メールやカレンダーなどクラウドと連携する機能/サービスは、ひんぱんにデータを取り寄せる処理を行います。その方式は「プッシュ」と「フェッチ」の2種類に大別でき、「設定」→「メール(またはカレンダーなど)」→「アカウント」→「データの取得方法」画面で設定できます。

ここでいうプッシュとは、クラウド(インターネット上のサーバ)からリアルタイムに通知を受けるしくみをいいます。iCloudメールはクラウド(IMAPサーバ)で新規のメールを受信すると、即座にiPhoneへ通知しデータの同期を行います。

一方のフェッチは、iPhone側からクラウドへ問い合わせを行います。5分、10分などあらかじめ問い合わせ間隔を決めたうえで問い合わせを行うため、リアルタイムに最新情報を知ることはできませんが、クラウド側とiPhone側両方の負荷が減り、ひいてはバッテリー消費量を抑えられます。

もっとも、あらゆるサービスがプッシュに対応しているわけではありません。つねに情報をリアルタイムで知りたいのであれば、最良のデータ取得方法はプッシュですが、iOS 17の現在「データの取得方法」画面でプッシュを選択できるサービスはiCloudメールのみとなっています。

バッテリー消費量を抑制するという観点からは、フェッチのほうが有利なものの、iCloudメールをフェッチに切り替えるとせっかくの速報性/リアルタイム性が失われてしまいます。メリットよりデメリットのほうが大きいといえるでしょう。

なお、フェッチしか対応しないサービスであっても、「データの取得方法」画面のフェッチ欄で「自動」を選択しておけば、目的のアプリを起動する、メッセージを送受信するなど適切なタイミングでデータの取得が行われます。カレンダーやメモなど、メールほど速報性が必要ないサービスはフェッチでじゅうぶん役立ちますよ。

  • 「プッシュ」と「フェッチ」の違いとは