今回はヨドバシカメラ マルチメディア横浜を訪ね、除湿機の売れ筋を取材しました。
同店で除湿機が売れ出すのは、例年5月ごろからとのこと。エアコンの割引キャンペーンが始まり、湿気が高まってくる時期になると売り場も盛り上がります。
そのなかで、今年は例年にない動きも見られるそうです。同店の柴田成行マネージャは「電気代の高騰が大きく影響しています。これまで、多機能モデルはハイブリッド式がよく売れましたが、今年は高温時でも消費電力が抑えられるコンプレッサー式がよく売れますね。そのうえで、部屋干しに強いなど多くのメリットを持つ機種が人気を集めています」と言います。
除湿機は、除湿の構造別におもに3つのタイプがあります。その特徴を踏まえて、直近の売れ筋トップ5を追いかけていきましょう。
<押さえておきたい除湿機のタイプ別特徴>
- 湿った空気を冷やして除湿する「コンプレッサー式」は、高温時に強くて消費電力が抑えめ。
- 乾燥剤フィルターで湿気を吸着する「デシカント式」は、季節を問わず使いやすい。
- コンプレッサー式とデシカント式の特徴を併せ持つのが「ハイブリッド式」。
※本文と写真で掲載している価格は、2024年6月19日14:00時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。
第1位:消臭とカビ抑制の信頼性大、シャープ「CV-S71」
除湿機は、リビング向けの大型タイプもありますが、数量が売れるのは寝室や衣類乾燥室などに向く8~9畳相当タイプが中心になるそうです。
そのなかで一番人気となっているのは、シャープの8畳相当のコンプレッサー式モデル「CV-S71」でした。取材時の価格は36,440円。「プラズマクラスター7000」搭載モデルで、除湿と除菌が同時にこなせます。
「プラズマクラスターの信頼性が非常に大きいですね。消臭効果があるので部屋干しでも安心できる、というところが大きいと思います」
第2位:4Lタンクを備えて割安な「JS-E955W」
2位で追いかけるのは、ツインバードの8畳相当コンプレッサー式モデル「JS-E955W」です。4Lまでためられるタンクを備え、取材時の価格は25,800円でした。
「タンクが前開きになっているので、本体を置いたまま排水できます。大容量なうえにコンパクト、排水の手間もかからないということで、1位に拮抗する人気を誇っています」
第3位:衣類乾燥向きの横長モデル「YDC-G120」
続く3位は、山善の「衣類乾燥除湿機 YDC-G120」です。木造13畳相当のパワーを備えるコンプレッサー式で、取材時の価格は21,780円でした。
「衣類の下に置いて乾かす横長タイプですね。短期間で部屋干しできて、価格的にも買いやすいということで、安定して売れています」
同率4位:ハイブリッド式で唯一のランクイン「F-YHX90B」
同率4位に入ったのは、パナソニックの8畳相当ハイブリッド式モデル「F-YHX90B」。3位の「YDC-G120」と同じく横長タイプで、ナノイーXによる除菌機能を備えています。取材時の価格は60,390円でした。
「同社の除湿機は2023年のリコール問題の影響から、ブランド全体で売れ行きが落ちていますね。そのようななかでも、ナノイーXによる除菌機能を求める人もいらっしゃいます。やはり除菌消臭機能は強いですね」
同率4位:サーキュレーター一体型の「CDSC-H8024X」
もうひとつの同率4位は、コロナの9畳相当コンプレッサー式モデル「CDSC-H8024X」でした。上部に備えるサーキュレーターを取り外して、個別に稼働できるのがポイントです。取材時の価格は49,800円でした。
「エアコンがないお部屋でも、柔軟に空気の流れを作って快適にできるということで、これも指名買いされることが多いですね」
はみ出し情報…夏場でもデシカント式に一定の需要あり
除湿機の3タイプのうち、デシカント式は部屋の温度を上げる効果があるため、冬場によく売れるタイプといえます。しかし、この時期でもデシカント式を探しに来店する人もいるとか。
「衣類乾燥専用の部屋を作って、優しく乾燥させたいという人もいらっしゃいますね。ドライルームみたいな感じでしょうか。売れ行き的には目立ちにくいですが、季節を問わず求める方がいらっしゃるので、売り場にもしっかり置いていますよ」