三菱電機は1月26日に、中だけひろびろ大容量の冷蔵庫「MZシリーズ」2024年モデルを発売します。同社の冷蔵庫としてプレミアムモデルに位置付けられるMZシリーズの新モデルは、デザインが一新されたほか、「冷蔵庫内を整理整頓しやすい」機能をいくつか搭載しました。

新モデルのラインナップは、定格内容積が602LのMR-MZ60K、540LのMR-MZ54K、485LのMR-MZ49Kの3モデルです。いずれも価格はオープンで、推定市場価格はMR-MZ60Kが484,000円前後、MR-MZ54Kが451,000円前後、MR-MZ49Kが429,000円前後になります。今回、三菱電機の冷蔵庫を生産している静岡製作所にて、新モデルの発表会が開催されました。

  • 602LモデルのMR-MZ60K。全モデル共通のカラーとして、グランドリネンホワイト、グランドアンバーグレー、グランドクレイベージュの3色を用意しています

    602LモデルのMR-MZ60K。全モデル共通のカラーとして、グランドリネンホワイト、グランドアンバーグレー、グランドクレイベージュの3色を用意しています

どこが新しくなった? MZシリーズの新モデル

新モデルの一番大きな変化はデザイン。2023年モデルは扉部が磨りガラスのようなマット調でしたが、新MZシリーズは透明なガラスをはめ込んだ奥行きのあるデザインになりました。ガラス内側にはランダムな凹凸素材を配置し、三菱電機はこれを「バイオフィリックデザイン(自然を感じるデザイン)」と呼んでいます。本体カラーも、麻布をイメージしたグランドリネンホワイト、粘土をイメージしたグランドクレイベージュ、琥珀をイメージしたグランドアンバーグレーと、自然を連想させる色になりました。

  • 部屋になじむ存在を目指した新デザイン。写真はグランドアンバーグレーのMR-MZ54Kとマイナビニュース +Digitalの林編集長

  • ガラスの下にランダムな凹凸のある素材を配置し、ガラス特有の無機質さをやわらげています

このほか新しく、用途に合わせて自由な使い方ができる専用ボックス「思うまま整理セット」が付属しました。たとえば、調味料やバターにジャム、ヨーグルトといった朝食セットひとまとめに整理(収納)しておき、サッと食卓に出せます。

100円ショップで売っているカゴなどを利用して冷蔵庫の中を整理している人もいると思いますが、「思うまま整理セット」は純正品ということで、庫内のいろいろな場所にぴったり収まります。ちょっと残念なのは、付属の1セットだけで買い増しができないこと(破損時は保守部品として取り寄せることは可能)。ただし今後は、ニーズを見ながらオプション品として用意することも検討していくそうです。

  • 小物を整理できる「思うまま整理セット」は、3つのパーツで構成。「思うままフリーケース(大)」と「思うままフリーケース(小)」、そして各ケースにセットして使う「思うままストッパー」が1個ずつ付属します

  • 「思うままフリーケース(大)」は、製氷室以外のどこにでもピッタリ収納。なんと、ドアポケットのように扉にセットすることも可能です

MZシリーズはIoT機能を搭載した冷蔵庫。2023年モデルから、庫内の整理整頓やお手入れのタイミングを知らせる「A.I.予報」を搭載していました。新モデルではイラストを使って声かけをするなど、ユーザーのヤル気を引き出す通知が追加されました。

  • 新搭載の声かけ画面。MZシリーズは扉や引き出しごとに開閉時間を計測して、「それぞれの庫内が整理されているか」を判断しています

見えない部分が実はスゴい!? 三菱の冷蔵庫ならではの魅力

2024年モデルのMZシリーズはデザインこそ割と大きく変わったものの、機能面は2023年モデルからそれほど変化していません。MZシリーズはもともと、プレミアム冷蔵庫ならではの魅力が満載なのです。なかでも注目したいのは、薄型断熱構造「SMART CUBE」、「全室独立」仕様、そして「切れちゃう瞬冷凍」です。

まず薄型断熱構造「SMART CUBE」は、三菱独自の「薄い部分にも断熱材(ウレタン)をムラなく行き渡らせる技術」を使った断熱構造のこと。高機能冷蔵庫は真空断熱材と発泡素材ウレタンという2層で断熱していますが、ウレタンを均一に発泡充填させるにはそれなりの厚みが必要でした。

2022年モデルから採用された「SMART CUBE」は、発泡ウレタンの元となる原液の配合などを工夫することで、狭い隙間にも均一にウレタンを充填する技術です。これにより、従来は厚さが42mmあった断熱材を26mmまで薄くできるように。600Lモデルなら、外観サイズはそのままで庫内容量が30Lほどアップしています。「設置スペースは限られているけど、できるだけ大容量の冷蔵庫が欲しい」というユーザーにありがたい技術です。

  • SMART CUBEのウレタン充填をしている三菱電機の静岡製作所を見学。残念ながらウレタンの充填工程は非公開でしたが、ダイナミックな外箱成型ラインなどを見学できました。写真は内箱や熱交換器などをセットする総合組み立てラインの様子。市場の需要を考えて柔軟に対応するため、この組み立てラインでは異なるモデルの冷蔵庫が次々と流れるミックス生産方式を採用しています

  • 作業員の目の前には冷蔵庫の外箱、後ろにはその冷蔵庫に対応する部品が同時に流れる「キッティングハンガー」と呼ばれる仕組み。部品はバーコードで管理され、異なるモデルの冷蔵庫を組み立てていても部品を取り違える心配はありません

  • 冷媒封入後の最終通電試験。一部の抜き出し試験ではなく、生産した冷蔵庫すべてを通電して検査しています

続いて「全室独立」とは、メインの冷蔵室、製氷室、野菜室、冷凍室など、すべての部屋が独立した構造であるということ。個別の部屋ごとに冷気を循環させるため、扉の開閉による温度上昇をその部屋のみにとどめられます。

さらに、部屋ごとに温度センサーや扉開閉センサーを備えており、各部屋を個別で最適に運転できるので省エネです。別の部屋の食材に対して、ニオイ移りの心配がないのもメリットです。

  • MZシリーズは「全室独立 おまかせAI」機能を搭載。AIが「この扉が長く開いているからしっかり冷やそう」「この時間帯はあまり冷蔵庫を使わないから省エネ運転しよう」などと、家庭の生活を学習して賢く運転してくれます

冷凍機能で家事が楽に?

三菱の高機能冷蔵庫は、充実した冷凍機能にも定評があります。MZシリーズも通常の冷凍室のほか、食材が硬くならない氷点下の温度で保存する「氷点下ストッカー」、食材をサクッと切れる硬さで冷凍する「切れちゃう瞬冷凍A.I.」という冷凍技術を搭載。三菱ならでは「切れちゃう瞬冷凍」に注目です。

  • MZシリーズは「カチカチに冷凍しない保存方法」の選択肢もいろいろ。写真は8日間保存したミンチ肉の違い。左から冷蔵庫に入れたもの、チルド室に入れたもの、氷点下ストッカーに入れたもの

  • 右側にある小さな引き出しが「切れちゃう瞬冷凍A.I.」の部屋

「切れちゃう瞬冷凍」は約-7℃で食材を凍らせますが、凍らせ方に特徴があります。ゆっくり静かに冷やすことで、食材を「過冷却」という状態にするのです。

たとえば、水をゆっくり冷やすと0℃より温度が低くなっても液体のままで硬くなりませんが、この状態の液体に刺激を与えると一気に凍りつきます。これが過冷却の状態です。過冷却させた食材は通常の冷凍保存より細胞を壊しにくいため、美味しく保存できるという原理。

このほか、
・解凍なしで食材をサクッと切れる
・解凍なしでカレーなどをスプーンですくえる
・カット野菜などをパラパラに冷凍できる
といったメリットがあります。

まとめ買いしたときの小分けが必要ないうえ、調理前にいちいち解凍する手間もなく時短にピッタリです。今回の発表会では、この瞬冷凍を使った時短調理のデモンストレーションも行われました。

  • 人気レシピサイト「Nadia」のNadia Artist、西岡麻央さんが瞬冷凍を使った調理をデモンストレーションしてくれました。料理は、冷凍の鶏モモと冷凍野菜を使ったフライパン丸ごとグラタン

  • 瞬冷凍から出したばかりの鶏モモ肉をザクザクと一口大にカット。瞬冷凍ならではの時短処理。包丁で切れる硬さで凍っています

  • 瞬冷凍で冷凍した野菜も、保存袋からザラザラと投入。普通の冷凍だと野菜同士が水分で塊になってしまいますが、瞬冷凍だと袋を軽く揉むだけでバラバラになります

  • 「フライパン丸ごとグラタン」は、三菱電機のビルトイン型IHクッキングヒーターで調理。グリル部分に電子レンジ機能を持たせた「レンジグリルIH」シリーズです

解凍の必要がないうえ、野菜はカットした状態で瞬冷凍しているのでアッという間に調理が終了。「冷蔵庫を変えるだけで調理時間を節約できる」ことがよくわかるデモンストレーションでした。冷蔵庫は頻繁に買い換える家電ではありませんが、次の買い換え時には「家事時短」も視野にいれてチェックしてみてはいかがでしょうか?