ASUSから14型モバイルノートPC「Zenbook 14X OLED Space Edition」がリリースされた。ASUSのノートPCがはじめて宇宙に進出してから25周年を記念したモデルであるこの製品は、モバイルのため統合GPU仕様ではあるがド級スペックとともに、宇宙をテーマとした独特のデザインが人目を引く。最上級、個性的なオンリーワンのモバイルノートPCを求める方に適しているだろう。

  • Zenbook 14X OLED Space Edition

    Zenbook 14X OLED Space Edition

Zenbook 14X OLED Space Editionは、ハイエンドクラスのモバイルノートPCだ。CPUにはIntelの「H」SKUのCoreプロセッサを採用し、OLEDの美しいディスプレイを採用するが、やはりボディのデザインが目を引く。まずはここから紹介していこう。

カラーリングは「Zero-Gチタニウム」(ただし本体材質はアルミニウム。あくまでカラーがチタニウムモチーフだ)。チタニウムは軽量かつ耐食性にすぐれた金属で、宇宙船にも多く利用されていると言う。一般的な金属カラーというよりもシャンパンゴールドやローズゴールドといった、少し明るさのトーンを抑えた印象の色味だ。現在のモバイルノートPCで個性と言えば、形よりもカラバリかもしれない。Zero-Gチタニウムはたしかに目を引くカラーだ。

しかしZenbook 14X OLED Space Editionはそれだけではない。パームレストや天板部にはモールス信号や宇宙船の軌道などを模した幾何学的なグラフィックが描かれている。だから「Space Edition」なのだ。ASUSのノートPCが最初に宇宙で使われたのは1998年、当時のソビエトの宇宙船ミールで使用されたと言う。タッチパッド左の円弧は1998年のミールの軌道を、その左はミール宇宙船を示しているのだとか。

  • パームレスト面にはミール宇宙船を模したグラフィック

  • 天板部にはモールス信号をモチーフとしたグラフィック。「困難を乗り越えて星へ」という意味だとか

また、天板部にはサブディスプレイ「ZenVision」が組み込まれている。3.5インチサイズのモノクロディスプレイで、インフォメーションやメッセージの表示が可能だ。天板を開いた使用時は、カラーやデザインとともにこの部分のアニメーションが注目を集めるだろう。なお、ZenVisionを搭載している分、この部分が若干出っ張っている。ラフな使い方でキズをつけてしまわないよう、持ち運び時はノートPC用スリーブなどで保護してやろう。

  • 天板部で情報を表示するZenVision

  • ZenVision部分は若干出っ張っている

  • ZenVisionに表示する情報はMyASUSアプリから設定する

  • 対面使用時にどう利用できるのか……パーソナル情報(メールアドレスなど)をQRコードにしてしまえという発想。ビジネスでは便利かもしれないし、つかみとしては抜群だろう

こうしたデザインがZenbook 14X OLED Space Editionの第一の魅力だ。カラバリ展開を行っているモバイルノートPCは多いが、ここにグラフィックが加わえたものは最近あまり見掛けない。これがミールでこれがモールス信号で……といったことはチラ見しただけで分かる人は少ないだろう。しかしグラフィックとして印象に残るデザインであることは間違いない。

キーボード部は電源ボタンおよびスペースキーにブロンズ色が用いられている。デザイン的な配色と思われるが、ともに使用頻度の高いキーでありそこが判別しやすいのは便利だ。スペースキーの右端にはスペースちっくなアイコンが付けられている。全体として宇宙を感じさせるデザインだ。

  • キーボード

  • ブロンズ色の電源ボタンは打ち間違い防止にもなるだろうか。指紋認証センサー機能も統合している

  • スペースキーもブロンズ色で、右端にはスペース(宇宙)アイコン付き

キーボード自体は83キー日本語仕様だ。Enterの右に一列、上からHome、PageUp、PageDown、Endと並んでいるところを受け入れられれば、そのほかは標準的なレイアウトと言えるだろう。ちなみにHome、PageUp、PageDown、Endは、上下左右キーとFnキー併用でも可能だ。そのほかパームレスト面では大きめのタッチパッドが設けられている。タッチパッド右上の10キーアイコンを長めにタッチすればNumberPad機能をON/OFFできる。タッチパッドが10キーの代わりになるので数値入力に便利だ。

  • NumberPad機能も搭載。10キーレスキーボードだが10キー入力がここでできる

OLEDパネルに電動プライバシーシャッター付きWebカメラ、AI……。未来感を楽しもう

もう一つの特徴はスペックだ。まず外観からも分かるところでディスプレイを紹介しよう。

Zenbook 14X OLED Space Editionのディスプレイは14型サイズのOLEDだ。PANTONE認証でDCI-P3 100%をうたい発色がよい。視野角も良好だ。解像度は2,880×1,800ドット。リフレッシュレートは90Hzと若干高い設定で、応答速度も0.2msとこだわっている。タッチ対応のためパネル表面処理はグレアだ。ここでもツヤ感を高めているように思われる。

  • 現在のハイエンドノートPCに必須のスペックと言えばOLEDパネル

  • 液晶パネルを開いた際のヒンジ部が本体側を持ち上げチルト角を生み出す「エルゴリフトヒンジ」も採用している

OLEDと言うと「焼き付き」を気にされる方も多いだろう。その点、本製品は30分間アイドル状態が続いた際にオリジナルスクリーンセーバーを起動する(ピクセルリフレッシュ)ことで焼付き防止としている。また、静止画など固定ピクセル表示のコンテンツが継続的に表示されている際、目にはほとんど見えないレベルで表示ピクセルを移動するピクセルシフト機能も備えている。そのほか、WindowsのUIで変化が小さいタスクバーについては、自動的に非表示(隠す)設定や、タスクバーに透明効果を与えて少しでもピクセル変化を増やすといった設定もMyASUSに用意している。

  • OLEDの焼き付き防止機能を搭載している

上部ベゼルにはWebカメラを搭載している。Windows Hello対応のIRカメラだ。Zenbook 14X OLED Space Editionは先の指紋認証とIRカメラと、セキュアな認証機能を2つ搭載しており、ユーザーがより便利と思うほうを選択して利用できる。また、最近はWebカメラのプライバシー機能も注目されている。本製品では電動のWebカメラシールドを採用。手動のほうが感覚的に閉じている感があるものの、それではSpace感が足りなかっただろう。ソフトウェアを起動する必要はなく、Fnキーを押すだけでON/OFFを切り換えられる。

  • プライバシーシャッターは電動式

Webカメラ両隣にはアレイマイクが搭載されている。ソフトウェアのAIノイズキャンセリングを利用すれば、オンライン会議などの場でも生活音をキャンセリングしたクリアな音声で参加可能だ。

  • オンライン会議で活用したいAIノイズキャンセリング

内部スペックも妥協なし。「H」SKUのCPUにまさかのメモリ32GB

そしてもちろん内部スペックも特別だ。なにしろモバイルノートPCなのに第12世代Coreの「H」SKUを採用している。通常、モバイルノートPCに搭載されるCPUと言えば低消費電力の「U」SKUでおよそ25Wだ。Zenbook 14X OLED Space Editionが搭載している「H」SKU、 Core i9-12900Hはベースパワー45W、最大ターボパワー115W。通常のモバイルノートPCに搭載される25WのCPUと比べて熱設計値が高い。

  • 20スレッドに対応するIntel Core i9-12900Hを採用

また、コア数もPコア6基、Eコア8基で合計14コア、20スレッドに対応している。ターボブーストの最大クロックも5GHzと高い。こうした圧倒的パフォーマンスをモバイルで使いこなせるのは映像など演算性能を求めるモバイルワークにとって大きなメリットだろう。

第12世代Coreでは最新のDDR5メモリ、従来どおりのDDR4メモリの両方に対応しているが、Zenbook 14X OLED Space Editionで採用されたのは前者だ。LPDDR5-5200を採用しており、容量はなんと32GB。ようやくモバイルノートPCでも標準16GBの製品が揃ってきたが、Zenbook 14X OLED Space Editionはさらに上をいく。たしかにメモリがオンボード実装であるから後々の容量アップはできない。最初からMAXを搭載していれば今後当分の間、メモリ不足になることもないだろう。

  • 最初から32GBのメモリを搭載

ストレージはPCI Express 4.0 x4接続でNVMe対応だ。容量は1TB。こちらも十分な容量と言えるだろう。試用機ではシーケンシャルリード7GB/s、シーケンシャルライト5.2GB/sという超高速モデルが搭載されていた。

  • 試用機に搭載されていたのはSamsungのMZVL21T0HCLR。スペック的にSamsung 980 PROのOEMモデルと考えられる

  • ベンチマークではPCI Express 4.0 x4の帯域上限に迫るシーケンシャル時の転送速度

このように、ゲーミングノートPCにも迫るようなスペックだが、本製品はあくまでモバイルノートPC。そのためGPUはCPUの統合グラフィックス機能を利用する。Intel Iris Xe Graphicsだ。Iris Xeアーキテクチャによって3D性能が向上しているがあくまで統合GPUだ。基本的にはビジネスやホーム用途、あるいはIris Xeが対応しているエンコーダーを利用した映像編集などでパフォーマンスが発揮されるだろう。

  • グラフィックス機能はIntel Iris Xe Graphics