Playstation5、Xbox Series X|S、PC(Steam)向けに2025年内リリース予定のハードコアアクションRPG『The First Berserker: Khazan』は、老舗オンラインゲーム『アラド戦記』の世界観をベースとする完全新規タイトルだ。Neopleが開発、NEXON(ネクソン)が販売を担う。
『アラド戦記』とは異なるゲーム性で、3Dセルルックで描かれる高難度アクションがウリの本作が、2024年9月26日から9月29日まで幕張メッセで開催されている「東京ゲームショウ2024(TGS2024)」に出展。物語冒頭とボス戦2種、計3種類のモードを体験できる40席の試遊台が用意される。
今回、「TGS2024」に先駆けて先行プレイ体験の機会にあずかった。2時間の試遊でわかった本作の手触りは……しっかり、ハードコア! サクッと攻略してシステムの片鱗を掴むつもりが、手に汗握るバトルの連続であっという間に時間が溶けてしまった。そんなプレイレポと、あわせて「TGS2024」における出展の模様をお届けする。
3Dセルルックアニメが凄絶で美しい! 英雄カザンが復讐の旅路を生き抜く
主人公は『アラド戦記』における職種のひとつ「鬼剣士」の祖である英雄カザン。本作では『アラド戦記』世界の“IFストーリー”として、物語が展開される。
狂竜を打ち破り帝国を救った大将軍カザンは、謀反の濡れ衣を着せられ、自身が仕える帝国から追放されてしまう。ゲームは拷問を受けボロボロになったカザンが移送されている場面から始まった。移送中、雪崩に巻き込まれ、拘束から逃れたカザンは、謎めいた存在「ブレードファントム」に導かれ、冥界の力を手にする。そうして、死を免れたカザンの復讐劇が幕を開けた。
本作のプレイフィールを端的に言えば、ソウルライクな死にゲーアクションRPGだ。道を阻むためにいやらしく配置された敵、トラップが仕掛けられたフィールド、高難易度のボス戦……。同ジャンルに触れたことのあるプレイヤーであれば、大まかなシステムはすぐに把握でき、プレイに没頭できるだろう。
プレイヤーキャラクターであるカザンは、敵の撃破やドロップアイテムの使用で集められる「魂の涙(ラクリーマ)」を使って成長させられる。ただし、道中で死んでしまうと集めた「魂の涙」は死亡地点にドロップしてしまい、リスポーン地点からやり直し。落とした「魂の涙」は回収可能だが、回収するまでに再び死亡してしまうと、せっかく集めた「魂の涙」はロストしてしまう。うーん、ソウルライク。
特徴の1つは、同ジャンルには珍しいアニメ調のアートスタイルだ。日本のアニメにもインスピレーションを受けたという3Dセルルックアニメーションは、ダークな世界観を独特な形で表現している。
やりごたえバッチリなアクションはまさにハードコア
本作における最大の魅力は、なんといっても刺激的なアクション。スピーディな展開とクールなエフェクトが小気味いい一方で、敵の動きをしっかりと見極める硬派な攻略も求められる。
主人公には生命力(いわゆるHP)に加えて気力(いわゆるスタミナ)が設定されていて、攻撃・回避・防御など主要なアクションは気力を消費する。
通常攻撃はクイックアタックと強攻撃の2種類。クイックアタックは素早いモーションで気力の消費量が少ない代わりにダメージは低め。強攻撃は溜めも可能で、大ダメージを与えられる。
この2種の使い分けが重要。なぜなら、敵にもスタミナ値(敵の種類によって気力、または怪力の2種類がある模様)や強靭度が設定されていて、攻撃を当てるごとに気力を削ることができるから。強靭度が高い敵には、強攻撃を当てないと気力を削れない。気力を削りきれば「ブルータルアクション」で、大きな一撃を叩き込むことができるので、体力が多い敵には、先に気力を削り切るといった戦術も有効だ。
攻撃して回避して……せわしく動いていると気力はいくらあっても足りない。気力が尽きると攻撃や回避ができなくなる……だけでなく、気力が尽きた状態でさらに敵の攻撃を受けてしまうと、息切れを起こして一定時間(!)動けなくなってしまう。
ザコ敵レベルの一撃でもあなどれない本作。動けなければ、あっという間に窮地に追い込まれる。そのため、気力の管理がめちゃくちゃ重要だと感じた。気力が尽きるギリギリまで攻撃していると、反撃のワンパンチで行動不能、そのままタコ殴り、なんて惨事も……。
敵からのダメージが痛いゲームでは回避頼りになることも多いが、本作はガードのダメージカット効果が高く優秀。ただし、特にボス戦では、回避が難しい攻撃もあれば、ガードでは受けきれない攻撃もあり、使い分けが必要だった。
とはいえ、ガードも回避も気力を使うのに変わりない。守勢に回っていつまで経っても攻撃に使う気力が確保できない……という深刻な気力不足を解決するのがジャストガードだ。タイミングよくガードを成功させれば、気力へのダメージをほとんど抑えられる。失敗すればもちろんダメージを受けるが、コツを掴めばかなり有利に戦いを進められるため、やりがいのあるポイントになっている。
ここまでがアクションの基本。本作ではさらにスペシャルアタックという必殺技も用意されている。一瞬で距離を詰めて切り込む技や、体をスピンさせながら多段攻撃を叩き込む技など、強力な性能を持った切り札だ。
ただし、自由に使えるわけではなく「闘志」というゲージを消費する。闘志はプレイヤーの攻撃・防御・被ダメージなどのさまざまな場面で蓄積されていく。すぐに貯まるわけではないので、スペシャルアタックも使いどころを見極めたい。
なお、強い技を使うのはプレイヤーだけではない。ボスをはじめとする一部の強敵はバーストアタックというガード不能の危険攻撃を仕掛けてくる。バーストアタック発生直前にはアラートが表示されるため、タイミングよく回避行動を取る必要がある。
バーストアタックは回避以外にカウンターアタックでも対応できる。タイミングよく反撃できると「パーフェクトカウンター」となり、気力が全回復。まさにピンチはチャンスだ。
アクション全体の感触としては、モッサリよりはテキパキ動く。キャラクターを動かす気持ちよさと、シビアな駆け引きのバランスが絶妙に感じた。
最初にしては強すぎるボス「イエトゥガー」に挑戦
試遊モードの1つでは、本編冒頭のチュートリアルから最初のボス戦までを遊べる。冥界の力を得たカザンが帝国兵の捜索をかいくぐりながら、チュートリアルを兼ねて道を切り開いていく。
本作はオープンワールドではなく、決められたエリアを攻略する方式。道中には遠距離攻撃を仕掛けてくる弓兵や、攻撃を防ぐ盾兵などが待ち構えている。中継地点に辿り着くまでに回復手段は限られるため、なかなか油断できない。ときには集団戦もあり、処理する順番を考えるなどの攻略が求められる。
また、真正面から打ち合うだけではなく、ステルスキルのようなアクションも用意されていた。1つは敵に気付かれずに背後から攻撃する方法。気力を削り切るのと同様に赤い表示が出て、「ブルータルアクション」を決められる。もう1つは、落下時にタイミングよく敵を攻撃する方法だ。
序盤でプレイした範囲では、猿や大熊など、人型以外の敵も登場した。なかにはボスではないが、歯ごたえのある敵も。戦闘を避けることも可能だが、苦労に見合った報酬を得られることもありそうだ。自信があるなら挑戦してみるといいだろう。
道中には即死トラップもあった。トラップ前には予兆のような演出が見られたため、注意深く周囲を観察すれば避けることができたかもしれない。また、分かれ道もあり、行き止まりでもアイテムが配置されているなど、探索しがいのあるフィールドだ。
メインストーリー序盤では「イエトゥガー」戦まで体験できた。ボスらしく、一定ダメージを与えると攻撃パターンが変化する。氷雪を操る遠距離攻撃も仕掛けてくるなど、多彩なアクションでプレイヤーを苦しめる。
ただし回避やジャストガードなど、最適解で対応できればチャンスが生まれることも多く、押せる場面は気持ちよく押せる。でも、調子に乗ると、あっという間に死ぬ。高難度ではあるが敗因がわかりやすく、理不尽さを感じないため、何度でも挑戦したくなる。
ボスチャレンジの試遊モードでは、スキルを使った駆け引きも楽しめた
試遊ではボス戦のみを体験できるモードも用意されている。本編冒頭とは異なり、主人公の装備やスキル、アイテムがある程度そろった状態で、2種類のボスバトルを楽しめた。
まず挑戦したのは、ハンマーと釘を持ったトナカイ(ヤギ?)頭の怪物、「ボルバイノ」。ボルケーノのボルから取っているのだろうか、アツアツに熱した炎の釘でプレイヤーを襲う。
カザンはスペシャルスキルを持った状態でスタート。スペシャルスキルは大きく分けて攻撃用と防御用に分かれ、それぞれ3スロットずつショートカット設定できるようだ。試遊では攻撃系のスキルが3種、防御系のスキルが2種使用できた。
闘志を消費することで体力を回復できるアイテムもあった。体力回復手段は限られるため、スペシャルアタックを放つべきか、回復すべきかといったトレードオフの判断も求められる。気力に加えて、闘志ゲージやアイテム管理も加わり、駆け引きの幅が広がる。なお、時間内に倒すことはできなかった。
もう1つのボス戦は人型のボス「ランガス」。クロスボウ(バリスタ?)と斧を組み合わせた巨大な得物で襲いかかってくる。
重量級の見た目らしく地割れを起こしたり、大振りな攻撃を繰り出したりする一方で、フックショットを活かした立体機動やら火薬を活かしたブースト移動やらで、意外にも俊敏に動き回る強敵。もちろん、クロスボウによる遠距離攻撃も飛んでくる。等身は主人公と変わらないが、大型ボスと変わらない難しさだ。
このバトルでは、「ボルバイノ」戦とは異なるスペシャルスキルが確認できた。詳しい効果はわからなかったが、何かしらのステータス向上があるようだ。スペシャルスキルには攻撃や防御以外に、バフ系スキルもさまざまな種類があるのかもしれない。
ボス戦は敵も主人公もスピーディかつスタイリッシュなアクションで、爽快感がある。必殺技や敵の強靭度を削りきったあとに叩き込む大ダメージが気持ちいい。
一方で敵の攻撃パターンを見切る必要があるのはもちろん、ジャストガードや回避、カウンターなど、攻撃に合った適切な防御を見極める必要もあり、死にゲーとしてのやりごたえも十分に感じられた。
それなりに高難度アクションゲームを経験している筆者だが、時間内ではどのボスも倒しきることは叶わなかった。死んでも挑戦をやめられない中毒性があり、やりごたえはバッチリ。今後の続報が楽しみだ。
大型LEDにライブペインティング! 圧巻のビジュアルも見どころのTGSブース
TGS2024のブースでは、約30分の試遊を楽しめる。プレイ前には大まかなストーリー解説に加え、ボス戦を攻略する上でのコツを教えてくれる紹介動画もあり、初めてのプレイでも高難度アクションの醍醐味を楽しめるうれしい心遣いがあった。
また、試遊ブース内では壁画マンガ家 SHINN UCHIDAさんによるスペシャルライブペインティングも行われていた。“生”で制作を行うのはTGSでは史上初の試み! イベント開催中の4日間で、Khazanの世界観を表現するビジュアルを描き上げる。
筆者は開催初日、開場30分後にブースに駆け込んだため、イラストは「制作開始まもなく」といったところだったが、完成すればKhazanの世界を描いた一筆入魂の美麗ビジュアルがブースを彩るに違いない。
なお、10月11日から20日にかけてPS5、Xbox Series Xでクローズドβテストが予定されている。本作が気になる方はぜひ応募してみては。