インターネットに接続できない場所、つまりメールやチャットを使えないとき目の前にあるAndroidスマートフォン上のテキストデータをiPhoneに転送したいのですね? iPhone同士であればAirDropという選択肢がありますが、AndroidとiPhoneの間でその手は使えません。iPhoneのBluetoothスタックはファイルの送受信に対応していないため、Bluetoothという方法も塞がれています。

そんなときには、iOS 16で強化された「テキスト認識表示」の機能を利用しましょう。ネットの利用はもちろんデータの転送など面倒な作業は一切なし、対象のテキストをAndroidスマートフォンで表示し、iPhoneのカメラアプリで写せばOKです。認識されたテキストを範囲指定しコピーすれば、日本語(かな/漢字)や英数字など、日常的に使用する文字の多くをほぼそのままの形でテキストデータとして取り込めます。

「Live Text」とも呼ばれるテキスト認識表示は、写真やスクリーンショットなどの画像に写り込んだ文字を認識し、テキストデータとして扱えるようにする機能です。通常、画像に写り込んだ文字はあくまで画像の一部ですが、テキスト認識表示により文字として認識されれば、キーボードから入力した文字と同様に自由な編集が可能になります。iOS 16からは日本語(かな/カナ)の認識が可能になったため、日本語話者にとっても実用的な機能となりました。

ただし、文字として認識されるかどうかはテキスト認識表示のAIにかかっています。手書き文字やデザインが施された文字/フォントは認識されにくく、明朝体やゴシック体など一般的なフォントのほうが認識されやすい傾向があります。

  • ネットを使えない場所でもiOS 16で強化された「テキスト認識表示」の機能で日本語テキストを取り込めます