者はもちろんのこと、海外チームやさまざまな関係者などのSNSからも、かなりの好評を得ていることがうかがえました。近い将来、また日本が開催地に選ばれること、そして日本チームの優勝が見られることを願っています。

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    座席の最後列まで観客で埋まり、熱気に包まれた最終日Day5の会場

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    観客席では応援コールが飛び交う。最終日は光るスティックバルーンも配布された

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    マッチポイント点灯チームには白い枠がつく。「Fnatic」はマッチ8から点灯

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    自国開催のプレッシャーを背負いながらも、すばらしい活躍を見せてくれた「Fnatic」(Electronic Arts提供)

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    大きな拍手が送られるなか、優勝トロフィーを掲げるギリシャチームの「GoNext」(Electronic Arts提供)

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    「GoNext」は、EMEAのチームとして初の優勝を勝ち取った(Electronic Arts提供)

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    「Fnatic」は悔しさをにじませ、終了後なかなか席を立つことができなかった