パナソニックから、ビルトイン食器洗い乾燥機の新製品「9Plus series」(3機種)が発表されました。発売は2月1日で、価格はフルオープンタイプの「K9 Plus series」が356,400円。フルオープン非搭載の「M9 Plus series」は、ドア面材型とドアパネル型とも284,900円です。メディア向けの発表会&体験会からご紹介します。

  • パナソニックのビルトイン食器洗い乾燥機「9Plus series」(写真は上位モデルのK9 Plus series)

液体洗剤の自動投入機能を新たに搭載

1960年に国内で初めて、食器洗い乾燥機を発売したメーカーがパナソニックです。2021年4月の生産累計台数は1,200万台に達しました。年々普及が進んでいる食器洗い乾燥機ですが、国内普及率は27%でまだまだこれから伸びしろがあるカテゴリーです。

食器洗い乾燥機を使うメリットは、「家事負担の軽減や時間の創出」「高温水で洗うことによる清潔性」「手洗いと比べて圧倒的な節水性能」が挙げられます。特に共働き世帯にとっては、「家事負担の軽減や時間の創出」は大切なポイントですよね。

今回の新製品「9Plus series」では、食洗機用の液体洗剤を自動投入する機能を搭載し、さらなる省手間を実現しました。家庭用の洗濯機では、液体洗剤・柔軟剤の自動投入機能を持った製品が増えましたが、その便利さから人気機能のひとつ。食洗機の液体洗剤自動投入にも期待が持てます。

  • タンクに液体洗剤を入れてセットします

  • タンクには約30回分の洗剤が入ります

液体洗剤をタンクに入れて本体にセットし、操作パネルの電源を入れ、スタートボタンをタッチしてドアを閉めるだけ。庫内では、液体洗剤を入れる前に水だけで予洗いして、食器の量や汚れ具合を検知。食器の汚れや量に応じて洗剤量やすすぎ回数、洗う時間を自動設定します。洗剤を計量する手間が省けて、入れすぎることもありません。これまで食器洗い乾燥機を使ってこなかった人でも、直感的に扱える点もポイントです。

粉末洗剤やタブレット洗剤、海外製の(スライムみたいな)粘度の高い洗剤を使う場合は、自動投入機能をオフにして手動で入れます。

  • 最初に水だけで予洗いをして、汚れや食器の量を検知

ナノイーXを庫内に放出、まとめ洗い時のニオイを抑える

収納できる食器点数は48点、約6人分が入ります。たっぷり入るため2~3食分まとめて洗うことも可能。そんなときにうれしいのが新機能の「ナノイーX」送風です。

食器洗い乾燥機の庫内にナノイーXの風を送ることで、汚れた食器を入れた庫内のニオイを抑制するとしています。さらに、食器を洗ったあとにナノイーXを送風して、庫内を清潔に保つ機能も。食器をまとめて洗うために食器洗い乾燥機を開けたとき、「なんか臭うな……」ということもなくなりそうです。

  • 庫内の清潔が気になるときに「ナノイーX」はうれしい機能

高さ2mまで昇る勢いある水流。庫内には食器を吹き飛ばさない工夫も

体験会の会場では、水流を観察できる実演機が展示されていました。水流は高さ約2mまで吹き上がり、噴水みたいです。さらに、中央でまっすぐ噴射するだけでなく、庫内の隅を狙う水など、1分間で4パターンの水流を切り替えて洗います。水温は52~67℃で、牛肉の脂といったしつこい汚れも溶け出す温度。高圧水流と高い水温で汚れをしっかり落とすわけです。

  • 高圧の水流と高い水温でしっかり洗います

【動画】カゴの上段や庫内の隅まで水が行き渡っているのが分かります
(音声が流れます。ご注意ください)

  • 高さ約2mになる水流はスゴイ勢い

これだけ水野勢いがあると、お弁当箱や仕切りに使うシリコンケースなどの軽いものが水流で飛ばされそうですが、上カゴで押えれば大丈夫。上カゴを左右にスライドさせると、4つのスタイルに変形します。

大きなフライパンや鍋を乗せるときはフルフラットに、パスタポットのように深い鍋を洗うときはフルフラップにするなど、洗う食器や調理器具の種類に合わせて変えられます。これは便利!

  • 上段をフルフラットにすれば、パエリア鍋のような大きな鍋もセット可能

  • 上段を区切ると、食器を整理しながらセットしやすく

  • 上段に食器を置きつつ、下段にも大きな食器や調理器具を配置できます

  • 上カゴを片方にまとめて持ち上げれば下段を広々使えます

  • 上カゴでお弁当箱を押えれば、高圧水流でも飛ばされません

庫内をダークカラーにした落ち着いたデザイン

庫内の色にはダーク系を採用し、高級感ある雰囲気。操作部は静電タッチ式で、使うときだけ操作ボタンが浮かび上がり、引き締まったデザインを演出しています。

  • 操作に必要な表示だけ浮かび上がる静電タッチ式

  • ダークカラーの庫内は落ち着いた雰囲気です

上位機種のK9 Plus seriesはノックでドアが開く

上位モデルのK9 Plus seriesは、扉を2回ノックすると自動で開く「フルオートオープン」機能を備えています。いろいろ試しましたが、ノック1回や膝をぶつけたくらいでは開かないため、料理中に誤って開くということもなさそう。食器をたくさん入れると重くなるため、洗い終わったあとに扉を引っ張るのは大変。そんなとき自動で開く「フルオートオープン」機能は助かりますね。欲をいえば「自動クローズ」もあるとよかった……。

【動画】ドアを2回ノックすると開きます
(音声が流れます。ご注意ください)

リフォームや新築住宅で検討の価値大

パナソニックの洗濯機にも液体洗剤の自動投入を備えたモデルがありますが、ユーザー調査によると「洗剤ボトルを置かないためスッキリする」「計量の手間がいらないので、誰にでも使える」など、好評のようです。食器洗い乾燥機でも液体洗剤を自動投入できれば、もっと楽に使えそうですね。

また、食器洗い乾燥機は、水流がちゃんと当たるように庫内の食器配置にコツがいります。最初のうちはなかなかしっくりこないものですが、本機なら庫内のラックが動くため、食器の種類や量に合わせて調節できます。庫内のスペースを有効利用できて、さらに柔軟性が高いのは使い勝手がよいと感じました。

食器をキレイにする基本機能はもちろん、デザインや洗剤自動投入といった付加機能が魅力のビルトイン食器洗い乾燥機。リフォームや新築住宅で選択肢が増えました。