東京大学(東大)は1月26日、複数の企業との連係により、EVの走行中給電を実現する技術として、もっとも地面(送電コイル)に近いタイヤ内に受電コイルを設けて給電し、さらに車体に給電する「タイヤ内給電システム」の開発に成功したことを発表した。

同成果は、東大大学院 新領域創成科学研究科の藤本博志教授、同・清水修特任講師を中心に、デンソー、日本精工、ブリヂストン、ロームが参加した「SDGsを実現するモビリティ技術のオープンイノベーション」社会連携講座によるもの。2023年2月3日に行われる自動車技術会電気動力技術部門委員会主催のシンポジウム併催展示会にて、今回開発されたシステムなどが展示される予定だという。

環境問題の観点から、自動車の電動化が進められているが、現在の主流であるリチウムイオン電池(LIB)をバッテリーとした電気自動車(EV)の場合、いくつかの課題がある。例えば、LIBは広く普及しているバッテリーの中では最もエネルギー容量があるが、それでも自動車用としては不足気味のため、従来のエンジン車に比べると航続距離が短いため、航続距離を稼ぐために多くのLIBを載せる必要があり、車両重量が増加するという課題がある。また、リチウムやコバルトなどの希少金属を使用するため、より多くのLIBを搭載すると車両価格が高騰するという課題もあった。

さらに、現行のLIBは電解液を用いているため、ケースの破損で漏れ出し、発火する危険性があることも課題となっている。この対応のため、安全マージンを取った充電時間が必要で、現在の方式では充電時間が15~20分と、給油と比べて数倍かかることも課題となっている。

こうした現在のEVが抱える課題を解決する手段として、走りながら充電を行える走行中給電システムの研究が進められている。同システムを活用すれば、路面を走行しながら充電できるようになるため、航続距離を気にする必要がなくなり、LIBの搭載量を減らすことや、充電時間の課題の解決につながることが期待されている。また、LIBの搭載量を減らせるため、車両価格も下げられ、かつ車重も軽くできるため、電費も向上することが期待されている。