TCLジャパンエレクトロニクスは7月5日、国内市場における製品展開の説明会を都内でメディア向けに開催。98型のQDミニLEDテレビ「C955」を98万円で7月20日に予約受付開始することを明らかにした。会場には、サッカー日本代表で、同社アンバサダーも務める堂安律選手も駆けつけた。

  • TCLジャパンエレクトロニクスの張濟鵬(チョウサイホウ)社長(左)、堂安律選手(右)

  • 98型QDミニLEDテレビ「C955」98万円で7月20日予約受付開始

C955の仕様面の詳細は明らかにしていないが、チューナーレス仕様であることや、フルアレイローカルディミング採用でHDR対応、画面の明るさが2,000ニトであることを公表しており、同製品にはオンキヨーが関わっていることも示唆。発表会の中では、98型のC955について堂安選手から「いやぁデカすぎますね」という率直な感想も飛び出した。

  • サッカー日本代表で、同社アンバサダーも務める堂安律選手

TCLジャパンエレクトロニクスの張濟鵬(チョウサイホウ)社長は、サッカー日本代表の堂安選手を2023年のブランドアンバサダーに起用し、契約を締結したことについて改めて紹介。堂安選手は世界的にも有名なプロサッカー選手であり、常に頂点を目指して挑戦し続け、サッカー技術を向上させていることは、TCLのスローガンである「INSPIRE GREETNESS」に非常にマッチしているとし、「堂安選手を仲間に加え、TCLはより良く、より早い発展を遂げることができると信じている」と述べた。

  • (左から)量子ドット採用の「C645」シリーズ、スタンダード液晶の「P745」シリーズ

TCLのグローバル市場の現状・日本市場と今後について

現在、TCLは世界160カ国以上の国・地域で製品を展開しており、アメリカ、フィリピン、オーストラリア、ヨーロッパといった主要市場においては顕著に成長しているという。特に、98型テレビにおいては世界シェア1位を継続的に獲得しているとアピール(市場調査機関OMDIA調べ、「GLOBAL TV sets report 2022」より)。テレビの販売台数では世界第2位、Google TV部門においては世界第1位を達成したという。

こうした成長の理由について、TCLジャパンエレクトロニクスの張社長は、TCLが世界第2位というパネル工場「COST」を持っており、テレビの基幹部品であるパネルなどの生産から組み立てまでを自社で行える“バーティカル・インダストリーチェーン”を持っているためだと説明。さらに同社はR&D投資と次世代製品開発に常に注力していることや、43のグローバル・テクノロジー・センターを有し、そのうちのひとつが日本国内にあること、そして91,053件の特許を取得していることなどを明らかにした。

日本のテレビ市場については、張社長は「急速な縮小傾向にある」と認めつつも、TCLの市場シェアが急速に伸びてきており、「過去3年間において日本で最も急成長しているテレビプランド」であると強調。前四半期にTCLの市場シェアが12%に達し、日本市場で第4位のテレビブランド、第1位の輸入テレビブランドになったとアピールした。

TCLは2019年にスマートテレビを発表し、その後4Kチューナー搭載機や、QLEDテレビやミニLEDテレビを投入。2023年にはミニLED採用でゲームに特化した144Hzゲーミングテレビをラインナップに加え、3シリーズ12機種を5月18日から順次発売している。

なお、張社長は今後の展開戦路にも触れ、テレビだけではなくサウンドバーや冷蔵庫、イヤホンをグローバル市場で投入。「近い将来には洗濯機やエアコンなどの家電製品の日本市場参入も検討している」とした。

  • グローバル市場で投入しているサウンドバー製品

  • 発表会会場では白物家電も披露していた