米AMDは11月8日(現地時間)、製品発表会「AMD Accelerated Data Center Premiere」をオンラインで実施し、その中で3D V-Cacheを搭載するデータセンター向け新プロセッサを発表した。開発コードは「Milan-X」。同日Microsoft Azure HPCのPrivate Previewで提供が始まっており、2022年第1四半期からはパートナーからも展開する。

  • Lisa Su博士が持つ「Milan-X」

開発コード「Milan」ことAMD EPYC 7003シリーズに3Dダイ・スタッキング技術を適用し、3D V-Cacheを搭載したデータセンター向けプロセッサ。L3キャッシュは3倍にも増量され、ソケットあたり最大で804MBという大容量を達成。BIOSアップデートの適用でかんたんに導入でき、大幅な性能向上を実現するとしている。

  • L3キャッシュは3倍に増量。帯域は広く、レイテンシが小さくなったことで性能を高めた

  • MilanとMilan-Xでの性能を比較。両製品ともにZen 3コアを16個搭載している

  • 3D V-Cacheの搭載で66%もの性能向上を実現した

また、発表会ではデータセンター向けCPU製品のロードマップも更新した。5nmプロセスを採用するZen 4ベースの「Genoa」を発表し、2022年中の提供開始を予定する。密度と電力効率を2倍に引き上げたことで、性能を1.25倍向上。高速なDDR5やPCI Express 5.0にも対応するという。

  • 「Genoa」が登場。あらゆる用途で世界最速を謳う

  • より微細な5nmプロセス採用で密度と電力効率が向上。性能も高める

  • 高速な次期インタフェースをサポートしてデータセンターのインタフェースにブレイクスルーを起こすという

さらに、そのGenoaの後継となるデータセンター向けプロセッサ「Bergamo」も発表された。より高密度で多くのコア数を搭載できるという「Zen 4c」ベースの製品で、1ソケットで最大128コアの搭載を実現。Genoaとはソケットの互換性があり、性能と電力効率で飛躍的な進化を遂げるとしている。

  • クラウドネイティブを謳う新プロセッサ「Bergamo」も発表

  • 5nmプロセスの「Zen 4c」ベースで、より多くのコア数搭載を可能にした

  • 今回発表されたのは7nmの「Milan-X」、5nmの「Genoa」「Bergamo」