ICT市場コンサルティングのＭＭ総研は12月14日、2021年度上期（2021年4月～9月）のブロードバンド回線事業者の加入件数調査結果を発表した。
テレワークやWeb会議の需要増でFTTH契約数は引き続き伸長
2021年9月末時点のFTTH（光回線サービス）の契約数は3,601.4万件で、2021年3月末から100.1万件の純増となり、伸び率は2.9％。同社では、新型コロナウイルスの影響でテレワークやWeb会議などが普及する中、自宅やオフィスでのFTTHの需要が増加していることが100万件超の純増維持につながったとみている。また、ADSLからの光回線未利用者の取り込み、光回線からモバイルへのシフトの食い止めが進んだことも要因として指摘している。
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FTTH契約数の純増数推移
引き続きテレワーク等による需要が市場を牽引するとの見通しから、同社では2022年3月末時点でのFTTH契約数を3,693万件と予想している。2021年度通期での純増数は、2020年度の194.5万件と同水準の192万件になるという見通しだ。
FTTHサービスではコラボ光が初のブランド別トップ
事業者別のシェアでは、NTT東西の光回線（フレッツ光／コラボ光）が2,303.4万件でシェア64.0％。純増数も47.0万件と高く、2020年度上期の48.6万件に迫る高い伸び率だった。コラボ光の総契約数は1590.5万件で、NTTの光回線に占める割合は69.1％。光サービスのブランド別ではじめてフレッツ光を抜いて首位となった。このうち720万件超がNTTドコモの販売で、ソフトバンクと合わせた携帯2キャリアの光サービスでのシェアは7割超を占めている。
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FTTH契約数・回線事業者シェア
NTT東西に次ぐ純増数となったのは、「NURO 光」が高いコストパフォーマンスで支持されたソニーネットワークコミュニケーションズ。NURO Biz／NURO 光 Connectなどを合わせた契約件数は100万件を突破しており、2021年度下期も積極的に販促活動を行っているという。
ISP事業者はOCNにソフトバンクが肉薄。NURO 光も好調
ISP事業者のFTTH契約件数では首位のNTTコミュニケーションズ（OCN）に2位のソフトバンクが迫り、ほとんど差がない状態。前述の「NURO 光」が好調なソニーネットワークコミュニケーションズのほか、ニフティ／ビッグローブも契約数を伸ばしている。
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FTTH契約数・ISPシェア
FTTH／ADSL／CATV／宅内ワイヤレスサービスを合算した固定ブロードバンド市場全体としては、ソフトバンクがシェア首位を維持。モバイルとのセットで訴求する「Softbank 光」が大きく契約数を伸ばした。2位以下の順位も2021年3月末時点から変化なし。
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固定ブロードバンド契約数・ISPシェア
FTTHは引き続き好調に推移すると予測。ワイヤレスも高い成長率に
今後の固定ブロードバンド市場については、2023年以降にサービス終了が予定されているADSLや光へのシフトが進むCATVで現象が続くものの、FTTHや宅内ワイヤレスの増加により引き続き継続的に拡大し、2022年度には5,000万件を超えると予測している。
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固定ブロードバンド契約数の推移・予測
中でもFTTHの需要は引き続き旺盛になると見ており、2021年度以降の3年間の成長率は年平均で4.6％を見込む。2023年度中には4,000万件を超える見通しだ。さらにワイヤレス市場については2021年度以降の3年間で平均16.5％の成長率を予測しており、2022年度には固定ブロードバンド契約数の1割以上を占めるとしている。
