一般的にリモート会議にはPC、スマホ、タブレットを利用することが多いだろう。しかし、たとえば会議室や共有スペースに常時設置しておく専用機がほしいというニーズもあるはず。そんな用途にピッタリの製品が、ソースネクストのリモート会議専用機「KAIGIO MeePet」(29,700円)だ。

  • ソースネクスト「KAIGIO MeePet」(29,700円)

カメラ、マイク、スピーカーを内蔵したオールインワンの専用機

KAIGIO MeePet(以下、MeePet)は、リモート会議専用に開発されたオールインワン端末。「Zoom」「Teams」「Webex」に対応しており、MeePetだけでセットアップが可能。タッチ対応の8インチディスプレイを搭載したボディには、500万画素・画角110度のカメラ、ステレオマイク、4W×2のステレオスピーカーが内蔵されており、別途機材を購入する必要はない。

  • ディスプレイサイズは8インチ。解像度は非公表

インタフェースは、USB Type-A×2、USB Type-C(電源用)×1、HDMI出力×1、有線LAN×1、3.5mmコンボジャック×1を用意。ワイヤレス通信機能は、IEEE802.11a/b/g/n、Bluetooth 5.0をサポート。HDMI端子を利用してプロジェクタや大画面テレビに接続したり、USB Type-A端子にキーボードやマウスを接続することも可能だ。また、3.5mmコンボジャックやBluetooth経由でヘッドセットも利用できる。

本体サイズは211×155.2×104mm、重さは約966g。ACアダプターが付属するが、5,000mAhのリチウムイオンバッテリーを内蔵しており、単体でバッテリー駆動できる。会議室用に複数台導入する場合でも、全室に設置する必要はないわけだ。リモート会議時のバッテリー駆動時間は約1.5時間とされており、1回のリモート会議には十分だろう。

  • 左から、3.5mmコンボジャック×1、有線LAN×1、HDMI×1、USB Type-A×2、USB Type-C(電源用)×1を配置。無線LANの電波が安定していない環境では、有線LAN端子が重宝する

  • 左右側面にはステレオスピーカーを装備

  • 本体底面の穴は放熱口だと思われる

  • パッケージには本体以外に、ACアダプター、説明書類(スタートガイド、安全上のご注意、製品登録はがき、ハードウェア保証書)などが同梱

  • ACアダプターのコード長は実測152cm

  • 専用リモコン(1,980円)をオプションで用意

セットアップはネットワーク接続後、サインインするだけ

セットアップは、ネットワークに接続したら、あとはZoom、Teams、Webexのアカウントでサインインするだけだ。特に難しいことはない。一応それぞれのアカウントを作成できるようだが、基本的にはPCやスマホ、タブレットでアカウントを作成してから、MeePetでサインインしたほうが手間はかからない。

ホーム画面には「参加」と「開催/予約」ボタンがあり、MeePetからリモート会議に参加するだけでなく、開催/予約することも可能だ。ただし参加する場合はともかく、リモート会議を主催する場合には参加者を招待する必要がある。開催/予約にはPCやスマホ、タブレットを使ったほうがよいだろう。

  • まずは無線、有線のどちらのネットワークを利用するか選択。もちろん、あとからでも変更可能だ

  • ネットワークに接続すると、このホーム画面が表示される

  • ホーム画面の左上のアイコンから、一般、インターネット接続、Bluetooth、ビデオ/オーディオ、バーチャル背景、その他、電源……などの項目が並ぶ設定画面に入れる

  • これはZoomのサインイン画面。IDとパスワードはタッチパッドでも入力できるが、外付けのキーボードやマウスも使える

  • Zoomでリモート会議を予約するとホーム画面に一覧表示。「会議予定を表示」から「Outlook」のアカウントを登録すると、Outlookの予定表に登録されているZoom、Teams、Webexの会議予定も表示

  • ミーティング時間が近づくと、アラーム音とともに通知画面が表示される

試用していてひとつ気になったのがサインイン・サインアウトの挙動。セキュリティーのために一定時間使わなかった場合に自動サインアウトする機能があるのだが、この機能をオフにしていてもMeePetを再起動すると、なぜかZoomが高確率でサインアウトされてしまうのだ。一方、Teamsはサインインした状態を必ず維持。ソースネクストに問い合わせたところ、「今後の改善課題と認識している」という回答だった。再起動のたびにサインインするのは面倒なので、ソフトウェアアップデートで改善を期待したい。

自然な発色のカメラ、マイク音質はウェブカメラと同等

リモート会議の品質はZoomで試してみた。まず画質については一般家屋の室内でもまずまず明るく、自然な発色で撮影できていると思う。500万画素のカメラを採用しているだけに、解像感も高く、背景などもくっきり映っている。一方、音声は専用マイクには及ばないが、Webカメラなどと同等の音質を備えている。MeePetの映像を実際に録画してみたので、ぜひご確認いただきたい。

【動画】KAIGIO MeePetのZoom経由の映像をPCで録画してみた。音声はWebカメラとほぼ同等の品質だ
(音声が流れます。ご注意ください)

  • レースカーテンで外光を採り入れている部屋で、天井のシーリングライトを点けて撮影。自然な発色で撮影できていると思う

  • 「設定→バーチャル背景」から、バーチャル背景エンジン「XSplit VCam」による背景変更機能を利用できる。やや切り抜きがラフだが、動いているとほとんど気にならない。背景画像はデフォルトで7枚登録されており、「追加する」にて100万種類以上の写真素材から追加登録可能だ

さて、MeePetは前述の通りHDMI端子とUSB Type-A端子を備えている。HDMI経由でディスプレイと接続すれば、本体と同じ画面がそのまま表示される。特に設定は必要ない。プロジェクタなどと接続すれば、大人数でリモート会議するときにも重宝するはずだ。

  • 接続したディスプレイには720p/60Hzで映像出力

キーボードとマウスをUSB Type-A端子に接続すると、IDやパスワードの入力、リモート会議の予約などに便利。ただし、キーボードが英語配列として認識されるので、日本語キーボードでは記号などの配置が異なってしまう。IDやパスワードに記号を多用している場合は入力に注意が必要だ。また、ZoomのIDのテキストボックスなどはデフォルトで日本語入力になっている。「Shift+Space」で入力モードを英語に切り替える必要がある点にも留意してほしい。

  • 今回は日本語キーボードで試用したが、できれば英語キーボードを用意したいところ

家中どこでも手軽にリモート会議サービスを利用できる

MeePetで特に気に入ったのがバッテリー駆動できること。リモート会議中でも、片手で気軽に持ち運び、好きな場所で参加し続けられるのは、個人ユースでも非常に便利だと思う。専用機ということで機能は絞られているが、より手軽に、より自由にリモート会議サービスを利用したいというニーズには魅力的な選択肢だ。