◆PCMark 10 v2.1.2525(グラフ47~52)
PCMark 10 v2.1.2525
UL Benchmarks
https://benchmarks.ul.com/pcmark10
ゲームに関して言えば以上で終わりだが、最後にDesktopで普通に使える事の確認を。まずグラフ47がOverallである。PCMark 10 ExtendedでRadeon RX 6600 XTが最高速なのはGamingを含んでいるからで、それ以外で言えばまぁまぁ横並びであるが、それでもPCMark 10では多少差が出るのが気になる。
で、Test Group(グラフ48)を見ると、Gamingを別にすると大差がついているのはDigital Contents Creationの様だ。またEssentialsでも微妙な差がある。そのEssentials(グラフ49)、大きな差が出ているのがVideo Conferencingである。
具体的に見ると、CPUを利用するテストは当然同等なのだが、OpenCLを利用する、例えばVideoConferencingDetectPrivateOcl(OpenCLを使い、OpenCVのFace Detectionを実行する)GeForce系が110fpsなのに対し、Radeon系は260~270fpsと3倍近く。VideoConferencingDetectGroupOclはGeForce系の26fps前後に対しRadeon系は123~149fpsと4~5倍高速に処理が出来ている。
もともとNaviが世の中に出た時、必ずしもOpenCL系は高速ではなかった。例えばRadeon RX 5700のレビューではSpreadsheetMonteCarloOclの性能を比較しており、Radeon RX 5700シリーズがGeForce RTX 2000シリーズの6倍遅いという結果になっている。これはRadeon RX 6800のレビューの時も同じで、やはり6倍遅かったわけだ。ところが今回同じSpreadsheetMonteCarloOclのスコアを見てみると
GeForce GTX 1650 Super | 2.18sec |
---|---|
GeForce GTX 1660 | 2.00sec |
Radeon RX 6500 XT | 1.93sec |
Radeon RX 6600 XT | 1.82sec |
ということで、少なくともGeForce GTX 1600シリーズよりは高速に処理出来ている事が判るし、Radeon RX 6800のスコアすら抜いている。
昨年8月にRadeon RX 6600XTのレビューを行った時の結果を引っ張り出したところ、Radeon RX 6600 XTのSpreadsheetMonteCarloOclの処理時間は8.95secだった。ということは、ドライバの改良で大幅にOpenCLが高速化されたのか、それともWindows 11でOpenCLの処理が高速化されたのかのどちらかになる(違うのはその2つだけだ)。
ただRadeon DriverのRelease Notesを見ても、これに関する記載は特に見つからなかった。ちょっとこの件を某Terry Makedon氏にブン投げてみたので、何か返答があったらお知らせしたい。ただ結果を見る限り、もはやNavi 2はOpenCLにビハインドが無くなっている様に見える。これがEssentialsの、しかもVideo ConferencingでRadeon系列が性能を上げている理由である。
こうなると当然Productivity(グラフ50)で性能差はなくなるし、Digital Contents CreatioN(グラフ51)のPhoto EditingやRendering&VisualizationでRadeon系列が大きく性能を伸ばすのも当然である。
Application Test(グラフ52)でRadeon RX 6500 XTのみExcelが大きく落ち込んでいる理由は、Edit(0.93sec:ほかの3製品は0.76~0.78sec)とResize(0.51sec:他は0.43~0.44sec)のが主な理由である。煩雑な画面の書き換えが発生すると、やはりPCIe x4レーンが響いてくるという事かもしれない。もっともPowerPointとかWordではそれほど大きな差ではないあたり、やはりExcelだとちょっと厳しいといったところか。ただこれが使い勝手に大きな影響を与えるか? と言えばそこまでのものではないだろう。
◆Sandra 20/21 2021.11.31.53 Tech Support(グラフ53)
Sandra 20/21 2021.11.31.53 Tech Support
SiSoftware
https://www.sisoftware.co.uk
そのPCIe周りの帯域だけ、Sandraを使って確認してみた。もう結果は見ての通りで、Radeon RX 6500 XTの帯域はRadeon RX 6600 XTのきっちり半分になっている。なにせ配線がx4分しかないのだから帯域も当然半分になる訳で、そのいみではきっちり半分になっていることが改めて確認できた格好だ。