外出先でパソコンを使いたいときに便利な「テザリング」。iPhoneでは「インターネット共有」と呼ばれますが、スマートフォンのモバイル回線をパソコンやタブレットから利用できるようにするという機能は同じ、単なる言い換えです。

しかし、テザリングは利用するスマートフォンやモバイル回線(携帯キャリア)によって多少の機能差があります。iPhoneの場合、Wi-Fi接続中のスマートフォンに他のWi-Fi機器のインターネット接続を仲介する「Wi-Fiブリッジ」と呼ばれる機能が装備されていないため、Wi-Fi回線を共有できません。

そのため、iPhoneでテザリングを開始するとWi-Fiが自動的に切断されます。Wi-Fiに接続中の場合は、ホーム画面右上のWi-Fiピクト(電波状態を示す扇状のアイコン)が消え、代わりに「5G」などのモバイル回線のピクトが現れます。

テザリング中にコントロールセンターなどを操作してWi-Fiに接続しようとすると、「Wi-Fiをオンにすると、インターネット共有中のユーザの接続が解除されます」と警告を受けます。つまり、テザリングとWi-Fi回線の並行利用は基本的には許されません。テザリング中のiPhoneがインターネットに接続すると、キャリア経由のデータ通信が発生することも理解しておく必要があります。

ただし、Wi-Fiそのものは無効化されていないため、AirDrop(BluetoothとWi-Fiを利用する近距離ファイル共有機能)は機能します。テザリング中にAirDropを使えなかったiOS 12以前はともかく、もはやWi-Fiオン/オフを気にする必要はないでしょう。

  • テザリング中にWi-Fiをオンにするとどうなる?