「まだ使える」と思っていたiPhoneのバッテリー残量が、思っていたより減っていて焦ったことはありませんか? 日ごろiPhone 12 miniを愛用している筆者も、お昼を過ぎると残り50%近くまで減っていることもあり、「家に帰り着くまでもつかな……」とだんだん心配になってきます。

  • 筆者が愛用しているiPhone 12 mini (PRODUCT) RED

ある程度使い続けていれば、スマートフォンのバッテリーは劣化していくもの。どのアプリが余分に電力を浪費しているのか確認して各種設定を見直したり、ムダ遣いしないよう使い方を改めたり、といった対処方法はいくつかありますが、それでもいつかは購入時のバッテリーパフォーマンスを出しきれなくなります。

バッテリー以外に特に問題がなく、新しい機種に変更するつもりもないのであれば、お店に持ち込んでバッテリーを交換してもらうのがベストです。今回、ちょっとバッテリーが弱ってきたiPhone 12 miniを「Apple 銀座」に持ち込んでみたので、交換までの手順も含めて流れをご紹介します。

バッテリ交換の目安は「元の容量の80%以下」。9割あるけど交換したい理由

  • iPhone 12 miniは、バッテリー容量が元々少ない

iPhone購入時に「AppleCare+ for iPhone」に加入している人は、バッテリーが本来の容量の80%を切っている場合、無償交換してもらえます。そうでない(保証対象外の)場合は有料で交換を依頼することになりますが、1月に発表があったとおり、Appleは保証対象外のバッテリー交換サービスについて、2023年3月1日以降に値上げすることを決定しています。

値上げ幅は、iPhone 14より前の全機種で一律3,000円。iPhone 12 miniであれば、2月28日までは9,800円だったのが、12,800円まで跳ね上がってしまいます。それでも最近のiPhoneの本体価格と比べるとはるかに安いですが……。

筆者のiPhone 12 miniのバッテリー容量は、2月初旬の時点で94%。「80%以上あれば無理にバッテリーを交換しなくていい」という話もありますが、12 miniのバッテリー容量は2,227mAhと少なめであることが分かっているので、交換前の時点では単純計算であと約2,093mAhしかなく、第3世代のiPhone SE(2,018mAh)に近いレベルまで減っていることになります。そして12シリーズはFace IDなどSEよりも電力を消費しそうな機能をたくさん備えているので、結構減りが早いのも困りもの(便利ですが)。

もともとコンパクトなスマホを愛好する人間なので、バッテリー容量が少ないことも承知の上で、iPhone 12 miniを手に入れたという経緯があります。いずれ劣化が進むとしてもこのiPhoneは使い続けていきたい。でもどうせ一度は交換することになるのだから、値上げ前に思い切ってお願いしてみよう! ということで、オンラインからバッテリー交換サービスを申し込みました。

  • iOS用の「サポート」アプリで容量チェックすると、この時点で94%だった

Apple Storeへの持ち込み修理を申し込む

iPhoneのバッテリー交換申し込みは、全国各地のApple Storeのほか、正規サービスプロバイダや各通信キャリアのショップなどで受け付けてくれます。筆者は、信頼できて短時間(即日)での対応も期待できそうな、Apple Storeへの持ち込み修理を選びました。今回申し込んだときは、日時の都合がもっとも付きやすい空き枠がApple 銀座にあったので、そこにしました(本当はもうちょっと自宅に近いApple 丸の内がよかった)。

申し込みはAppleのバッテリーサービスページのほか、メッセージAppによるチャットや電話で直接店舗に申し込むこともできます。

Appleが提供している、iOS用の「サポート」アプリからも予約できますが、iPhoneのバッテリー容量が本来の80%を切っていない場合は要注意。バッテリーチェックが行われた後、「パフォーマンスは正常です」といわれて予約ページまでたどり着けないので、若干戸惑いました。PCのWebブラウザが使えるのであれば、そちらから申し込んだほうが動線がわかりやすく、確実です。

  • バッテリー交換を申し込んでいる間に、容量がさらに1%減って93%に。正直ゾッとした

Apple 銀座へGO! 即日修理できて満足いく結果に

無事申し込みが済んだので、指定された日時にApple 銀座まで赴きました。

これまでApple 銀座は銀座3丁目のサヱグサ本館ビルに入っていましたが、建て替え工事に伴って2022年8月30日から新橋寄りの銀座8丁目に移動しています。おなじみのシルバーの外装にリンゴマークを配したデザインは見られなくなりましたが、ガラス張りになった新しいApple 銀座も新鮮で良いものです。

  • 新橋寄りの銀座8丁目に移動した、新しい「Apple 銀座」に行ってきた

3階の「Genius Bar」へ上がり、係員に用向きを伝えてしばらく待つと、担当者が現れました。あとは有料でのバッテリー交換を希望することを改めて口頭で伝え、いくつか確認事項のやりとりを行うと、交換費用などを明記したサービス見積書がApple IDに紐付けているメールアドレスに発行されます。データのバックアップや、「探す」機能をオフにするといった準備作業をサクッと終わらせたら、あとは担当者にiPhoneを預けていったん終了です(バックアップは毎日自動で実行させておくと、出先でも短時間で終わります)。

Apple 銀座はいつも来店者で混んでいる印象があり、この日もまさにそうでしたが、今回は午前中の枠だったこともあってか、バッテリー交換作業は即日完了。地下1階の製品受け取りエリアでしばらく待たされましたが、修理に出してから1時間半ほどで手元にiPhoneが戻ってきました。確認事項のやりとりや待ち時間なども含めると、来店してから全体で2時間強ほどかかった計算です。

肝心のバッテリー容量については新品と変わらない「100%」表示になり、バッテリー持ちも改善されて満足いく結果となりました。iPhoneのminiシリーズが15で復活したり、より魅力的な小型機が登場することさえなければ、これであと2年は戦えそうです。もちろん支払いも9,800円で済みました。

  • バッテリー容量は新品と変わらない「100%」表示に戻った

なお、バッテリー交換時にはiPhoneを分解することになるため、画面と背面に貼り付けた保護フィルムは剥がされて捨てられる場合があることを、事前に同意しなければなりません。ただ、今回筆者のiPhoneの作業を担当したスタッフは腕利きだったのか、どちらも剥がされずに残っていました。保護フィルムは戻ってきたらラッキー、くらいで構えていたので、これはうれしい誤算です。

今回はAppleの新製品が発売された直後や繁忙期などではなく、比較的落ち着いたタイミングでバッテリー交換を依頼できたのでスムーズに事が運びましたが、iPhoneの状態やストアの状況によっては、もう少し日数をとられたり追加の工程が発生する可能性もあります。ともあれ、この記事が一連の流れを知る一助になれば幸いです。iPhoneのバッテリー交換について、もう少し詳しいことをまとめた記事も注目を集めていますので、こちらもぜひ参考にしてください。