アンカー・ジャパンは1月29日、新たに家庭用蓄電池事業への参入を発表した。同事業の新製品として「Anker Solix XJ」シリーズを発表。オンラインでの簡易見積りから設置までを一気通貫で提供する仕組みを提供する。

  • 1月29日に発表された「Anker Solix XJ」シリーズ。容量は5,000Wh、10,000Wh、15,000Whの3種類を用意する。ユニットを積む形なので購入後の容量増も可能だ

「Anker Solix XJ」シリーズはアンカー・ジャパンが初めて提供する家庭用蓄電池。蓄電池は、ソーラーパネルを自宅に設置することで、ソーラーパネルで生み出した電力を蓄電池に蓄え、蓄電池から家の電力システムに給電できるもの。アンカー・ジャパンによると災害対策や省エネの観点から、導入家庭が増加する傾向にあるという。

「Anker Solix XJ」シリーズの販売は、家庭用蓄電池と電力を制御するパワーコンディショナーをセットで提供する「Anker Solix X蓄電池セット」として提供。蓄電池は家族構成に合わせ、5,000Wh、10,000Wh、15,000Whの3つの容量を選択できる。家族構成の変動に合わせ、蓄電池モジュールを積み増すことで容量の拡充も容易。また両面ガラス構造のソーラーパネルを加えたセットも販売可能とのこと。蓄電池本体はIP65の防塵防水性能を備える。

5,000Whは災害時などに最低限の電力を確保したいユーザー向け。約1日分の電力をまかなえる見込みだ(6,000Whの出力を8時間使用する場合)。10,000Whは標準的な4人家族に適する容量で、15,000Whは4人以上の家族やオール電化の家庭などが十分に対応できる大容量モデルとなる。なおパワーコンディショナーは太陽光発電で得た直流の電力を、家庭で使える交流へ変換する装置。最大97.5%という高い変換効率でロスが少ない点もポイントという。

  • 「Anker Solix XJ」シリーズにおける電力の流れ。右がソーラーパネル、中央がパワーコンディショナー、下が蓄電池、左が電気を消費する家庭

  • 蓄電池の電池セルはリン酸鉄リチウムイオン電池を採用。蓄電池モジュールを積み増して容量を増やせる設計になっている

  • 「Anker Solix XJ」シリーズの特徴

蓄電池を導入する用途の1つは災害・停電対策。大災害で停電した際、自宅で発電した電気を使え、防寒や暑さ対策、スマートフォンやテレビ、ラジオなどへ給電し情報収集ができる。

もう1つの用途は電気代の削減だ。現在さまざまな要因から電気代が高騰している中、昼に発電、夜にその電気を消費することで、電気代の削減を見込める。例えば4人家族の場合、売電収益と節約分を合わせ月額15,500円ほどお得になるという(10,000Whの蓄電池と5,000Wのソーラーパネルを新規に設置した場合。導入前の月額電気代は14,000円、余剰電力の買取価格を1000Whあたり16円として試算)。

  • 同社試算では4人家族の場合、売電収益と節約分を合わせ月額15,500円ほどお得になるという

  • 「Anker Solix XJ」シリーズ紹介ページでは、導入にともなう料金をシミュレーションできるコンテンツも用意する

“ワンストップでの設置・導入”という販売方法も特徴の1つに挙げる。家庭用蓄電池は主に訪問販売で売られているといい、同社は従来の販売方法が対面契約や複数業者をまたいだ設置などにより、購入者のコミュニケーション負荷が高いことに着目した。

「Anker Solix XJ」シリーズではアンカー・ジャパンが販売に関する全ての窓口を担うことで、オンラインでの問い合わせ・見積りから設置工事日の調整までを、同社とのやり取りのみで完結できる。ユーザーとのコミュニケーションは電話、メール、LINEなどを使い、設置環境の確認はAnker認定パートナー工務店が実施。一部のAnkerストアでは実機展示も行い、今後全国のAnkerストアへ展示を拡大していく予定だ。

購入者へ向けては3種類の特典を用意する。1つはAnker公式オンラインストアで使える10万円分のクーポンコードの提供。2つ目は福利厚生サービスと、家電製品の故障時に修理費用を補償する特典がセットになった「Anker あんしんサポート」10年分の提供。3つ目は年会費1,980円のプレミアムサービス「Anker マイレージプログラム プライムパス」を10年間無料で使えるもの。

家庭用蓄電池事業の販売は日本のみの独自展開となる。本体価格は100万後半~300万円ほどを見込んでおり、これに工事費やソーラーパネル代等が上乗せされるイメージとなる。販売目標は非開示。ターゲットは戸建てを持っている全年代のユーザーだが、基本はファミリーを想定する。支払いは提携会社と組んだローン払いを想定し、同社の紹介ページでは項目を入力していくことで概算見積りを計算できる。

  • 「Anker Solix XJ」シリーズ導入までの流れ

  • 「Anker Solix XJ」シリーズのメリット・特徴のまとめ