1968年から続く、セイコーの機械式時計ブランド「セイコー5スポーツ」。その55年にもおよぶ歴史や背景、人気モデルの数々など「セイコー 5スポーツ」を紹介する展示会「Find 5 Styles ~自分だけのスタイルを見つけよう~」が7月7日から開催されている。会期は9月24日まで。会場は東京都のJR原宿駅近く「Seiko Seed」で入場は無料。その「ほんの入り口」をご紹介しよう。

セイコー 5スポーツとは

  • セイコー 5スポーツ初代モデル

本題に入る前に、まず展示会のテーマであるセイコー 5スポーツについて簡単にまとめておこう。

冒頭の通り、セイコー 5スポーツは1968年に誕生した機械式時計のブランドだ。「自動巻」「防水」「3時位置のデイデイトカレンダー」「4時位置りゅうず」そして「耐久性に優れたケースとバンド」という5つの特徴を持っていた。また、時代のセンスを採り入れたオシャレで豊富なデザイン、手ごろな価格設定など存在感を発揮。海外にも母国日本に負けず劣らずの熱いファンを持つ。

2019年には「Show Your Style」「Sports、Suits、Specialist、Street、Sence」という5つのスタイルを新コンセプトにリニューアル。現代的な感覚と高い質感を身に着けたウォッチブランドへと進化した。

今回の展示ではその足跡をたどりつつ、セイコー 5スポーツの歴史と密接に結びついた昭和から現代への時代的な雰囲気も見どころだ。

  • 会場のSeiko Seed Harajuku

大量のセイコー 5スポーツに囲まれる体験!

会場に入ると、大きなインスタレーションが目に飛び込んでくる。イラストは今回の展示の総合的なビジュアルイメージを手がけた、イラストレーターユニット「Stomachache.」(ストマックエイク)によるもの。ポップでちょっとレトロなピクトグラム的なイラストは、セイコー5スポーツらしさにマッチしている。

ここはフォトスペースにもなっており、SNSへの投稿などにもどんどん使って欲しいとのこと。会場内も写真撮影はOK。ただし、展示物には基本的に触れない(一部展示を除く)のでご注意を。

  • イラストレーターユニット「Stomachache.」(ストマックエイク)によるイラストは、ポップでどこか懐かしい

  • インスタレーションと一緒に写真を撮ってSNSにアップしよう! モデルはマイナビニュースのS氏(ついにデビュー)

会場内は、セイコー 5スポーツ 55周年、そして5つのスタイルにちなみ、以下の5エリアに分かれている。

■ Exploration Area(エクスプロレーションエリア)

スタートは、壁に空いた複数の穴をセイコー 5スポーツの世界を探検するようにのぞいていくエリアから。のぞき穴は目で見るだけでなく、スマホで(中を)撮影するものも。

  • 壁に空けられた無数の穴をのぞき込むと……

  • 穴にはのぞく順番があるもよう。まずは「START!」から

  • 穴によってはスマホで撮影するものも。ここで何を撮影したかが、以降の見学に影響するとかしないとか

■ Locker Area(ロッカーエリア)

ロッカーの扉を開けると、中には人気コラボレーションモデルの世界観を物語るアイテムやディスプレイが! ひとつひとつ、自分の手で開けていくのが楽しい(ロッカー内の展示物には触れません)。

  • ここで紹介しているロッカーはあくまで一部。すべてのロッカーの中身は、ぜひご自分の手で!(日によって開かない扉もあります)

  • 中心に置かれた仮面ライダーコラボモデル「SBSA207」のディスプレイ。周囲のグッズはすべてある開発者の私物だ。そして! すべていわゆる「桜島1号」であることに注目。さすが、わかっていらっしゃる! (SBSA207のダイヤルも桜島カラー)

  • デザイナーが「緑色」に徹底してこだわったという、ホンダ スーパーカブとのコラボモデル「SBSA181

■ SKX145 Area

2019年以降にリリースされたセイコー 5スポーツ(145モデル)を一挙展示! 瞬殺だった幻の人気モデルも、心行くまで眺められる。ちなみに、あるセイコースタッフは「ここで寝たいほど幸せな空間」と語ったとか。

  • セイコーが海外で長く販売していたダイバーズウオッチの型番に由来する「SKX」シリーズ(145本)がずらり!

  • 触ることこそできないが、写真撮影はOK!

  • 貴重なモデルの実機を直接目にできるのはうれしい。これは『鬼滅の刃』コラボレーションの煉獄杏寿郎モデル

■ History Area(ヒストリーエリア)

引き出し型のショーケースを、思い思いに引き出してみよう。ケースには、セイコー 5スポーツ発売当時からの貴重なリファレンスや資料が収められている。

  • 貴重な資料の数々を引き出し式のケースに収納

  • 引き出しを開けた状態。これは発売当時のカタログと初期モデル

  • デザイナーによる新シリーズのスケッチやケースのパーツ

  • 社内プレゼンなどにはスケッチに加え、3Dプリンターで作成したモックアップなども使用するという(それも展示希望!)

  • 懐かしいスタイルのメタルブレスレット

  • 1970年代に作られた販売促進用のシャツ。こんなに良好な保存状態で残っていることに驚き!

  • リニューアル後に誕生したSKXシリーズのバリエーション。一番下はなんとレディースウオッチ

  • 世界各国の国旗をイメージしたテキスタイルストラップ

■ Fitting Area(フィッティングエリア)

会場展示で見えてきた自分の好みやスタイルに合わせたセイコー 5スポーツ(現行モデル)を、実際に装着できるエリア。ここで購入はできないが、装着感や質感、ファッションとのマッチングを確認してみよう。

  • 試着可能なSKXデザインのモデル。このダイバー風デザインをストリートモデルとしたのはセイコー 5スポーツの発明といえる

  • 人気のオールブラックモデル。ダイバーズウオッチでは最優先とされる視認性を二の次にしてしまうアイロニー(皮肉)もまた、ストリートウオッチたるセイコー 5スポーツのスピリッツだったりする

  • コンパクトケースとミニマルデザインが魅力のフィールドデザインモデルも、もちろん試着可能

  • そのデザインを現代風に復刻した限定品

  • 幻の人気モデルも、ここなら試着できる!

ほかにも、会期中はセイコーのウオッチデザイナーと一緒に腕時計のパーツや構成を学びながらダイヤルとストラップをデザインし、腕時計モチーフのオリジナルブレスレットを作れる無料ワークショップなどを開催予定(詳しくは特設サイトを参照)。会場でアンケートに答えると特製ステッカーがプレゼントされる。

  • 会場でアンケートに答えると、セイコー 5スポーツの特製ステッカーをプレゼント!(なくなりしだい終了する可能性あり)

各エリアの展示を回って感じたのは、セイコー 5スポーツがユーザーのライフスタイルを表現する日本初の腕時計だったということ。と同時に、メーカー(セイコー)社員の方々にこれほど愛され続けているブランドも珍しいということだった。

自分にとって愛着のある時計がメーカー自身にもこれほど愛されているなんて、何だかうれしくなってしまう。新旧シリーズを問わず、セイコー 5スポーツのユーザー、あるいはかつてユーザーだった皆さんは特に、ぜひこの展示会へと足を運んでみてほしい。