分散型のソーシャルネットワーク・サービス「Bluesky」がユーザーを急増させている。17日からの2日間でユーザーが120万人以上増加し、18日に1200万人を突破した。Xがブロック機能の仕様やサービス利用規約を変更したことが要因とされ、一部のXユーザーがBlueskyに移行しているとみられている。

congratulations everyone, we have now passed 12 million people total on bluesky!!! 🦋 over 1.2M new people have joined bluesky in the last two days — welcome!! 💙🕺🪩

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— Bluesky (@bsky.app) 2024年10月18日 10:42

下は、Blueskyのジェイ・グラバー氏(CEO、共同創設者)が共有した、8月後半から約2カ月間のBlueskyのユーザー数の推移である。9月1日からの2日間と、10月17日からの2日間で数百万人規模の急増が発生し、この期間でユーザー数は600万人から倍増以上に達した。

9月1日からの急増は、ブラジルにおいてXがコンテンツおよびアカウントの削除要請を巡って司法当局と対立し、ブラジルの最高裁判所によってサービス停止を命じられた直後に起こった。そして今回の急増は、Xがブロック機能の仕様の変更をユーザーに通知し始めた直後であり、いずれもXのユーザーコミュニティで不満が広がった時期と一致している。

Xのブロック機能の変更は、ブロック後も、ブロックした人の公開投稿をブロックされた人が閲覧できるようにするというもの(リプライやリポスト、いいねといった投稿への関与はできない)。投稿を表示できる相手を制限したい場合は、アカウントを非公開設定にする必要がある。

この変更に対し、深刻な嫌がらせやつきまとい行為を防ぐためにブロック機能を使っているユーザーから戸惑いの声が上がっていた。Blueskyは、同社のXに「Blueskyでブロックすると、その人はあなたの投稿を見たり、あなたとやり取りできなくなります」と投稿し、オンラインにおける安全性を重視した機能をXユーザーにアピールしていた。

また、Xは利用規約とプライバシーポリシーを更新し、ユーザーがオプトアウトしない限り、XユーザーのデータをAIトレーニングに使用する場合があることを追加した。AIトレーニングのプライバシーへの影響の懸念が高まる中、この変更も個人のデータ保護と透明性を重視するBlueskyへの移行を加速させた可能性がある。

過去にはMetaのThreadsもXからの移行先として注目されていたが、Threadsは9月以降、モデレーション機能の問題を抱えており、これもBlueskyへの関心が高まっている要因となっている。