統合によって研究開発も加速
この日立化成の買収は、これまでエッチングガスやエピタキシャルウェハといった前工程を中心として事業展開をしてきた同社に、後工程よりの材料を加えることとなった。同氏は「半導体全体にわたる知見が得られ、事業の推進力が高まった状況」とその効果を説明する。具体的には、もともと素材を1から作ることに強かった昭和電工に対し、日立化成はそうして出来上がった素材を加工することに強みを有していたという。そのため、その両者が統合することで、銅張積層板やソルダレジストフィルム、CMPスラリなどの研究開発が加速。例えば、CMPスラリでは、昭和電工のセラミックス粉技術と日立化成の溶液技術が合わさることで、従来以上に高度なスラリが実現されたという。
こうした買収・統合効果もあり、同社はこの1年、多くの設備投資に関する発表を行ってきたほか、旧日立化成所有の開発拠点「パッケージングソリューションセンタ」に次世代半導体パッケージ実装技術開発のためのコンソーシアム「JOINT2(ジョイント2)」を設立するなど、オープンイノベーションにも積極的に取り組んできた。
真岡氏は、「今後も共創、協業を増やして行きたい」と展望を語っており、そうした活動を通じて、レゾナックを強いブランドへと育てていき、強い半導体材料メーカーのイメージを持ってもらえるように、世界に打ち出していきたいとしており、国内外問わず、ユーザーに密着する形で今後の半導体の進化に求められるさまざまな材料の開発、提供を継続して行っていくことで、半導体業界内での存在感を高めていければと、としている。