イラストの個性を学習し、その個性を反映させたイラストを自動生成する画像生成AI「mimic」(ミミック)について、不正利用対策を強化した「mimicベータ版2.0」に関する情報が発表された。このベータ版は10月リリースを目指しているとのこと。

「mimic」は、同じイラストレーターが描いた15枚から30枚程度のイラストをAIに学習させることで、そのイラストレーターの画風を真似た新たなイラストを自動で生成するというもの。イラスト制作の参考資料や、SNS・ファンコミュニティの活性化を想定して8月29日にリリースされた。しかしネット上で「悪用」を懸念する声が多く寄せられ炎上。翌30日には、不正利用対策などの改善を図るとして、全機能を停止していた。

9月14日に公開された情報では、不正利用に関して「著作権を保持していないイラストを著作権者の許諾なくアップロードする行為」と「mimic上で公開されているイラストを利用範囲に逸脱して利用する行為」と位置付けた上で、不正利用対策の概要を紹介した。

1つ目は、不正利用防止のため、詳細な審査ガイドラインは伏せられているが、利用者のTwitterアカウントの事前審査を行うようだ。例えば、Twitter上での投稿・活動が確認できることや、Twitter上、またはTwitterアカウントと相互リンクとなっているイラスト投稿サイト等のページ上にて、自身のイラストを描いていることが確認できることなどを挙げている。この審査で、同社が「自身でイラストを書いている」と判断したアカウントにのみ、イラストメーカー作成機能を利用することができるそうだ。

2つ目は、透明性を確保するために、「mimic」に学習させたイラストと、それによって生成されたイラストは、公開必須だそう。また公開される「学習に利用された顔イラスト」と「mimicが作成したイラスト」には、大きな透かしを必須で入れるようだ。このほか、状況に応じて追加の不正対策を随時検討・導入していくとのことだ。

同社は、Twitterアカウントを事前審査性にすることで、「普段からイラストを描いている」方のみが利用できるようになることや、イラストが必ず公開され、普段利用しているTwitterアカウントへのリンクを設置することで、不正利用への抑止力つながること、公開されたイラストは第三者が確認できるため、自身のイラストが不正利用されていないかを確認することができることなどの効果が期待できるとしている。

ネット上では「応援してます」「技術の進歩で世界一、世界標準目指しましょう!応援してます!」「課題は多いでしょうが良い技術、良いサービスが生まれるように祈ってます。頑張って下さい!」と応援する声が多く寄せられた。