Astell&Kernの新たなキャリアブルヘッドホンアンプ「ACRO CA1000T」が、米国で1月11日(現地時間)に発表された。米国とカナダで2月に発売予定で、価格は2,299 USドル。国内代理店のアユートは、受注開始日や発売日などについて確定次第、改めてアナウンスするとしている。

  • ACRO CA1000T

持ち運び可能なハイレゾプレーヤー内蔵ヘッドホンアンプ「ACRO CA1000」(2022年発売)の基本的な機能や性能を継承。DACチップは従来の「ES9068AS」4基から刷新しており、「ES9039MPRO」をデュアルDAC構成で採用した世界初の製品と謳っている。

  • 製品概要

ES9039MPROにはステレオハードウェアMQAレンダラーを内蔵し、16倍のフルMQAデコードをサポート。光デジタル音声入力/出力によるMQAデコードをサポートする。また、新しいDACチップセットはフラッグシップDAC「ES9039PRO」よりもさらに高度な変調を備え、DAC内の消費電力やノイズ、歪みを低減し、オーディオパフォーマンスも強化。最高384kHz/32bitまでのPCMとDSD512(22.4MHz)のネイティブ再生をサポートする。今後のファームウェアアップデートで、Roon Readyのサポートも追加予定とのこと。

CA1000Tのもうひとつの大きな特徴が、真空管アンプモードを含む「トリプルアンプシステム」と、デュアル真空管(KORG製の次世代型真空管「Nutube」×2)によるハイブリッドサウンドオプションだ。

トリプルアンプシステムはAstell&Kernのハイレゾプレーヤー「A&ultima SP2000T」(2021年発売)で初めて導入したものだが、CA1000Tでは2基のNutubeを使用してシステムを拡張。ユーザーは真空管アンプモード、通常のオペアンプモードに加え、新しいハイブリッドアンプモードの3モードからいずれかを選び、聴いている音楽の種類に最適なサウンド出力を提供できるという。ほかにも、トラック間で一貫した再生音量レベルを維持するリプレイゲイン、ヘッドホンで自然な音響体験を可能にする「クロスフィード」機能も利用できる。

  • 利用イメージ

3.5mm、6.35mmのアンバランス出力と、2.5mm、4.4mmのバランス出力を搭載。最大出力15Vrmsで、あらゆるヘッドホンを駆動できるよう、4段階のゲイン設定が選べる。新たにミニXLR端子も搭載し、バランスライン出力に対応。そのほか、光/同軸デジタルやUSBといったデジタル入出力、RCAのアナログ出力を備える。

  • CA1000Tのインタフェース

デュアルバンドWi-Fi(2.4GHz/5GHz対応)を装備。Bluetooth 5.0にも準拠し、高音質コーデックのaptX HDとLDACをサポート。CA1000TをBluetoothレシーバーとして使う「BT Sink」が利用できる。ストレージ容量は256GBで、最大1TBまでのmicroSDカードが利用可能だ。上面にはディスプレイを備える。

内蔵バッテリーで動作し、9V/3AのUSB PD 2.0充電をサポート。フル充電時は連続11時間再生できる(CA1000は約10.5時間)。CA1000Tには、バッテリー寿命を延ばすのに役立つバッテリー保護モード機能を備えており、これを有効にすると最大85%まで充電して停止。容量80%まで低下すると再び充電を開始し、最大85%まで充電する仕組みになっているという。

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