Razerは6月14日に2023年モデルの「Blade 14」を発表したが、これにはRyzen 7940 HSシリーズプロセッサが搭載される。そこでAMDとRazerが共同で説明会を行ったので、この内容をご紹介したい。

Razerは従来、Ryzen 9 6900HXを搭載した2022年モデルのBlade 14を発表していた。名前の通り14 inchのGaming Notebookで、Ryzen 6900 HXにGeForce RTX 3080 Tiを組み合わせた構成。メモリはオンボード固定でDDR5-4800 16GB、2560×1440pixel@165Hzのパネルという構成で、外寸は319.7mm×220mm×16.8mm、重量1.78Kg(3.92lbs)とされていた。

今回発表された製品は、プロセッサをRyzen 9 7940HXに、GPUをGeForce RTX 4060ないし4070にそれぞれ更新(Photo01)。またProcessor Powerを最大140W(従来は100W)に増加しており、それもあって昨年モデルと比較して確実にゲームのフレームレートも向上している(Photo02)。液晶パネルは16:10に変更され、リフレッシュレートも最大240Hzに向上、また輝度もs最大500NITSに向上した(Photo03)。

  • Photo01: TGPは100Wから140Wに増えたとされるが、33% More Powerの数字はどこから出て来たのだろう?

  • Photo02: 解像度1440p、描画品質最高、DLSS/Ray Tracing Offでの数字なので、例えばDLSSを有効にするだけでもう少しフレームレートは向上するだろう。

  • Razer、「Ryzen 9 7940HS」を搭載した「Blade 14」を発表 - 14型ゲーミングノートPC

    Photo03: なので解像度は2560×1600pixelになる。

また2023年モデルではDDR5-5600に対応したSO-DIMMスロットが2つ搭載され、最大64GBまでメモリを拡張する事が可能になった(Photo04)。その他は概ね2022年モデルの仕様を引き継いでいる格好だ。ちなみに機能強化の結果として310mm×228mm×17.9mm、1.84Kg(4.05lbs)と2022年モデルと比較して微妙に大型化/重量増となっている(Photo05)。

  • Photo04: これが問題(16GBには人権が無い、というユーザーも少なくなかった)とされる事も多かったから、64GBまで拡張可能になったのは喜ばしい。

  • Photo05: 仕様一覧。ちなみに日本での価格は当然まだ未公開。

ちなみにこの2023年モデルBlade 14、6月14日に予約開始、出荷は6月20日となっている。

ところでここまではBlade 14の話であったが、ちょっとだけRyzen 7040についてもUpdateを。今年1月のCESでの発表でも記したように、Ryzen 7040シリーズは初めてRyzen AIを搭載したプロセッサである。このRyzen AIというかXDNA、元はVersal ACAPのAI Engineをベースにしているという話は以前紹介した通り。それもあってソフトウェアはVitis AIを利用して開発する形になる訳であるが、既にMicrosoftのWindows 11でこれを利用可能になっていることが今回紹介された(Photo06~08)。ソフトウェアスタックも充実化が図られており、PyTorchでの利用の他、XDNAのフルスタックが提供される様になり、またWinMLでの利用も可能になったことでより広範なソフトウェアの対応が進んでいるとする(Photo09)。IntelのMeteor Lakeに先駆けて実装されたRyzen AIだが、今のところ対応機種はRyzen 7040シリーズに限られる(Ryzen Zシリーズは未対応)のがちょっと残念なところで、より広範に搭載される次世代CPUの早期投入が待たれるところだ。

  • Photo06: AI機能未使用でのノート内蔵カメラの映像。

  • Photo07: 同じ映像をAI機能を利用して補正した例。

  • Photo08: Windows 11の内蔵カメラの設定。これらはRyzen AIがあると有効化される。

  • Photo09: 余談だが、「Ryzen AIを使えばXeSSが利用できるようになる?」と確認したところ、技術的には可能との事。なので、WinMLに対応しないGPU(Radeon RX 5000シリーズ以前とかGeForceシリーズとか)を組み合わせても原理的にはXeSSが利用できる「らしい」(この辺はゲーム側の対応次第な気もするが)。