宮崎大学、NTTデータ、ファイザーは11月24日、国内の医療分野での科学技術の向上とリアルワールドデータ(以下、RWD)の利活用の推進を目的に、コンピュータの自然言語処理による臨床アウトカム評価に関する共同研究を実施した結果、日本で初めて、がん患者の電子カルテの非構造化データから、臨床アウトカムを評価するための有益な情報を得ることができたと発表した。

臨床アウトカムは、電子カルテなどの臨床の現場で作成される文書から評価可能と考えられているが、その文書の多くは、経過記録などの入力形式が定められていない状況で作成される非構造化データで、日本ではそのデータから評価する手法は確立されていないという。

今回の共同研究は、その手法確立に向けた前段階として行われ、自然言語処理技術を用いて非構造化データから、薬物治療効果判定に関連するキーワードや、遺伝子検査の結果などを抽出できることを証明した。

  • 共同研究のイメージ

今後、複数のキーワードの関係性や文脈を考慮したAI(人工知能)による薬物治療効果判定モデルの構築に向け、ライフデータイニシアティブを含めた4者はAIを活用した自然言語処理技術であるドメイン特化BERTを用いた薬物治療の効果判定モデル生成の研究にも取り組む予定。