詳細な分析の結果、無電解層においてニッケルの共析を確認したとする。従来のめっき浴には、めっき析出速度を向上させる効果があることから、ニッケルが添加されているが、ナノボイドの起因として、反応で発生した水素である可能性が考察されたとする。

  • 従来法のナノボイド周辺部の分析結果

    (左)従来法のナノボイド周辺部の分析結果。(右)内層銅と無電解めっき界面の断面TEM像。左が従来法で、右がOPC FLETプロセスのもの (出所:阪大Webサイト)

一方、OPC FLETプロセスは無電解めっきの薄膜化およびビア底の内層銅との結晶連続性を達成できる技術として開発されており、その特性上、ニッケルの添加はない。そこで、OPC FLETプロセスを適用した先端半導体サブストレート(ビア径60μm)を試作して調査。従来プロセスでは100nm以下のボイドが多数確認された一方で、OPC FLETプロセスでは界面ナノボイドはなく、その発生を抑制できることが判明したとするほか、このナノボイド発生はめっき浴へのニッケル添加が関与している可能性が高いことも示されたとしている。

なお、研究チームでは、今回の研究成果について、先端半導体のマイクロビア問題(初期および経時故障)解決に貢献するものであり、先端半導体の信頼性向上につながることが期待されるとしている。